『桃太郎の海鷲』(ももたろうのうみわし)は、日本政府より国策アニメ映画製作の命を受け、1942年に藝術映画社で製作され、戦時下の1943年3月25日に公開されたアニメ映画。日本初の長編アニメ映画といわれることがある[1][2]。 日本海軍がハワイを奇襲した真珠湾攻撃をモデルにしており、桃太郎を隊長とする機動部隊が鬼ヶ島へ「鬼退治(空襲)」を敢行し、多大な戦果を挙げるという内容である。 本作では『海軍省製作協力』ということもあり、瀬尾光世らに霞ヶ浦海軍航空隊での調査も許された。このため、本作は漫画といえども精緻な描写が特徴的となっている[3]。 撮影では当時、国内では先駆けて藝術映画社が導入した四段マルチプレーン撮影台が駆使され[4]、雲の中を軍用機が飛ぶシーンなど立体的な構図を可能にした。 当時の子供たちである少国民を対象に戦意高揚目的に制作された映画ではあるものの、随所に平和への願いが暗