「日朝修好条規」は不平等条約か? ――150年前のTPP問題―― マルクスと三浦つとむと、吉本隆明(6) ○新たな疑問 徳川幕府が安政5年(1858)の7月、イギリスと結んだ「日英修好通商条約」は日本の国家主権を侵害する条文を含む、不平等条約だった。続いて日本は欧米諸国と条約を結んだわけだが、いずれも不平等な条約だった。ところが、明治の新政府は明治9年(1876)の2月、朝鮮国の李王朝と「日朝修好条規」を結んだが、これも不平等条約だった。日本は欧米の列強から強いられた条約を、今度は朝鮮国に強いたわけである。 日本の近代史に関する歴史家の通史を読んでいると、揃いも揃ってこのようなことが書いてある。いや、日本が欧米の列強から強いられた不平等条約よりも、もっとひどい不平等条約だった。そんなふうに書いている歴史書もある。 実は私も大体はそういうことだったのだろうと思っていた。「日英修好通商条約」の