2011年07月12日 映画『ムカデ人間』の愚劣さ (注意:この記事には映画『ムカデ人間』に関する、いわゆる「ネタバレ」が含まれます。) 私たちは氾濫する無数の言葉に取り囲まれている。その言葉は、現実の似姿としての「情報」というかたちで流通しており、私たちは「情報」を与えられれば与えられるほど、出来事を見る力や聴く力、それを名づける力を奪われている。ネット上で更新された情報を配信する仕組みのことを「フィード」というが、「フィード」というのは動物に餌をやることだ。私たちは大量で色とりどりの糞のような餌ばかり与えられているあいだに、自分で獲物を狩って食う力を奪われている。 そんな問題を考えるために「3・11」などという符牒を持ち出さなくてもよいのかもしれないが、電力会社の虚偽情報に翻弄され、マスコミにリークされた情報に浮き足だち、自分たちが何ら関与できない回路のなかで政治家の下した決定が、また
MIT Sloan MBA留学記とその後。2010年6月に卒業。留学情報、ワイン、イノベーション論、技術・組織論まで せっかくの連休なので、アメリカンポップスに関するネタを提供しつつ、社会問題を。 ていうか、多くの人にとってはJustin Bieberって誰よ?って感じだろう。 アメリカで今やLady Gagaの次くらいに絶大の人気を誇る、ティーンのアイドルです。 知らない人は多いと思うが、彼の叩かれ方を見ていると、アメリカの世相を顕著に表しているなぁと思ったので、書いてみることに。 1. Justin Bieberって誰よ? Justin Bieberは、現在アメリカのティーンアイドルで一番人気の、男性ポップシンガー。 2009年にデビューした、御年17歳のカナダ人。背はちっちゃく、17歳にしては童顔である。 歌はまあまあだが、とても上手いというわけではない。ダンス、楽器などが出来る感じ
¡El Pueblo Unido, Jamás Será Vencido! (皆がつながれば、負けることはない。) ──ラテンアメリカ民衆の抵抗運動のコール エジプトの革命は素晴らしい。そしてこれを見ていると、どうしても「じゃあ、我々は何なんだ!?」と思ってしまう。ヨーロッパや北米でも、もちろん南米でも、大規模なデモが頻繁に起きる(註1)。日本人はなぜこんなに従順なのか、と。 気になるのが、「とにかく一日も早い安定を」「周辺諸国も不安定化する懸念」「観光による損失が一日当たり30億円」「石油供給への影響は?」などという、ニュースで散々聞かされてきた台詞だ(註2)。 こういう台詞は、民主化に賛成か反対かという域を超えている。そんなことはどちらでもよく、安定していさえすればいいのだ。極めてビジネスマン的である。そしてこれが日本人の革命やデモに対する、平均的な感覚な
2011年02月13日16:00 カテゴリPsychoengineeringMedia 表現とは、地雷である。 ああ、わかった、ような気がする。 しかしなあ。そもそも、表現の自由って絶対不可侵でもなんでもないのよ。たとえば他人を傷つける表現の自由はない。これは重要なことなんだけどなあ。マンガは絶対的な聖域だって確信はどこから出てくるのだろうか。less than a minute ago via webhiroki azuma hazuma アニメ「フラクタル」のぬるさの理由が。 現在進行形の物語を論評するのは避けたかったところなのだけど、あまりによい教材が今そこにあるので、私はそれをもって読者のみなさんを傷つける誘惑に耐えられない。 今期のアニメの一番人気といえば、「魔法少女まどか☆マギカ」だろう。何をもって一番人気とするかは異論もあろうが、ネットの反響ではもう圧倒的。「( ◕ ‿‿ ◕
先日まで、ファッション(つまり着飾る事)はコミュニケーションの一貫であるというような考察を展開してきた。それは、周囲の状況を頭に入れつつ、自分を表現するかを考えて行く事だ。見られる自分と見せたい自分のバランスを取りながら、装いを決めて行くのである。会話が本来双方向であるのと同じく、装いの作業も双方向性であるべきだろう。コミュニケーションが成り立つためには、自分が周囲に影響を与えつつ、周囲からも影響されるのだという確信が必要だ。 自分が周囲に影響しないと考えれば、相手に闇雲に追従するか、そこから引きこもってしまうことになるだろう。また、自分が外的環境に完全に抑圧されてしまう(つまり相手に開くことによって自分が完全になくなってしまう)と考えると、引きこもるか、相手を支配したいと考えるようになるかもしれない。場を支配しなければ、自分がやられてしまうからである。 さらに、「個性はすべて排除されるべ
ユリイカ2011年2月号 特集=ソーシャルネットワークの現在 Facebook、twitter、ニコニコ動画、pixiv、Ustream・・・デジタルネイティブのひらく世界 作者: 小林弘人,濱野智史,東浩紀出版社/メーカー: 青土社発売日: 2011/01/27メディア: ムック購入: 13人 クリック: 114回この商品を含むブログ (34件) を見る 『ユリイカ』2011年2月号の特集が「ソーシャルネットワークの現在」とのことで、2008年9月号の太宰治と坂口安吾の特集のとき以来、久しぶりに買ったぜ。 冒頭の小林弘人×濱野智史対談はいろいろ腑に落ちたが、少し違和感を覚えるところもあり、そこらへんをおいおい文章にできたらいいのだけど。あと濱野さんの痩せぶりは、『モテキ』藤本幸世のリアル版……は大げさだけど羨ましいな。 速水健朗さん(id:gotanda6)のユニークなインタフェース論、
