問題は、賃金格差だけではない ──日本のジェンダー平等の水準は、極めて低い状況にあります。2023年の世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」ランキングでは146ヵ国中125位でした。 男女間の格差は大きく、政界や経済界における女性の存在感は極めて低い状況です。女性が首相になったことはありませんし、財務省のように重要な省庁のトップに就いたこともありません。また国会議員に占める女性の割合は衆議院で10%未満、参議院で約27%です。首相を含む20人の閣僚のうち女性は現在5人で、これは一つの成果と見られています。ですが現状は、女性の政治参加の低さを永続させています。 ──およそ1年前まで女性閣僚は2人しかいませんでしたね。 一つ下の役職に目をやると状況はさらにひどくなります。女性の副大臣は現在、一人しかいません。政府は企業に男女平等に向けた行動計画の策定を義務付けておきながら、権力の中枢で