紙の本を裁断してスキャナーで読み取り、自前で電子書籍化する「自炊」の代行業者が急増しており、主要な出版社でつくる日本書籍出版協会(書協)は、著作権法違反の疑いがあるとして、近く各業者に警告文を送る方針を決めた。 また、代行業者に依頼して電子化することは違法であると読者に注意喚起する文言を、本の奥付に表記するよう会員の出版社に文書で要請した。 客が持ち込んだ本を1冊100円前後の低料金で電子化する自炊代行業者は昨年のiPad(アイパッド)発売以来増え続けており、書協が把握するだけで約60もあるという。また、店内にある裁断機やスキャナーを使い、客が自ら電子化する新手の業者も現れている。 著作権法では、個人が自分で使用することを目的とした私的複製は認められているが、自炊代行では複製者と使用者が異なるため、書協は同法違反の疑いが強いと非難している。