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ブックマーク / ast15.hatenadiary.org (52)

  • 貧乏人の経済学 - けれっぷ彗星

    「貧乏人の経済学」(アビジット・V・バナジー、エスター・デュフロ)読了。 絶望的な状況に対する唯一の希望は、丁寧な議論の積み重ねである。 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える 作者: アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ,山形浩生出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/04/03メディア: 単行購入: 20人 クリック: 943回この商品を含むブログ (58件) を見る とりあえずマイクロファイナンスを導入すれば、貧しい人々の生活はやがて改善する、というわけではないし、第三世界に蔓延る汚職を規制すれば、援助の効果はすぐさま上がる、という訳でもない。 自由市場に任せればいいのか、それとも援助を増やすべきなのか、は二択のように見えるが、どちらを取るべきかはケースバイケース。インプットとアウトプットの関係もわかっていない。だから、経験則を集めないといけない。

    貧乏人の経済学 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2013/01/05
     マイクロファイナンスは有効だけど劇的な効果はなく、その課題はマイクロファイナンスの理念やアイデアそのものではなく、環境と社会システムにある。そこで満足してはいけない。そこはスタートだ。
  • 伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星

    伴読部のスタートのとき、「理系っぽいセレクトもあったらな」という話があったような気がしていて*1、確かにそれも一理あるな、などと思いつつ、『熊から王へ』みたいな境界分野でノラリクラリしていたわけだ。ので、ここは一発、前提知識がなくても楽しめる理系セレクトにしてみよう、と思い立った次第であります。 渋滞学 (新潮選書) 作者: 西成活裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/21メディア: 単行購入: 8人 クリック: 100回この商品を含むブログ (147件) を見る 「理系」とは考え方である 理系の読み物といえば一番信頼しているのは当然ブルーバックスだけれども、読み応えと切り口、ハズレのなさで言えば化学同人選書だったりする。『地球温暖化の予測は「正しい」か?』とか『世界初!マグロ完全養殖』とか、一定のクオリティを持って、科学がその持ち味を活かせる切り口でパッケージングしてく

    伴読部 第9回『渋滞学』 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/12/24
    「学」は「メカニズム」という単位へ/消費税と租税特別措置法との関係も含めて「知の検証」の有用性を確認する壁なのだというテーゼと渋滞学の避難行動の理論と現実の乖離。学者は危機に役立たない。
  • そこに自分の影を見出す、ということ - けれっぷ彗星

    「秋葉原事件」(中島岳志)読了。このは僕のナチュラルな射程からは少し外れる。このを持ってきたのは、いつもの伴読部でも、わりと挑戦的なセレクト*1をしてくる赤亀さん(id:chigui)。結局、その回は違うになってしまったのだけど、最近はを読む時間もあるので、積読崩しがてらに読んでみた。 秋葉原事件―加藤智大の軌跡 作者: 中島岳志出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/03メディア: 単行購入: 1人 クリック: 74回この商品を含むブログ (23件) を見る 秋葉原事件Wikipediaから引用してみよう。 秋葉原通り魔事件とは、2008年6月8日に東京都千代田区外神田(秋葉原)で発生した通り魔事件である。7人が死亡、10人が負傷した。 彼はコミュ力があり、勉強もでき、仕事もあった まあ、前提知識もなく、特にこうした事件に理解の深くない人間からしたら、犯人像はこん

    そこに自分の影を見出す、ということ - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/12/02
    動機というのは、大衆を安心させるための、後からつくられた物語。承認欲求に踊らされそうになったり、とか、そういう危ういタイミングって、意外と、でも確かにある。錯覚しやすい仕組みになってるみたいなんだよね
  • 悲しき熱帯 - けれっぷ彗星

    皆の語るレヴィ・ストロース評を読んでも、まあスゴイのかな、くらいにしか思えないけど、「悲しき熱帯」を読めば、わかる。これは、すごいですよ。しかるべき感受性を持った人が、しかるべき文脈で読めば、面白くないわけがない。 悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス) 作者: レヴィ=ストロース,Claude L´evi‐Strauss,川田順造出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/04/01メディア: 単行購入: 13人 クリック: 89回この商品を含むブログ (126件) を見る 学生の頃から温めてきた環境問題という「大きな物語」を見失ってしまっている。そんなところもあって、たぶんなにか大切な視座が抜け落ちているんだろうな、という感覚でいた。生き物を追うのでは飽きたらず、人の造る構造物について学んでみたりもして、それでも不足していたのが、人そのもの、社会と文化であった。生態学から地続

