東日本大震災で被災した鉄道の再生をめぐり、第三セクターの三陸鉄道(岩手県宮古市)とJR東日本で明暗が分かれている。公的支援を受けて現ルートでの復旧を目指す三陸鉄道に対し、自力再建が前提のJRはルート移転問題も絡み、不通区間の8割で復旧のめどが立たない。「大動脈」が寸断された阪神・淡路大震災では7カ月で全線が開通したが、今回はローカル線だけに存続を危ぶむ声も上がる。(足立 聡) 「頑張ろう!三陸 杉良太郎」と書かれたヘッドマークを付けた列車が滑り込む。宮古市の三陸鉄道宮古駅。ヘッドマークのオーナーは同社が年間30万円で募った。神戸出身の杉さんをはじめ、8枠はすぐ埋まった。「全国からの支援は本当にありがたい」と望月正彦社長(59)。2014年春の全線復旧に向け「社員の士気は高い」という。 岩手県沿岸部の北リアス線(71キロ)と南リアス線(36・6キロ)で、駅や線路など317カ所に被害が出た。北