2018年02月12日23:53 カテゴリメディア 北朝鮮の「スリーパーセル」より恐いもの (フジテレビ「ワイドナショー」より) 三浦瑠麗氏のワイドショーでの発言が話題になっている。「北朝鮮の政権が倒れたら、大阪のスリーパーセル(工作員)が破壊工作をする」というのだが、政権が倒れたら戦争になり、工作員なんて大した脅威ではない。それよりワイドショーがこういう話題をもてはやすようになったことに危惧を感じる。 続きはアゴラで。 「メディア」カテゴリの最新記事
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2017年11月19日18:28 カテゴリ法/政治 沖縄をめぐる被害妄想の起源 沖縄タイムスに掲載された琉球大学教授の暴行殺害事件初公判の傍聴記がちょっと話題になっている。米兵=強姦というステレオタイプで「迷いなく急所を攻撃できる、殺しのテクニックを持つ」という差別意識まる出しの記事を津田大介氏が拡散して批判を浴びた。 本書も指摘するように、米兵に犯罪が多いというのは嘘である。米軍の軍人・軍属は沖縄の人口の3%だが、犯罪検挙数は刑法犯の0.7%だ。1件の犯罪を「米軍基地は悪だ」と一般化するのは地元紙の常套手段だが、こういう被害者意識を生み出した事情は複雑だ。その起源は1947年に昭和天皇がGHQに伝えた、次のような天皇メッセージにさかのぼる。米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む 占領は日本の主権を残したままの長期租借(25年ないし50年以上)によるべき 手続は日米の二国間条約によるべき
2017年10月20日12:28 カテゴリ法/政治 日本人はなぜ55年体制が好きなのか 昨夜の言論アリーナ(放送事故で申し訳ありません)でも話したことだが、今回の総選挙は55年体制への先祖返りになるだろう。かつて社会党は、国会の1/4前後の議席をもって自民党の憲法改正を阻止する力があったが、立憲民主党はたかだが50議席で、万年野党以外の何者にもなれない「劣化社会党」である。 自民党が農村部で圧倒的に強かったときは、それに対抗する理念は社会主義だった。野党を支持した人々の動機は明らかな貧しさであり、後進国の日本で労働者が豊かになる道は公平な再分配しかないと知識人は考えた。農村から都会に入ってきたサラリーマンも美濃部都政などの革新自治体を支持し、朝日新聞などのマスコミも一貫して社会党支持だった。 それは1960年代までは一定の説得力をもったが、労働者が豊かになると、大企業では資本家の分け前を増
2012年11月13日00:59 カテゴリ本 コストを試算! 日米同盟解体 一昨日の記事の訂正:第7艦隊の戦術核は米軍再編で退役し、日本の領海に核を「持ち込む」必要はなくなったようだ。むしろ問題は「持たず、作らず」のほうだろう。中国の脅威が大きくなる一方、米軍再編でアジアにおけるアメリカのプレゼンスが低下する中で、いつまで核の傘に頼ることができるのだろうか。アメリカ陰謀論者のいうのとは逆に、アメリカに見捨てられるリスクが大きくなってきたのだ。 その日にそなえて日本も核武装すべきだという議論があるが、これは現実に可能なのだろうか。法的には現在の憲法でも核兵器を保有できるというのが政府見解だが、これは核拡散防止条約違反なので条約を脱退しなければならない。アメリカは日本の核武装に強く反対しているので、それは日米同盟の破棄につながるだろう。本書は、それを実際にやったらどうなるかというシミュレーショ
2015年03月31日10:43 カテゴリ本 「翼賛体制」をつくった知識人たち 「翼賛体制構築に抗する声」と称するウェブサイトができているが、テロリストを支持してマスコミからお呼びがかからなくなった集団らしい。彼らは知らないだろうが、戦前の「翼賛体制」をつくったのは、こういう自称知識人だったのだ。 丸山眞男は、ファシズムに協力した人々を「亜インテリ」と呼んたが、実は翼賛体制の中心になった人々には、彼のいう本物のインテリも含まれていた。東大教授の蝋山政道、朝日新聞論説委員の笠信太郎、哲学者の三木清が中心になって1933年につくった昭和研究会が近衛文麿のブレーントラストだったのだ。 彼らの問題意識は、ハイデガーやカール・シュミットと似ていた。大恐慌後の1930年代の混乱に対して、政党政治がなすすべがない現状を憂えて、政党を超えた「協同体国家」の建設を提唱したのだ。その理論的中心になったのは、三
