大手外食チェーンが、高止まりするコストの転嫁策として「地域別価格」の導入を進めている。メニュー価格は全国一律が主流だったが、人件費や原料調達費、賃料などコスト負担が地域ごとに差が大きくなる点を踏まえる。コストに応じて販売価格に変化をつける手法が浸透するか、業界内外から注目が集まる。 全国展開する外食チェーンはブランドの浸透につながるとして、どの地域でも、同じメニューを同じ価格で提供してきた。しかし近年、円安や物価高で急激にコストが上昇し、同一価格では利益の確保が難しくなると、変化が生じてきた。 すかいらーくホールディングス(東京都武蔵野市)が運営するファミリーレストラン「ガスト」は、2022年に地域別価格を導入。現在は「超都心」「都市部」「地方都市」「九州・山口」の4区分を設定する。車移動が中心で、ガソリン価格高騰が生活を圧迫する地方部では、値上げ品目数や上げ幅を都心部より抑える。「チーズ