20世紀初頭までの軍艦には衝角という、体当たり攻撃のための武装が船首喫水線下に見られました。1980年代前半ごろまでに建造されたアメリカ海軍空母にも、飛行甲板の舳先にツノが見られましたが、決して体当たり用のものではありません。 空母のツノ 実は「もったいない」精神のあらわれ アメリカでは西海岸、東海岸、メキシコ湾沿岸の各地で、複数の退役空母がミュージアムシップとして保存展示されています。それらの過半数には、艦首に沿った飛行甲板最前部に「ホーン(角)」と呼ばれる出っ張りが付いています。 拡大画像 2012年に退役した原子力空母「エンタープライズ」。赤丸で囲った部分が「ホーン」(画像:アメリカ海軍)。 しかし、横須賀で見られる原子力空母「ロナルド・レーガン」をはじめ、アメリカ海軍が2020年現在、運用する空母には「ホーン」がありません。このホーンは一体何のために取り付けられていたのか、そしてな