    悲しき熱帯 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/12/02
    幻想に期待して訪れるのだ。得たものは、期待していた「なにか」よりは、よほどに空虚なものであって、灰でしかなかった。これを「悲しき」と言わずになんと言うのだろう。/構造改革・リフレとかもそうなんだよね
  • 万象に天意を覚えるものは幸せなり - けれっぷ彗星

    「評伝 技師 青山士」(高崎哲郎)読了。 万象に天意を覚えるのは、もう少し先になりそうです。 評伝 技師 青山士―その精神の軌跡 万象ニ天意ヲ覚ル者ハ… 作者: 高崎哲郎出版社/メーカー: 鹿島出版会発売日: 2008/11メディア: 単行この商品を含むブログ (8件) を見る 以前、改修中の大河津分水に行ったことがある。青山士(あおやまあきら)の名を初めて知ったのはそこだ。碑文には彼の名ではなく、ただその言葉のみが記されていた。 萬象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ 人類ノ為メ国ノ為メ 万象に天意を覚えるものは幸せなり 実は父の実家が、新潟の亀田*1で、ここはちょうど大河津分水のおかげで水害が減じられた地域である。以前から「分水」という名は祖父や祖母から聞いていたが、ある種の地名だと思っていた。しかしそれは、水を分かつための放水路であったということに気づいたのは、僕が農業水利を専攻してからだった

    万象に天意を覚えるものは幸せなり - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/11/18
    萬象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ人類ノ為メ国ノ為メ/工人或いは技術者が連合して、相当に我々の出来得ることも広告した方が却って良いだらうと私は考えるのであります。/国土交通省の東日本大震災後の方針が正にこれ
  • 地獄の思想 - けれっぷ彗星

    「地獄の思想」(梅原猛)読了。 地獄とは、善悪の価値判断とは関係のないものだ。 地獄の思想―日精神の一系譜 (中公文庫) 作者: 梅原猛出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/05/01メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る 旅と地獄 旅といえば地獄。というのが、最近の国内旅行のテーマだ。生と死のコントラストが美しい恐山、どちらかと言えば天国に近い別府、そして、これはブログには書いていないのだが、夏の終わりには伊豆大島に行った。 せっかくなのでここで書いておくと、大島といえばダイビングや釣りのイメージしかないが、あそこは海だけ見ていると大変もったいない。海ももちろん素晴らしいのだが、島一周道路をはずれ、「島の内側」に入るべきだ。大島はカルデラ島だから、内側には広大な砂漠が広がっているのである。僕が訪れたときは霧が一面に立ち込めており、荒涼さを

    地獄の思想 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/11/18
    日本では源信においてであるが、地獄は極楽よりはるかに広く、かつはるかに広いものであるとしたらどうか。/「百億の昼と千億の夜」
  • 暗いところに立つことになっても、暗さに飲み込まれずにしっかりと立っているのだ - けれっぷ彗星

    「不毛地帯」(山崎豊子)読了。 商社の真髄が見える資料であり、同時に覚悟を問う物語。 不毛地帯(一) (新潮文庫) 作者: 山崎豊子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/03/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 86回この商品を含むブログ (58件) を見る 周りで商社志望のやつらはみんな読んでいたで、あまりを読まない父もおもしろいと言っていて、やはり多くの日人を熱狂させる「なにか」が描かれているのだろう、と思い手にとった。 11年間にも及ぶシベリア抑留の苦難を乗り越え、大手商社の近畿商事で第二の人生を始めた壱岐正。自衛隊の次期戦闘機選定争い、自動車会社の提携、中東での石油発掘プロジェクトと、巨大な利権の絡む世界に飲み込まれながらも、自身の信念を持ち続ける。これが実話ベースだというのだから驚き。信念を貫き通す、とかじゃないんだよね。そんなにいつでも貫けるわけじゃない

    暗いところに立つことになっても、暗さに飲み込まれずにしっかりと立っているのだ - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/11/18
    周りで「がんばって仕事する人」の典型的なロールモデルは、商社か、コンサルか、国家公務員なんだよね。/霞ヶ関叩きはあっても商社叩きは無い。ブラック化が肯定されるのは商社への憧憬と無縁ではない。
  • 伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星

    国でも時代でもなく、東インド会社という切り口が秀逸。 今回は赤亀さんの推薦で、あまり慣れない「歴史」に挑戦することに。 東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史) 作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (22件) を見る 僕の歴史の知識は中学生レベルだけれども、どの辺りの歴史が好きかといえば、日史なら江戸時代、世界史だと第一次世界大戦。江戸時代だと、幕府がいかに外様大名に反乱を起こさせないように、参勤交代やらせたり、地方の土木工事させたりするのとか、安定性を保たせるような仕組みづくりのあたりがすごくおもしろいなーと思っていた。第一次世界大戦だと、技術革新による「戦争」の意味合いのシフトとか、植民地を巡る利害対立とか、そういういくつもの意味合いが絡みあう感じがとても好きで。 戦国時代とか