2015年05月02日19:39 カテゴリアゴラサロン 「やらせ」について(第1回) きのう収録した「そこまで言って委員会NP」では、クローズアップ現代の「やらせ」に話題が集中した。私は(かつてクロ現を担当した)関係者なのでくわしく説明したが、あすの放送では(放送時間の制約で)大幅にカットされると思う。この問題には誤解が多いので、整理しておきたい。長いので3回にわけ、2回目以降はリニューアルする有料メルマガ「池田信夫ブログマガジン」に掲載する(あすの初回はβ版なので無料)。 「やらせ」なしでドキュメンタリーはできない 問題の「追跡”出家詐欺”」をネットで見たが、これはやらせというより捏造の疑いがある。発端となった「ブローカー」だけではなく、相手の「多重債務者」も記者の8年来の知人で、過去に何度も別の番組で別の役を演じた「常連」だった。この多重債務者が偽物だとすると番組そのものが捏造だが、N
2014年06月25日20:35 カテゴリその他 「産めないのか」というヤジはなかった 都議会のヤジ騒動がまだ延焼しているが、事実関係があやふやだ。ヤジを認めた鈴木章浩都議は「産めないのか」とはいっていないと主張している。塩村都議の質問の映像でも、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジがかすかに聞こえるだけで、「産めないのか」という声はまったく聞こえない。 前者だけならそれほどの暴言ではなく、この騒ぎが大きくなったのは後者が原因だ。アゴラでいち早く報じたおときた議員の記事でも、前者は聞こえたというが、後者は「本人によると『子どもは産めないのかっ!!』という野次まであったそうです」という伝聞になっている。これを聞いたという証言は、次の塩村氏のツイート以外にはない。都議会での初の一般質問。妊娠、出産に関わる不妊など女性の悩みについて質問中に「お前が結婚しろ!」「産めないのか?」など、
2013年10月09日00:12 カテゴリエネルギー 原子力政策は無法状態 きのうは夜8時から、ニコ生で2本の番組に同時に出た。1本は言論アリーナ(録画)で、石川和男さんと「日本は法治国家なのか?」というテーマで、もう1本は文化放送の「田原総一朗のオフレコスペシャル」で河野太郎さんと原発論争。特に後者は、田原さんが入院したため司会がアシスタントだけで大変だった。 ただ、意外に両者には共通点があった。日本の原子力政策が法的根拠のない「空気」で、なし崩しに決まっているということだ。特に汚染水問題で国が470億円を「研究開発費」として予備費から出したのは、東電に対する贈与である。原発のまわりに万里の長城みたいな「遮水壁」を何kmもつくって凍結させるのは、冷凍庫を何万台もつくるようなもので、470億円でできるはずがない。 ここでなし崩しに国の支出を認めると、あっという間に数兆円が出ていくだろう。し
2013年09月20日10:25 カテゴリエネルギー 東電を法的整理せよ きのうの記事に少し補足。「5・6号機は修復にコストがかかりすぎるので、いずれ廃炉にするしかない」という見方もあるが、それは東電の経営陣が判断することで、少なくとも今あわてて決める必要はない。ただでさえ汚染水の処理コストが足りないとき、わざわざ2000億円もの特別損失を計上する理由は――安倍首相のスタンドプレー以外に――見当たらない。 日経によれば、10月に会計処理のルールが変わって、初年度は700億円ぐらいの特損で10年かけて処理できるようになるというが、合計2000億円は電気代に転嫁される。つまり東電の利用者が、拙速な廃炉のコストを負担するのだ。これは国も東電も、他人の金ならいくらでも使おうというモラルハザードである。 首相が福島第一を全部廃炉にして国がコントロールしたいのなら、すでに大幅な債務超過になっている東電
2013年07月11日10:14 カテゴリ経済 アベノミクスは世界経済のリスク要因 IMFの世界経済見通しの改訂版が発表され、チーフエコノミストのブランシャールは「世界経済の3つの新しいリスク」に言及している。第1は中国の成長鈍化、第2が日本のアベノミクス、第3がアメリカのFRBの出口戦略だ。このうちアベノミクスについては、財政との関連で懸念を示している。原文をそのまま引用しておこう: The second is Japan's Abenomics, namely the "three arrows" of fiscal stimulus, aggressive monetary easing, and structural reforms. Unless the second arrow is soon complemented by a credible medium run fisc
