タグ

ブックマーク / www.ringolab.com (46)

  • 贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ - 情報考学 Passion For The Future

    ・贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ クリスマスプレゼントを渡す日ですね。 「贈与の最盛期」である15世紀後半の日の贈与儀礼を研究することで、日独特の贈与文化が浮かび上がってくる。お中元のやりとりが若者層で低調になっても、まだまだ日人は贈答好きだ。結婚祝い、香典、出産祝い、入学祝い、年賀状...。バレンタインデーができたら、返礼のホワイトデーもすぐに定着した。日の民法はいかなる理由があっても贈与の撤回を認めていない。贈与の保護が厚いのはなぜか?。起源は中世にあった。 世界の歴史をみると贈与は「神にたいする贈与」から始まる。それが国家や領主に対する税に転化していく。キリスト教と密接に結びついていた中世ヨーロッパの贈与と異なり、日では比較的早い段階で贈与が宗教と切り離され、より世俗的な用途が主体のかたちに変容していった。 贈与は、贈与者と受贈者の二者だけで完結するものではなく両者の関係

  • ヤバい統計学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ヤバい統計学 統計の失敗やウソを暴くのではなく、統計が正しく使われた成功事例を10のエピソードで解説する。統計学の成果を現実の社会に応用するには、難しい計算ができるだけではまったく不十分で、その数字が人間にもたらす心理効果や、実際の経済効果をよく考えなければならないということがよくわかる。 最初のエピソードはディズニーランドのファストパスは統計学の成功例だ。ファストパス発券によってアトラクションの待ち行列が短くなるわけではない。しかしファストパスにより「ディズニーのテーマパークでアトラクションを待つ行列は年々長くなっているにもかかわらず、出口調査によるとゲストの満足度は上昇し続けている。」そうである。 ファストパスの役割は待ち時間を短くすることではなかった。パスがあっても、アトラクションの収容能力は変わらないからだ。統計学的にはパスの真の機能はゲストの待ち時間のばらつきを排除することに

  • 「痴呆老人」は何を見ているか - 情報考学 Passion For The Future

    ・「痴呆老人」は何を見ているか ボケたらどうなるの?をとっかかりに、現代日人の精神構造の変容を分析する。 認知症では偽会話という独特のコミュニケーション形態が見られる。認知症の患者と介護者、あるいは患者同士で交わされるトンチンカンな会話のやりとりのことだ。意味不明のやりとりなのに、会話が和やかにできたことで患者は満足する。会話の内容を論理的に理解できなくても、情動レベルでは立派にコミュニケーションが成立している。認知症の老人にとっては、論理より雰囲気、情報より情動が生存にとって重要なものだからだと著者はいう。 認知症患者は「最小苦痛の原則」に従って、自分にとって痛みが最小になるように、虚構の現実を構成する。無関係の人を自分の夫やと思いこむことで、人間関係から自身を確認する。外界とのつながりを断念した人は、過去の記憶の世界につながりを求めようとする。人違いにもルールはあるのだ。 情動コ

  • 検索エンジンはなぜ見つけるのか ―知っておきたいウェブ情報検索の基礎知識 - 情報考学 Passion For The Future

    ・検索エンジンはなぜ見つけるのか ―知っておきたいウェブ情報検索の基礎知識 GoogleYahoo,Bing,Baidu...。Webの検索エンジンって不思議である。何千億ページもあるWebページを一瞬で検索できる。検索エンジン会社にはどんな凄いスーパーコンピュータがあるのだろうか?そしてWebページは世界中の何億台ものサーバに分散しておかれているが、ページの追加、更新を登録するマスターデータベースのようなものは存在しない。検索エンジンはどうやってWebの世界をデータベースに取り込むのだろうか。 もれなく、すばやく、的確な検索を実現する。検索が3つの要件を満たすには、専門的には、クローリング、インデクシング、スコアリングという機構があって、N-gram、ページランク、ベクトル空間モデルなどの、さまざまな要素技術が働いている。詳細に語ろうとすると専門用語だらけで分厚いになってしまう分野だ