    伴読部 第8回 『東インド会社とアジアの海』 - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/10/29
    ゴールは金儲けなのであって、「支配」ではなかったのだ。東インド会社の時代においては。植民地支配のために東インド会社があったのではなく、歴史のうねりが東インド会社を使って、欧州を植民地支配に推し進めた。
  • 水神 - けれっぷ彗星

    「水神」(帚木蓬生)読了。 現代にはない土木事業の姿が。 水神(上) (新潮文庫) 作者: 帚木蓬生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/05/28メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る 別府は雨だった。せっかく旅行に来ているのに大雨で、これからの3日間が思いやられる。オーギュスタン・ベルグの「都市のコスモロジー」は飛行機の中で読み終わってしまい、旅先で読むはもうない。駅の屋に入って手にとったのは「水神」。筑後川水系の破堤がメディアを賑わせていたので、なんともタイムリーである。 このは、筑後川の堰造りの話。筑後川では、17世紀後半から18世紀にかけて、筑後川四堰といって4つの固定堰が造られたが、その2つ目にあたる大石堰の物語である。助左衛門が構想していた、渇水に苦しむ村を救うための水路計画。それを、5つの庄屋が主体となって、私財を投げうってで

    水神 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/08/06
    明治以前の公共事業と、明治以降の公共事業はぜんぜん違うんだよね。これは明治以降の人と自然との向き合い方の反省点その1なんじゃないかと思うなあ。/環境思想の江戸回帰と復旧・復興の困難さ。
  • 伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星

    今回の伴読部はEXTRA回。第7回でないのは、このを選んだのがメンバーではなく、伴読部そのものだから。「贈与論」を選んだ、というよりは、この流れならやはり「贈与論」は抑えておこう、という文脈が存在したのです。 贈与論 (ちくま学芸文庫) 作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (82件) を見るもともとは、 『埋葬』の自己と他者を預けあう感覚は、『熊から王へ』の贈与と重なっているようにみえる。それじゃあ次は贈与と関係のあるものを、あるいは贈与から横滑りするものを指定しよう。ならば贈与経済とは違った形態のもの、貨幣経済をテーマにしよう。 ということで、なむさんが「貨幣論」を提示したときに、「贈与論」もありか?という話は挙がっていた。僕

    伴読部 EXTRA 『贈与論』 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2012/08/01
    贈与経済にせよ貨幣経済にせよ、度が過ぎればおかしなところに行ってしまうというのは、感覚的にたぶん間違いない。/共同体主義批判としての虚礼廃止。贈与から貨幣へ。過去の批判が現在を困窮させている。
  • 日本列島草原1万年の旅 - けれっぷ彗星

    「草地と日人 日列島草原1万年の旅」(須賀丈,丑丸敦史,岡透 )読了。 草原ってあまりなじみのない風景と思っていたけど…… 草地と日人―日列島草原1万年の旅 作者: 須賀丈,丑丸敦史,岡透出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2012/02/01メディア: 単行 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見る 目次 序章 第1章 日列島の半自然草原―ひとが維持した氷期の遺産 第2章 草原とひとびとの営みの歴史―堆積物と史料からひもとかれる「眺めのよかった」日列島 第3章 畦の上の草原―里草地 あなたの原風景を思い出して下さい。と言われて、草原を思い出す人はあまりいないんじゃないだろうか?まあそもそもそも、「原風景」というキーワードから自然的な景観を呼び起こす人がそれほど多くないかもしれないし、「原風景」というキーワードにいまいちピンとこない人も多くないのかもしれな

    日本列島草原1万年の旅 - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/07/08
    ずっと草原である場所というのは長いスパンで見たら存在しない、はずだ。人間の力なしでは。つまり、人間が火入れをするとか、草刈りをするとか、放牧をするとかして、初めて草原は草原としてそこに存続できる。
  • 課題解決できる思考のOS - けれっぷ彗星

