バイヨン (Bayon) は、かつてのクメール王国の古代首都アンコールに位置する、ヒンドゥー・仏教混交の寺院跡。正方形の城壁を持つアンコール・トムの中央付近にある。 バイヨンの呼び方で広く知られているが、クメール語の発音ではバヨンの方が近い。バは「美しい」という意味で、ヨンは「塔」の意味を持つ。 バイヨンを特徴付けているのは、中央祠堂をはじめ、塔の4面に彫られている人面像(バイヨンの四面像)である。人面像は観世菩薩像を模しているというのが一般的な説である。しかし戦士をあらわす葉飾り付きの冠を被っていることから、ジャヤーヴァルマン7世を神格化して偶像化したものであるとする説も存在する。また21世紀に入り、3次元CG化と解析によりヒンドゥー教の神々を表しているという説も出た[1]。この像はクメールの微笑みと呼ばれている。 また他のアンコール遺跡に残るクメール建築と同じく疑似アーチ構造を多用した