  • 利他学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・利他学 これは面白かったなあ。利己的に活用もできそうな利他学の。 人はなぜ赤の他人を助けるのかの科学。 自分が損をして相手を助ける。赤の他人ではなく血を分けた近親者を助ける利他行動は、わかりやすい。自分が犠牲になっても、相手と共有した遺伝子が次の世代へ残っていくから、そうするという理由で、説明がつく。それに同じ場所に暮らすものどうしなら、今日は助けても、明日は助けてもらうことになるかもしれない。お互いさまの直接互恵性は利他行動の基だ。 しかし、人間は見返りを期待できない赤の他人も助ける。電車では老人に席を譲るし、道で困っている人を見捨てない。見返りが期待できない大きな集団の中で、間接互恵性を発揮する大きな理由として「評判」があるという。「あの人は親切だ」いう評判があれば、集団内で利他的にふるまってもらえる可能性が高くなる。 利他性を引き出す方法が社会心理学の実験からわかってきている。

  • 教養としてのゲーム史 - 情報考学 Passion For The Future

    教養としてのゲームゲームの「進化の系統樹」がよく整理されている。 たとえば最初に紹介されているのは、 ポン → ブレイクアウト → インベーダー → ギャラクシアン → ギャラガ という進化系。単純なテニスゲームのポンにブロック要素を加えるとブレイクアウトになり、ブロックが動くインベーダーに進化して、さらに自由度の高い動きをするギャラクシアンができて、合体などの要素が加わるとギャラガになる。 ほかにも ヘッドオン → 平安京エイリアン → パックマン ドンキーコング → マリオブラザーズ → スマブラ ウルティマ、ウィザードリィ → ドラクエ ドルアーガの塔 → ハイドライド → ゼルダの伝説 プリンセスメーカー → 同級生 → ときメモ → ラブプラス などなど、主に画面の見立てを軸にして系統を有名なゲームを挙げながら説明していく。80年代から代表的なゲームを遊んできたという人なら

  • マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室] - 情報考学 Passion For The Future

    ・マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室] マクルーハン生誕100周年だそうだ。ちょうどわかりやすい入門書がでていた。 3つの講義形式をとる。親切で落ちこぼれをつくらない授業だ。 マクルーハンの難解な『外心の呵責』の全文和訳を素で読んだあとに、著者による行レベルの丁寧な解説がつく第一講。専門家に横についてもらいながら、物を体験できる感じで、安心して読める。 第2講ではマクルーハンの生涯と主な著作についての解説、そして「メディアはメッセージである」の解釈。第3講では「地球村」の概念の再検討と、その思想の芸術面への広がりについて語られる。 マクルーハンの思想の中心にあるのは「メディア=テクノロジー=人間の身体と精神の拡張」という考え方だ。その著作は、インターネットもケータイもなかった時代の執筆にも関わらず、現代に起きていることを予言していたかのようなことばで満ちている。 「文字

    gauqui
    gauqui 2011/07/21
  • 一万年の進化爆発 文明が進化を加速した - 情報考学 Passion For The Future

    ・一万年の進化爆発 文明が進化を加速した 非常に面白い。知的好奇心をかきたてられる。 ヒトの生物的進化は緩慢になったのではなく、むしろ加速している?。 今日のヒトという種は、誕生以後600万年間の平均の100倍のスピードで進化しているという仮説。数万年から数十万年の長さが必要だと考えられてきた、ヒトの大きな進化も、数千年あるいはもっと短い時間で実現されていると著者はいう。進化の加速の前提はヒトが増えて混ざったことだ。 「そのような大きな集団で望ましい変異が広がるには、旧石器時代のような小さな集団で広まるよりもずっと長い時間がかかると思うかもしれない。しかし、有利な対立遺伝子の頻度は、よく混ざり合った集団ではインフルエンザのように時間とともに指数関数的に増大するので、1億人の集団に広まるのには、1万人の集団に広まる時間の2倍しかかからない。」 進化加速の大きな原因は約一万年前に始まった農業で