    「戦略思考コンプリートブック」(河瀬誠)読了。 なりふり構っていられないとき、良書に出会うのだ。 戦略思考コンプリートブック 作者: 河瀬誠出版社/メーカー: 日実業出版社発売日: 2003/07/10メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 40人 クリック: 164回この商品を含むブログ (17件) を見る 目次 序章  戦略思考であなたの付加価値を高めよう 第1章 戦略思考のアプローチを知ろう 第2章 左脳でイシューツリーを作る 第3章 右脳で仮説の手がかりをつかむ 第4章 論点を分解し初期仮説を作る 第5章 仮説を実際に検証してみる 終章  戦略思考であなたの人生を豊かにしよう やっぱり苦しんでいるときは良いに出会えるな、という印象。いや、もう当に研修が大変なことになっていたんだけど、このを買ったあたりから道筋が立った感じで。 だいたいビジネス書を買おうとすると権威に寄りか

    課題解決できる思考のOS - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/07/08
    経験の少ないうちは初期仮説の精度が低いため、作っては壊し作っては壊しの砂の城を何度も繰り返す必要があるだろう。
  • 環境問題はTOCで捉えるとシンプル[The Goal] - けれっぷ彗星

    「The Goal 企業の究極の目的とは何か」(エリヤフ・ゴールドラット)読了。 問題解決には「型」がある。 ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人 クリック: 373回この商品を含むブログ (391件) を見る TOC。僕はTotal Organic Carbonのほうが馴染み深いけど、そういう話じゃない(最悪の書き出し&誰もついてこない)。Theory of Constrains(制約条件理論)のこと。えっと、生産管理の分野になるんだろうか?友人が面白いよ、と言うので。 TOCには5つのステップがある ググったら、ここが分かりやすかった →TOC(制約条件の理論) - 日建学院 要点だけまとめると、こうなる。 1.制約条件を見つける 2.

    環境問題はTOCで捉えるとシンプル[The Goal] - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/07/08
  • 伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星

    よくわからなかった。いや、書いてあることはわかったんだけど、その内容の重要性がよくわからない。現在の問題とあまりリンクしているように思えなかったからだ。やっぱり問題意識の在処が違うんじゃないかな。もう少し経済の歴史を、世界恐慌の辺りから冷戦構造の終わりくらいまでを丁寧に追っていれば、どういう危機意識をベースに思考しているかがわかると思うんだけどね。などと考えて、そうでもないような気がしてきたので、ちょっと現在の問題にリンクさせてもう少し自由に考えていこうかな、と思う。 貨幣論 (ちくま学芸文庫) 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 66回この商品を含むブログ (51件) を見る サブプライムショックと貨幣論 まあたぶん、このを現代という視点で読むんだとすれば、サブプライムの話を出さないわけにはいかないだろう。

    伴読部 第4回 『貨幣論』 - けれっぷ彗星
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    gruza03 2012/05/02
    「貨幣でないもの」っていうのが何を指すかはなかなか難しいところだけれども、一言で言えば「インフラ」ということになるかな?/価値を生み出すものと、維持するもの。永遠成らざる物の可視化等の行為としての神話
  • 伝統との対決 - けれっぷ彗星

    「伝統との対決 ― 岡太郎の宇宙3」(岡太郎)読了。 「法隆寺は焼けてけっこう」ってどういう意味? 伝統との対決 岡太郎の宇宙 3 (全5巻) (ちくま学芸文庫) 作者: 岡太郎,山下裕二,椹木野衣,平野暁臣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/03/09メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る 「法隆寺は焼けてけっこう」 「芸術は爆発だ」と並んで有名なこのフレーズ。1949年に壁画が焼失してしまった法隆寺に対して言い放った言葉である。しかしながら、法隆寺は焼けてもよい、と言ったのは岡太郎だけではなかった。 法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい、我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。 こう言ったのは、坂口安吾だ。しかも、これは1942年、つま

    伝統との対決 - けれっぷ彗星
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    gruza03 2011/10/23
    グローバルな環境がすぐそこまでせまっているローカルな文化は、新しいローカルに生まれ変わらざるを得ない。生まれ変われなかったものは亡びるしかない/グローカルの本質
  • 内定式のコトバ - けれっぷ彗星

    「式」がおもしろくないのは、形式に拘りすぎるからだ。何回かの入学式、卒業式を繰り返してきて、有意義だと思ったことはひとつもない。数ある式のなかで覚えているのは、高校の卒業式で「少子化対策として、子どもを3人もちましょう」とPTA会長が言ったことくらい。そういう意味では、内定式は、人生で一番おもしろい式だったかもしれない。 work-life balance よりも work-life integration 今から思い返してみると、就活では「どういうスタイルで働くのか?」にけっこうこだわっていたのだな、ということがわかる。最後まで迷っていたベンチャー企業も、work-life balanceの話はよく聞かされた。ジョブの日程真っ最中に、社員の方が「イクメン」関連でテレビに出ていたのはいい思い出。責任は引き受けるから、自由に仕事と生活をコーディネートしたいっていう気持ちがあるようで。 内定式

