タイガーマスク現象について考えるにつけ、私の頭にはその問いが浮かぶ。 多くの論者は、全国各地の児童養護施設にランドセルをはじめとする物品が届けられたことについて、「善意の連鎖」に感銘を受けたと述べたうえで、一過性のブームに終わってほしくないと期待を込める。 <タイガーマスク運動は、「奪われてきた」当たり前の優しさや思いやりを取り戻そうとしている「人間性の回復」の動きのようにも見えるのだ。これがブームで終わっても、また別の形で「善意の連鎖」が続くことを願いたい。> (毎日新聞、1月26日夕刊、雨宮処凛「異論反論」) 誠にもっともな感想だし、実際に政府が児童養護施設の職員の増員を決めたことで、タイガーマスク運動は大きな成果を挙げた。また、児童養護施設への支援策を考える政府の検討会も発足された。 そうした成果を認めながらも、やはり私が気になるのは、善意の発露によって「人間性の回復」を果たした側で
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