2013年05月28日22:25 カテゴリその他 自称「慰安婦」の矛盾だらけの証言 慰安婦問題には物的証拠は何もなく、彼女たちの「証言」が唯一の根拠だ。しかしNYタイムズのタブチ記者などは、いまだに記者会見で橋下徹氏に「慰安婦が嘘つきだというんですか!」などと詰問しているので、彼女たちが嘘つきであることを証明しておこう。 橋下氏に面会するといって来日しながら、なぜか直前にキャンセルした金福童(87)と吉元玉(84)の2人は、大阪市内で開かれた集会には参加した。朝鮮新報によれば、「金福童さんはまず、14歳の時に軍需工場に連れて行くと騙され、南洋群島の戦場に慰安婦として送られた」という。彼女の証言は次のようなものだ。最初、中国・広東の慰安所に入れられた。そこには陸軍司令部の本部があり、私たちは将校と軍医官に身体検査をされ、すでに用意してあった部屋に行かされた。日本政府は『自分たちがやったことで
2013年05月15日01:51 カテゴリその他 吉原というテーマパーク 橋下市長の発言で、また慰安婦問題が蒸し返されているが、慰安所が日本軍の「必要」で開設されたというと、かえって誤解が再燃する。実際の慰安所は民間の業者が軍について行ってつくったもので、実態は国内の公娼とそれほど違わない。ただ私は橋下氏のいいたいことも少しわかるので、娼婦が単なるセックス処理業ではなかったことも紹介しておこう。 本書は江戸時代の吉原の生活を紹介したものだが、著者も断っているようにそれは貧しい農村の娘が身売りされて来る所で、遊女は見かけは華やかだが悲惨な仕事だった。10年ぐらいの年季が明けるまでほとんど無給で客を取らされ、年季明けまでに性病で死ぬ遊女が多かったという。 ただ江戸時代の都市は、農村で食い詰めた人々が集まる場所で、疫病がしょっちゅう流行し、江戸でも死亡率は高かった。「苦界」とか「悪所」といわれた
2013年04月01日00:00 カテゴリ冗談 自由報道協会の解散について きのう自由報道協会の理事会から、標記のような電子メールが届いたので、原文のまま掲載する。拝啓 池田信夫様(cc: 株式会社アゴラ研究所・NHNジャパン株式会社) 突然のお知らせで恐縮ですが、公益社団法人自由報道協会(代表理事・上杉隆)は2013年3月31日をもって解散致しました。 本来なら全理事で決定すべきところですが、上杉代表理事が行方不明で連絡が取れないため、彼以外の11人の理事で理事会を開いて協議した結果、「協会にはもう活動実態がなく、財政的にも存続不可能になった」との意見が多数を占めたため、理事全員が辞任し、会としての活動を休止することを決定致しました。 しかし解散の最大の原因は財政問題ではなく、先日辞任した畠山元理事が述べているように、上杉氏についての数々の疑惑に彼が一度も答えなかったことです。上杉氏が昨
2013年03月23日23:15 カテゴリ本テクニカル 超金融緩和のジレンマ 安倍首相は日銀の新体制に「今までと次元の違う金融政策」を期待したようだが、黒田総裁のいう長期国債の購入も岩田副総裁のいう準備預金の積み増しも、今まで日銀がやってきたことであり、4月の金融政策決定会合でも市場を驚かすような政策が出てくるとは思えない。本書は過去の日銀の非伝統的金融政策の効果を実証データで総括したものだ。 最大の問題は「日本のデフレは貨幣的現象か」という点だが、著者の答は「最大の原因は賃下げや交易条件の悪化などの実物的現象だ」ということである。特に製造業の業績悪化で生じた余剰労働力がサービス業に移り、その大部分が非正規雇用に切り替えられたため、サービス業の平均賃金(特に医療・福祉)が2000年代で2割近く下がった。これに引っ張られて、製造業も含めて単純労働全体の賃金が下がる生産性格差デフレが起こってい
2013年03月12日00:56 カテゴリ本 がん保険のカラクリ 著者(岩瀬大輔氏)は、ライフネット生命の創業者で副社長である。前著『生命保険のカラクリ』は、従来の生命保険が「マイナスの貯蓄商品」であることを暴露して、業界に衝撃を与えた。本書はその続きとして、医療保険を扱ったものだ。 実はがん保険は、日本と韓国・台湾以外にはほとんどない特殊な保険である。その歴史はアフラック(アメリカンファミリー生命保険)の歴史であり、アフラックの日本での利益は全世界の8割を占める。それだけ日本人に「がん保険」という金融商品がアピールしたのだろう。 しかし、がん治療だけを対象にする保険というのは奇妙な商品である。それはかつてのようにがんが不治の病で莫大な医療費がかかるというイメージに依存しているのだろうが、今ではがんの5年生存率は56.9%。日本人の最大の死因なので、よほど特殊な医療でない限り公的医療保険で
