Close-Up Enterprise 日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。 バックナンバー一覧 創業家との関係整理を条件に、北越紀州製紙に第三者割当増資を引き受けてもらった大王製紙。その直後、またもお家騒動が勃発、ガバナンス改善の兆しが見えない。 5月下旬、東京・日本橋にある北越紀州製紙の本社ビルに、佐光正義・大王製紙社長の姿があった。 訪れた目的は一つ。設備投資と有利子負債の返済に充てる資金を調達するため、筆頭株主である北越に第三者割当増資を引き受けてもらうこと。岸本晢夫・北越社長へお願いに上がったのである。 さかのぼること2011年秋、大王は創業家出身の井川意高・元会長による巨額の借り入れ事件が発覚した。個人的用途にもかかわらずグループ関係会社から総計85億円も借り入れたのだ。特別調査委員会は原