東京電力福島第1原発事故は、3月11日の発生から4カ月近くたった今も収束の道が見えない。一方で、世界は「ノーモア・フクシマ」で一致しながらも、「安全安心」を売り文句にした原発商戦が熱を帯びる。国益が複雑に絡みあう「フクシマ後の世界」を検証する。(肩書は当時、現地時間) ◇「何が起きた?」電話殺到 「フクシマで何が起きているんだ」「放射性物質はどこまで飛散するのか」。国内の原子力関係企業、地方自治体など482団体でつくる東京都港区の社団法人日本原子力産業協会。3月11日の大震災直後から東京電力福島第1原発事故の状況を問う海外メディアや原子力関係団体、専門誌からの国際電話や英文メールが殺到した。 14日、政府や東電の発表資料を基に原子炉ごとの被災状況をインターネットのホームページ(HP)上に英文で掲載。途端、世界中のメディアが引用を始め、アクセス数は震災後1週間で1日8万6000件を超えた。