  • セックスメディア30年史欲望の革命児たち - 情報考学 Passion For The Future

    ・セックスメディア30年史欲望の革命児たち 電話風俗(Q2、テレクラ)、出会い系サイト、エロ雑誌、アダルト動画、大人のオモチャ、性風俗...。欲望のメディアは新たな規制や技術が登場するたび、大きく形を変えながら発展してきた。このは過去30年間でインターネットとケータイがセックスメディアをどのように変えていったかを、メディアの作り手へのインタビューも交えて、総合的に振り返る。 セックスメディアをオカズ系、出会い系、性サービス系の3つに分類し、それぞれの市場の発展具合を検証していく。各分野の仕掛け人的な人たち、たとえばTENGA、ラブドールのオリエント工業、芳賀書店、DMM、動画ファイルナビゲーターなどの経営者や担当者へのインタビューがあって、生の声があるのも面白い。 エロを大きく変えてしまうのが、規制と技術だ。 規制がメディアを変えるわかりやすい例が、こので紹介されている、コンビニで売っ

  • かぜの科学―もっとも身近な病の生態 - 情報考学 Passion For The Future

    ・かぜの科学―もっとも身近な病の生態 これは素晴らしい。全人類に強くおすすめ。 統計によると私たちは一生に200回風邪をひくそうだ。成人は少なくとも年に2回、小児は10回以上かかる。 「もちろん、一回一回の罹患そのものは大したことではない。けれども、一人の人が平均寿命のうちにこの取り立てて悪性でもない病原体に苦しむ期間を合計すれば、およそ五年間にわたって鼻づまり、咳、頭痛、喉の痛みに襲われ、おおまかに言って一年間床につく計算になる。」 全人類が長い間悩まされてきた風邪には俗説の療法も多い。どうするとうつるのか、どうすると予防できるのか、どうすると治るのか。このは科学的観点からいえることを整理してくれる。 一般常識を打ち破る事実も多く、目からうろこなである。 たとえば、 ・咳やくしゃみによって発生する飛沫が風邪を広めるという証拠はないに等しい ・鼻をかんでも鼻が詰まった感じはとれない(鼻

  • こんなに違う!世界の性教育 - 情報考学 Passion For The Future

    ・こんなに違う!世界の性教育 「人と人との基的な関係を教える性教育には、その国で国民一人ひとりがどう扱われているかが投影されます。また、きれいごとでは済まされない、その国の背負ってきた歴史や切実な現実も反映されています。つまり、ある国の性教育を見れば、その国の歴史文化、社会のなりたちなどが透けて見えてくるのです。」 アメリカ、オランダ、フィンランド、イギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、タイ、中国韓国、日。各国の性教育に詳しい日人研究者が一章を担当して丁寧に執筆している。各国の性教育の教材、教科書も紹介される。 世界の性教育の先進国はオランダである。5歳から性教育を学校で教える。同性愛と結婚、ドラッグ、尊厳死、セックスワーカー。オランダはこれらすべてを合法化した自由の国。だが透明化して、情報をきちんと与えることで、10代少女の出産・中絶率、マリファナ使用率も実は低い。超早期の

    gauqui
    gauqui 2011/06/10
  • 神饌 ― 神様の食事から"食の原点"を見つめる - 情報考学 Passion For The Future

    ・神饌 ― 神様の事から"の原点"を見つめる 神饌とは神様の事のこと。伊勢神宮、石清水八幡宮、住吉神社、北野天満宮、美保神社、日吉神社、諏訪神社、香取神社...日各地の神社の神饌を美しいカラー写真で紹介し、各社の神事の様子を詳細に伝える。特別な許可を得て撮影された貴重な写真も含まれる。 この日の伝統は半端ではない歴史を持っている。究極の神饌と言われる伊勢神宮の神饌では「日別朝夕大御饌祭の神饌は、新鮮の究極であり基である 神宮では、一年三六五二地、台風が来ようが、雪が降ろうが、一日も休むことなく約一五〇〇年(豊受大御神が、天照御大神の御饌都神として鎮座されたのは、天照御大神の御鎮座から約五〇〇年後のこと)、外宮の御饌殿で、朝に夕に神饌をお供えする日別朝夕大御饌祭(常典御饌ともいう)が行われている。」という 神饌は清らかで美しいと同時にグロテスクでもある。獣の匂いにむせかえる猪