2012年12月23日00:32 カテゴリその他 今年の音楽ベスト10 新しい音楽を聞かなくなったせいもあるが、今年は不作だった。一番よく聞いたのは1で、RTFの昔の曲もよく聞いた。斬新な音楽ではないが、仕事のBGMには便利だ。最近のジャズでおもしろいのは、3とか9のようなボーカルの混じったロックとの中間の音楽がいろいろ出たことだ。 ロックはほとんど聞かなくなり、2や4のようなフォーク系のものぐらい。7や10の巨匠も頑張っているが、新しいものはヒップホップやラップが多くて、私は苦手だ。以下は私の聞いた数少ない中から選んだ個人的リストなので、一般的ではないと思う。Return to Forever, The Mothership Returns Beach House, Bloom Trombone Shorty, For True Anathema, Weather Systems Art
2012年11月29日09:55 カテゴリメディア 「日銀引き受け」は誤報だった ツイッターで教えてもらったが、先週大騒ぎになった安倍総裁の「日銀引き受け」発言は、マスコミ各社の誤報だった。上の動画でわかるように、彼は17日の熊本市での講演で「買いオペ」と言っている(2分18秒前後)。私の記事でも産経の記事を根拠として「引き受け」と書いたが、これは誤りである。訂正して、安倍総裁におわびしたい。 これはマスコミ各社がいっせいに「日銀引き受け」と報じたからだ。17日の15:30に日経はこう報じている。自民党の安倍晋三総裁は17日、熊本市内で講演し、衆院選後に政権を獲得した場合、金融緩和を強化するための日銀法改正を検討する考えを重ねて表明した。「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう。新しいマネーが強制的に市場に出ていく」と述べ、日銀が建設国債を全額引き受けるのが望ましいとの考えを表明した。私
2012年08月26日13:44 カテゴリメディア 日韓関係を修復する決め手は朝日新聞社長の辞任 虚構新聞に秀逸な記事がある。最後の「本紙の更なる発展のため、誤報、捏造報道のノウハウはむしろこちらが教えを乞いたいほど。最近スキューバダイビングの免許も取った」という落ちは、サンゴ事件のことだ。朝日新聞の捏造事件としては伊藤律架空会見も有名だが、植村隆記者の従軍慰安婦捏造は日韓関係を大混乱に陥れた日本の新聞史上最大の誤報だろう。 慰安婦問題を報じたのは、朝日が初めてではない。1983年に吉田清治が『私の戦争犯罪』という本で「慰安婦狩り」をやったと書き、これについては他の新聞も雑誌も報じていたが、それを裏づける証拠がないため、都市伝説の域を出なかった。1991年8月に福島瑞穂氏がマスコミに金学順の「証言」を売り込んできて、NHKなど各社もその証言は報道したが、それだけでは50年前の売春婦の話にす
2012年08月18日09:29 カテゴリ経済 日韓通貨スワップ協定を破棄せよ 領土問題というのはマスコミ的にわかりやすいので大騒ぎになりがちだが、離島の問題に過剰反応すべきではない。ただ李明博大統領がいうように竹島は騒ぎを起こすためのきっかけで、「歴史問題」について日本の謝罪を求めることがねらいだとすると、放置していると繰り返すおそれが強い。日本政府の意志を示す方法として簡単なのは、安住財務相も示唆しているように、日韓通貨スワップ協定を破棄することだ。 韓国は図のようにリーマンショックの後、ウォンが暴落して通貨危機が発生したため、日本が緊急融資する枠を昨年10月に130億ドルから700億ドルに増額した。これは急激なウォン安になると、日本の輸出産業が打撃を受けるという配慮もあったようだが、今は韓国の外貨準備は3000億ドル以上あり、ウォンも最近は安定しているので、緊急融資の必要はまずない。
2012年06月09日11:06 カテゴリ経済 デフレは不況の原因ではない 一昨日の記事に、まだまだ変なコメントが来るので、超初歩的な解説をしておこう。こういう有象無象が何を勘違いしても実害はないが、自民党の政治家にも誤解が広くみられるからだ(経済学の知識のある人は読む必要がない)。 よくあるのは藤井聡氏のように「デフレで物価が下落すると収入が減る」という話だが、これは錯覚だ。収入が1%減ると同時に物価が1%下がれば実質的な収入は同じだから、予想されたデフレは実体経済には何の影響も及ぼさない。工学部の教授である藤井氏が、こんな算数もできないはずはないだろう。 もう一つよくある勘違いは、江田憲司氏のような「価格が下がり続けるということは、モノ、サービスよりも貨幣への選好が強い。すなわち、モノやサービスを買うのを手控えて、お金を持っていた方が良いと消費者が考えるからだ」という話だ。みんなが物よ
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