【教えてくん】コミュニティーなのです。 なんかニュースとかあったらここに書こうかと思ってますよ。とりあえず、おいらのブログ ニコニコ動画が曲がり角な件 先日、JCBホールを二日間借りて、ニコニコ大会議FINALというのをやりました。 発表内容を見るとわかるんですが、 ネットサービスとして、「こういったシステムを作りました。」とか、 「こういった改善をしました。」とかが無いんですよね。 ニコニコ大会議FINAL(凸)(凹) 新発表の内容まとめ http://blog.nicovideo.jp/niconews/2011/02/011306.html 映画やCM作りましたとか、原宿に本社作りましたとか、お金を垂れ流すコンテンツの話ばかりだったりします。 んで、大会議に昔から出席していたitmediaの記者の岡田さんがこんなことを書いてました。 ニコ動、曲がり角なのかな。 ひろゆき氏があくまで第
映画『ソーシャル・ネットワーク』のヒットもあって、Facebookに注目が集まっている。 すでにさんざんいわれているけれど、Facebookは実名主義で、学歴や職歴、趣味だけでなく、宗教や政治的立場の入力欄があり、多くのひとが顔写真を載せている。それに対して日本は、2chに代表されるように匿名主義が主流で、SNS最大手のmixiは、ユーザーの登録情報を実名にしたところトラブルが続出したため、匿名で登録しニックネームでやり取りするのが一般的になった。 実名主義と匿名主義は、ナッシュ均衡の関係にある。大半のひとが実名でSNSを利用しているのであれば、自分だけ匿名なのは、やましいことがあると告白しているのと同じだ。逆にみんなが匿名で情報交換する場所で、一人だけ顔と名前をさらすのは、トラブルを招き寄せるようなものだろう。 実名主義の社会では、自分がひとよりどれだけ目立つかを競うのがデフォルトのゲー
つながりの作法―同じでもなく 違うでもなく (生活人新書 335)綾屋 紗月 熊谷 晋一郎 日本放送出版協会 2010-12-08 売り上げランキング : 65016 Amazonで詳しく見る by G-Toolsアスペルガー障害当事者の綾屋さんと脳性麻痺当事者で医師の熊谷先生。前作のコラボ「発達障害当事者研究」より更に一歩踏み込んだ考察です。 今なんだか「発達障害」がブームらしく、心理学のコーナーに行けばその類いの本ばかり。どうも文科省が「不登校もイジメも引きこもりも、その根底には発達障害がある」という安易な風説に飛びついたせいでしょうか。70年代に流行った行動分析が再ブームになっていて、タイムスリップしたようなめまいを覚えます。ただ70年代の暗黒時代と違い、障害の診断を受けた人たちが大人になり、自分たちの体験を発信してくれるようになったのが今の時代のメリット。「専門家」たちが外から見て
ペピン結構設計? 現実社会を生きる人々や出来事を「演じる主体」と見なし、そのオルタナティブなありかたを上演する4人のアート・プラクティス。 1999年、高校の同級生で劇団として結成。10年間ほど小劇場やアートスペースで舞台作品を発表した後、劇場の外へと活動の場を移す。フィクションを通じて繁華街、田園地帯、駅、路上、個人宅など公共空間や私的空間に介入し、そこで日常を営む人々を演者として演劇を立ち上げるプロジェクトを国内外で展開。 現在は互いの伴走者としてゆるやかに連携しながら、メンバーそれぞれが異なる職能を生かし、領域を超えて「演劇的なもの」を立ち上げる実践を重ねている。活動領域は現代アート、アーバニズム、サービスデザイン、ブランディング、農業、国際協力、文化政策など多岐にわたる。メンバーは石神夏希、里見有祐、下田寛典、中澤大輔の4人。
「ハリウッド映画みたい」という言葉が氾濫した。だが、これは、映画研究の片隅にいるものにとって、どうにも腑に落ちない物言いであったととりあえずはいわざるをえない。いやというほど垂れ流されたWTCの爆撃映像は、ハリウッド映画をかたちづくる基本的な映像文法とはほど遠いものであったからだ。望遠レンズでの撮影、固定したカメラ、長いロングテイクで、編集(カット)の全くない映像、それらはむしろ単純素朴に非ハリウッド映画的な映像というべきではないのかという疑念が目から離れなかったのである。 だから、「ハリウッド映画みたい」という印象を素朴に信望して、これまた素朴なアインデンティ・ポリティックスと結びつけ、CNNの偏った映像報道にしかすぎないと言った社会学者のコメントをみても、あるいはまた、「ハリウッド映画みたい」という表現に過剰に感情的に反応して、映画は代理体験に過ぎないだの、ハリウッド映画の物語想像力に
たぶん、ブログメディア単体の数字で「まだ赤」という話なんだろうと思うけれども。 プロブロガー目指すのやめました。10月の黒字達成率41.4% http://techwave.jp/archives/51519135.html そこでなんかyomoyomoさんが巻き込まれて湯川さんにブロックされているという面白エピソードも。しかもまとめたのはかのせさん。微笑ましいです。 TechWaveの批判記事を書いたyomoyomo氏、TechWaveチーフブロガーの湯川鶴章氏にブロックされるの巻 http://togetter.com/li/65958 [Weblog] TechWaveの一番クソだと思うところ http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20101104/techwave 個人的にはtechwaveにはいつまでもウェブメディア界の七番打者として微妙なところで頑張って
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く