    gauqui
    gauqui 2011/06/10
  • アメリカン・デモクラシーの逆説 - 情報考学 Passion For The Future

    アメリカン・デモクラシーの逆説 民主主義の共和国であると同時に世界に君臨する帝国、アメリカの抱える矛盾。 「もともと共和国は、啓蒙主義思想に基づく自治精神を基盤とするとともに、啓蒙主義の持つ普遍性・普遍化への意思を内包している。かたや、古典的帝国の特徴は「完結した一つの世界」として自らの統治を提示する態度にある。それゆえ、帝国の内部では民族・宗教・言語的な多様性について比較的寛容なのに対し、帝国の外部については、その存在を積極的に認めることはなく、しばしば制服や略奪の対象にすらなった。共和制と帝政では政体の主体がまったく異なることは自明だが、実は、動作原理そのものは類似している。」 ゲーテッド・コミュニティ、メガチャーチ、ストリート・ギャング、カラーライン、恐怖の文化、オーディット文化、...。自由市場と民主主義、多文化主義、個人主義が行きつくところにある歪みを著者は取り上げていく。日

  • 快楽なくして何が人生 - 情報考学 Passion For The Future

    ・快楽なくして何が人生 「相撲取りが大するように、精神を使って仕事する作家のような人間には、多くの快楽が必要と思います。私自身、人から快楽主義者といわれるような生き方をしてきました。」 故団鬼六の自伝的快楽主義論。腎臓が悪化して透析を拒否した75歳のときの著書。その後3年生きて今年の5月に78歳で永眠。才能に満ちたアウトローの無軌道人生はなんとなく知っていたが、人の口から詳しく語られると、ゴクリと唾をのむ迫力。大学時代に仲間に大金を借りた相場に失敗して東京へ逃げ、ストリップ劇場の照明係として働くが、小説を書いたら一儲けすることができ、新橋で酒場を経営するも失敗して、再び夜逃げ。神奈川県の三崎の中学教師になって結婚する。落ち着くかと思いきや官能小説の執筆依頼にこたえているうちに、その道の第一人者となっていく。 「教師時代に「花と蛇」を再開することになる、それまでの花巻京太郎のペンネームを

    gauqui
    gauqui 2011/05/26
    面白そう 団鬼六
  • 中華料理四千年 - 情報考学 Passion For The Future

    中華料理四千年 日生まれの華僑である著者が中国料理歴史を日人にわかりやすく解説する。 私は世界の料理の中で中華料理が一番好きだ。では中華の何が好きなのかというと、あれも好きだしこれも好きだしと、バラエティに富んでいるのが、一番の理由だ。その多様性はその長い歴史と多民族融合の産物だ。 「北京料理は山東料理を元祖として、蒙古族やイスラム族など北京以北の民族の影響を多分に受けている。上海料理は、蘇州や杭州などを含めた近隣地方の料理をひとまとめにしたものだ。かつては中原地方と呼ばれた黄河、長江の河川沿いに広がる穀倉地帯にどっかりと腰をすえて、豊富な農作物を材にしている。広東料理は亜熱帯地方独特の解放感から、野趣にあふれた豊富な材と新鮮な海産物からなる。四川料理は対照的に、内陸部の乾燥した酷暑や玄関を耐えしのぶために、唐辛子や香辛料をふんだんに使っている。」 北京料理、上海料理、広東料理

  • マンガでわかるWebマーケティング ―Webマーケッター瞳の挑戦 - 情報考学 Passion For The Future

    ・マンガでわかるWebマーケティング ―Webマーケッター瞳の挑戦 Web担当者フォーラムの人気漫画が書籍化。 これは一社に一冊置いておいたら良いと思うおすすめ。 Webマーケティングの基礎知識を、漫画とわかりやすい解説文章で身につけることができる。新入社員や新任のWeb担当者には必読レベルでおすすめ。一人前の人でも部下に教えるためのヒントとして役立つ、部下に読ませた方が早いけど。 大手インターネットマーケティング会社のアソシエイトコンサルタントの三立 瞳(26)が、大手住宅メーカーのネット戦略コンサルティングを受注する。一癖も二癖もあるクライアント担当者を相手に、トラブルや人間関係の幾多の苦難を乗り越え、キャンペーンを成功に導くため奮闘する日々を描く。漫画は全9話。 第1話は「PVだけでいいんですか」。PVが伸びさえすればいいんだといいきるクライアントに対して何も言えなかった瞳。キャン

