海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の男性乗組員(当時21)が2004年に自殺した問題で、この乗組員が生前、同僚の一人に「艦内でいじめられている」と告白し、自殺の前日には「自殺する決心をした」と打ち明けていたことがわかった。 自殺直後に海自はこうした内容をこの同僚から聞き取り、文書に残して把握していたが、遺族が国などを相手に起こした民事裁判の中で開示せず、「いじめは自殺の原因ではない」と主張し続けていた。今年になって現役の3等海佐が内部告発をして文書の存在を指摘したため、ようやく7月に遺族側に開示された。 開示文書によると、この乗組員は自殺の1カ月前から「(先輩隊員に)いつもたたかれ、からかわれて何をしに艦に来ているのかわからない」と同僚に告白。インターネットで自殺の方法を調べていることを明かしたうえ、自殺の前日には居酒屋で「自殺する決心がついた」と話したため、同僚は思いとどまるよう説得した