江戸後期の1842年、兵糧用に初めてパンを焼き、「日本のパン祖」と呼ばれる韮山代官江川英龍(ひでたつ)(1801〜55年)がその前年、全く異なるパンの製法を記したメモが静岡県伊豆の国市の江川邸で見つかった。「パン祖のパン」は保存や携行に優れた硬い仕上がりだが、メモを基に地元の業者が再現した181年前の「幻のパン祖のパン」はふっくらとしていてこしょうが利いた「食卓で楽しめるパン」だった。(渡辺陽太郎) メモは五月二十六日、江川家の資料を整理していた江川文庫学芸員の橋本敬之さん(70)が見つけた。一八四一(天保十二)年の記述があった。うち数ページにパンのレシピがあり、橋本さんは目を奪われた。材料に粗びきこしょうと記されていたため、「兵糧パンと全く違う」。 「これは新発見」と驚き、一九九二年にパン祖のパン(兵糧パン)の再現に尽力したパン製造販売の石渡食品=函南町=の石渡浩二社長(71)に連絡した
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