  • WORLD WAR Z - 情報考学 Passion For The Future

    ・WORLD WAR Z これは抜群に面白いのでおすすめです。 死者がゾンビになって人間を襲う謎の疫病が、中国奥地で発生して世界中へ感染を広げた。ゾンビに襲われた人間もまたゾンビになっていく無限増殖に、人類はほとんど滅亡直前まで追い込まれた。しかし、残された人類は不屈の精神と決死の作戦の展開により形成は逆転する。長い戦いの末にゾンビとの戦いに遂に勝利して、再び文明社会を構築し始めた。人々はその戦いをWorld War Zと呼んだ。 World War Z後には戦争の正史として「国連戦後委員会報告書」がまとめられた。編纂委員の一人は最終版を読んで、事実とデータのみが残され、戦いに関わった人々の心の葛藤や感動エピソードなどの人間的要因がすっかり削られていることを残念に思った。彼はもうひとつの人間的な歴史書を書くために、世界各国の兵士、政治家、実業家、主婦、オタクなど幅広い人たちに、World

  • 人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人 - 情報考学 Passion For The Future

    ・人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日人 防災コンサルタントとして40年以上活動し、数々の災害現場を歩いた著者が、災害時生き残る正しい判断・行動とは何かを語る。いま必要な知識を得られるよいである。「自分だけは死なない」と思っていると死んでしまうのだから。 冒頭で明かされる生き残りの方法はシンプルである。とっとと逃げろということだ。現実の災害や事故では、異変に気づいても、警報を聞いても、多くの人間が様子を見るだけで逃げなかったが故に死んでいる。恐ろしいのは人間心理の集団同調性バイアスであり「皆がいるから大丈夫」という客観的合理性に欠ける判断だ。自分の五感が危険を感じたら、周りが騒いでいなくても、ひとりで(できれば呼びかけて)とっとと逃げるのが正解なのだ。 「火事だ」とか「津波がくる」とか「原発が爆発した」と知らせたら、パニックが起きるのではないかという懸念がリーダー

  • 切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話 - 情報考学 Passion For The Future

    ・切りとれ、あの祈る手を---〈〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話 大量の情報からおいしい部分を摂取する電子書籍の時代は、深い読みが難しくなるのかもしれない。そういう時代の変わり目に、敢えて深い読書論を説く。強く響いた。 読むという行為は真剣勝負だ。そもそも他人が書いたものは読めないという。 「を読むということは、下手をすると気が狂うくらいのことだ、と。何故人はをまともに受け取らないのか。に書いてあることをそのまま受け取らないのか。読んで正しいと思ったのに、そのままに受けとらず、「情報」というフィルターにかけて無害化してしまうのか。おわかりですね。狂ってしまうからです。」 ニーチェやカフカが当の意味で読めてしまったら気が狂う。他人の夢をそのまま見るということは、正気を失うということだ。著者は世界の歴史を動かしてきたのはリテラシーにまつわる革命であったとみる。ルターやムハンマド、中世の

  • スーパーセンスーーヒトは生まれつき超科学的な心を持っている - 情報考学 Passion For The Future

    ・スーパーセンスーーヒトは生まれつき超科学的な心を持っている とても面白かった。 「人間の知識はすべて直感に始まり、そこから概念へと進み、最終的に認識へと至る。」(イマヌエル・カント 純粋理性批判) 米国では国民の90%が信仰を持ち、無神論者は10%に過ぎない。ギャラップの調査では、成人の4人に3人が少なくとも一種類の非宗教的超自然現象を信じているという結果がある。日でも9割の国民が初詣に行くし、相当数がお盆に墓参りもする。テレビでは占い師や超能力者が人気だし、ホメオパシーやら未来が見える水晶など非科学ビジネスが横行している。実は米国とあまり変わらないかもしれない。科学の時代とはいえど、超自然現象、超科学現象を信じている人はかなり多いのだ。 科学合理主義の教育を受けているのに、そうなってしまうのは、人間に生まれつき、超自然現象を信じる資質が備わっているからではないか、というのがこのの主