●日本で糖尿病腎症が原因で透析療法を受けている数は10万7,985人 ●人工透析の費用は患者1人当り年間約500万円 ●適切な治療を受けないと、発症してから20〜30年で腎不全まで進行するケースが多い 糖尿病腎症は、糖尿病の三大合併症のひとつで、腎臓の機能が少しずつ低下する病気だ。腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、尿として排泄する臓器。適切な治療を行わず腎症が進行すると、やがて腎臓がほとんど働かない腎不全になり、人工透析療法が必要となる。 腎臓は糸球体とよばれる細小血管塊が集まった組織で、この糸球体の一つひとつで、血液中の老廃物がろ過される仕組みになっている。糖尿病腎症は、高血糖が原因となり、糸球体の細小血管に障害が起こり発症する。 糖尿病腎症は自覚症状のないまま、じわじわと進行していく。尿タンパク検査で陽性反応が出たときには、かなり腎症が進んだ状態になっている。早期の腎症を発見するために、