鉄道駅の「待合そば」は旅の風情を醸し出す重要な存在である。今では「駅そば」というらしい。しかし、時代が進み、お店経営者の高齢化や過疎の問題など複合的な要素で消えていく店も多い。 JR北海道の宗谷本線音威子府駅の待合所にあり、「駅そば」の頂点といわれていた「常盤軒」は2021年2月8日に閉店。JR東日本の小山駅の宇都宮線上りホームにあった「小山駅きそば」も2022年1月14日に惜しまれつつ営業を終了した。 「常盤軒のあのかき揚げそばをもう一度食べたい」「小山駅きそばの関東を代表するような濃い深い味をもう一度食べたい」という声も多い。それに応えるべく、その道の達人たちが水面下で四苦八苦しながら名店の味を復活させたというニュースが入ってきた。そこで今回はそんな2つの「復刻版駅そば」についてお話ししようと思う。 エピソード1 常盤軒の「かき揚げそば」 音威子府TOKYOが四谷三丁目駅近くの杉大門通