奨学生らがデモ行進し、奨学金の充実や学費無償化を訴えた=2月20日、東京・渋谷各国の主な奨学金制度増える有利子奨学金(国の事業予算)主な国の高等教育費負担割合(2006年) 大学生の学業を支援する奨学金。国の新年度予算案では教育費負担軽減策として、その充実がうたわれ、1兆円超の事業費が盛り込まれた。だが、拡充されたのは主に利子がある貸与分。返還不要の給付型の導入を望んでいた関係者からは失望の声も出ている。高等教育を社会でどう支えるべきかという本質的議論は、政権交代後も盛り上がりを見せない。 ■滞納増え、回収強化 「進学機会を奪わないで!」「お金の心配なく学びたい」。2月20日、東京・渋谷駅前。学生らが次々とマイクを握り、日本学生支援機構が進める奨学金回収強化策の撤回を求めた。 日本の公的奨学金事業を担う機構は、増え続ける滞納対策として、4月から、滞納者情報を個人信用情報機関に通報する