人口約1900万人の南米チリでは、今年2月3日から猛烈なスピードで新型コロナウイルスのワクチン接種を実施して、累計接種回数ではアメリカ、イスラエル、イギリス、アラブ首長国連邦に交じってトップの一角を形成していた。3週間で人口の16%にあたる300万人が接種を終え、現時点ですでに700万人が1回目の接種を、400万人が2回目の接種を終えている。 これは、全国1300カ所で接種できるような体制にしたことにあり、今回のことでチリはラテンアメリカで最も組織力のある国であることを証明した。これはあくまで筆者の私見であるが、チリには19世紀に、勤勉とされるドイツから来た移民が多いことが影響しているのかもしれない。 主に中国製ワクチンを利用 ところが、2回目の接種を終えている人が人口の21%に上るというのに、チリでは感染拡大が収まるどころか、1日8000人と過去最高レベルの新規感染者が出ている。人口の約