「どうして、男の子と女の子がいるの?」ラジオ番組に投げかけられた子供の素朴な質問から本書は始まる。 この他愛ないが本質的な質問に専門家は困惑しながら、「X染色体とY染色体」の話を持ち出すしかなかった。一生懸命、質問者の幼稚園児に説明を試みるが、到底理解できるはずもない。 気まずい雰囲気で終わるかと思ったその時、アシスタントのお姉さんが「○○君は、男の子だけで遊ぶのと、男の子と女の子で遊ぶのは、どちらが楽しいかな?」と問いかけると、男の子は「男の子と女の子で遊ぶほうが楽しい」と答えた。「男の子と女の子がいるほうが楽しい」 とても単純な答えだが、これこそが生物にオスとメスがいる理由なのだ。 本書は、言われてみれば誰もが疑問に思う「オスとメスがいる不思議」を生物学のトピックを織り交ぜながら、わかりやすく説明している。なぜ、生物は遺伝子の多様性を求めるのか? なぜ、生物はオスとメスの2種類に分かれ