    内定式のコトバ - けれっぷ彗星
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    gruza03 2011/10/16
    しかし、いつからworkとlifeは対立する存在になったのだろうか?それゆえに、work-life integration。統合することで、もっとよい生き方が見つけられるのではないか。
  • 台所空間学 - けれっぷ彗星

    「台所空間学座談会」(山口昌伴ほか)読了。 文化に注目が集まる今日、台所だけが取り残されている。 座談会 台所空間学 作者: 山夏彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1985/07メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 目次 第一章 いまは昔のの風景 第二章 どこへいった、「味」と「台所」 第三章 そこでだれが作ってだれがべるか 第四章 台所開眼―デザイナーおおいに語る 先日、渋谷の古市で偶然見つけた一冊だ。台所空間学 (コンフォルト・ライブラリィ)というの評判は前から聞いていたのだが、その座談会バージョンということで、迷わず購入した。「台所」を注意深く眺めると、日人の文化と生活がまったく新しいものとして見えてくる。 台所ってなんなのだろう? 台所とは来的にはなんだったのか?そんなの、料理をつくる場所に決まっている?実は、僕らが今考えている台所と、そ

    台所空間学 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2011/09/25
    現代技術に見合うだけの台所が、生活スタイルが確立されていないのである。食文化を決定するインフラがこれでは、ということである。多少の摩擦があったとしても、そう簡単に変えるわけにはいかない。
  • 「甘え」の構造 - けれっぷ彗星

    『「甘え」の構造』(土居健郎)読了。 「甘え」という言葉は日にしかない? 「甘え」の構造 [増補普及版] 作者: 土居健郎出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2007/05/15メディア: 単行購入: 11人 クリック: 54回この商品を含むブログ (64件) を見る 前から気になっていただったけど、ようやく古屋で見つけて手にとった。「甘え」という切り口で日を、時代を、精神を解き明かす。なかなか面白い試みだと思う。 「甘え」は私にとってさしずめ打出の小槌のごときものであった。 優れた日論として読む−「甘え」という言葉は日にしかない? 驚くべきことに(というのも今更だけど)、欧米には「甘える」に相当する言葉がない。 この母親は日生れの日語の達者なイギリス婦人であったが、たまたま話が患者の幼年時代のことに及んだ時、それまで彼女は英語で話していたのに急にはっきりとした日語で、

    「甘え」の構造 - けれっぷ彗星
    gruza03
    gruza03 2011/07/31
    甘えられる側の人間は、「甘えを受けとめる人間が減った」ことを指摘したくない(=自分たちの問題として捉えたくない)だろう。
  • 日本の水制 - けれっぷ彗星

    「日の水制」(山晃一)読了。 「水制」の現代的な意味とはなんだろうか? 日の水制 作者: 山晃一出版社/メーカー: 山海堂発売日: 1996/01メディア: ハードカバー クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 目次 第1章 水制技術のあゆみ 第2章 水制設置場の特性と水制の水理 第3章 いま水制は 第4章 これからの水制 えらくマニアックなだ。水制。土木構造物である。川に流下方向と直角に配置し*1、川の流れをコントロールし、護岸を守ったり、洗掘を防いだりする。今でこそ、治水といえばダムや堤防であるが、昔から、優れた土木技術者は水制に注目してきたとか。そういう水制の話が400ページも続くのだから、驚きである。 治水と言えば、環境に悪い、というステレオタイプがつきまとう。ダムはどんなに環境に配慮しても川の仕組みを大きく改変することは避けられないし、護岸は川の流れを単

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  • 地域再生の罠 - けれっぷ彗星

    「地域再生の罠」(久繁哲之介)読了。 「演出」という方法そのものに飽きている。 地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書) 作者: 久繁哲之介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/07/07メディア: 新書購入: 23人 クリック: 403回この商品を含むブログ (54件) を見る 目次 第1章 大型商業施設への依存が地方を衰退させる 第2章 成功事例の安易な模倣が地方を衰退させる 第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる 第4章 間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる 第5章 「地域再生の罠」を解き明かす 第6章 市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」 第7章 のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる―提言1 第8章 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る―提言2 第9章 公的支援は交流を促す公益空間に集

    gruza03
    gruza03 2011/05/29
    その理由は簡単だ。今の地方都市に、もっと言えば自らのアイデアでなし得るであろう地方に、魅力を感じないからである。