5日の上海外国為替市場の銀行間取引で、人民元の対ドル相場は、一時、取引上限の1ドル=6・2451元まで人民元高が進んだ。 終値は1ドル=6・2454元で、9月に入ってから2か月で1・6%上昇した。2011年の年間上昇率が5%弱だったのと比べると短期間で急激な上昇だ。 上海市場の人民元のドルに対する変動率は、中国人民銀行(中央銀行)が毎朝発表する基準値から上下1%の範囲に制限されている。10月25日以降の8営業日のうち7日は1%の上限に到達した。また、人民元買い・ドル売りの注文だけが入り、取引が成立しない「市場が消える」状況が、11月5日を含め頻発している。 市場関係者によると、人民元の上昇傾向は、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策第3弾(QE3)を実施した9月中旬以降、本格化した。さらに、中国景気が12年10〜12月期に好転するとの予想が広がると同時に人民元高の期待が高まり、