「心の病気」じゃない人はいないと思いますけどね。 ただ、気づいているかいないかだけの違いでしょう。 人間が本能のみに生きるものではなく、アイデンティティを基礎にした超自我性を希求する属性を持っている以上、心の全く病まない人というのは想定するほうが難しいぐらいなものと考えます。 外界からの刺激に端を発して、本能・自我・超自我の葛藤の中に常にさらされているわけで、この摩擦熱こそが病の本態と言えます。 つまり、病むこと自体は人間にとってむしろ正常なことであり、それを糊塗して足れりとするような安易な人間こそが本物の心の病気ということが言えるでしょう。 「>“自分さえよければいい”といったずるい利己的な感情」とは、まさに自我そのものであって、本能と同様これがなければ人は生きていけません。 精神の発生過程として必ず通過せざるを得ない道であり、またその後もその人を支える土台となる要素でしょう。 ただ、実