「違憲状態を放置したまま違法状態に突入した」と、法律を作る立法府として、これ以上ない屈辱的な言葉を浴びながら、何だか当の国会議員たちの危機感は薄いようだ。もちろん、衆院小選挙区の「1票の格差」是正の話。与野党協議は不調に終わり、法律で定められている区割り審議会による区割り改定案の勧告期限が過ぎてしまったのはご存じの通りだ。 次の衆院選が不安でならない民主党議員の中には「これで衆院解散・総選挙は遠のいた」とほっとする向きさえあるそうだ。自民党は「解散先送りの口実にしようとしている」と批判するが、これもいつもの政局話だ。 なぜ、話がまとまらないのか。一番の理由は、1票の格差是正と定数削減、選挙制度改革の話がごっちゃになってしまったからだ。一つ一つが政党や個々の議員の死活問題。それを三つも同時に当人たちが協議しても元々、一致した結論が出せるはずはなかったというほかない。まず、格差問題を切り離し、