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ブックマーク / ameblo.jp/nakedcds (11)

  • 『雇用数量と景況の矛盾』

    アベノミクス転換前後から、雇用指標の改善が続いている。 (年収ラボ から有効求人倍率) (20年ぶりの低失業率はアベノミクスの成果? から) (同上) ところが、これと矛盾する指標がいくつかある。 まず実質雇用者報酬(平均実質賃金ではない) (いずれも 雇用者報酬 ―投資日記 から) 平均実質賃金に関しては、新規雇用拡大局面において見かけのうえで下がる可能性があるため、あてにならない部分もある。しかし、その合計である実質雇用者報酬の成長が鈍化、あるいは減少しているとあれば、労働所得"全体"の成長の停滞ということになる。これは通常、景況悪化と見做されるべきものだ。 また、既に最低賃金の引き上げ、実質賃金の上昇は雇用を悪化させるのかで論難させていただいたが、実質賃金と景気に負の相関はない。 (世界給与・賃金レポート から) これは各国のデータをプロットしたクロスセクション分析だが、一人当たりG

    『雇用数量と景況の矛盾』
    gruza03
    gruza03 2016/02/01
    アベノミクス転換後に他のCPI指標と乖離が広がったのは、他のCPIコア系統が、円安による輸入物価上昇とその波及を評価してしまっているからだと記事は指摘している。
  • 『マイナス金利導入が意味するリフレ政策の「転進」』

    銀行がマイナス金利を導入したということで、議論の紛糾や株の乱高下を招くことになった。 その説明によると 『異次元緩和で追加した分にはこれまで通り付利+0.1%』 『法定準備と、今後のBM追加に対応した一定割合の残高に付利0%』 『それ以外(これからの追加分)に付利-0.1%』 とのことである。 また、金融機関がこれに対応してマイナス金利を避けるために日銀当座預金を引き出し、現金保有を試みることに対する対策として、急激な現金保有増加に関しては、その同額分だけ付利0%部分・付利+0.1%部分の残高割り当てを控除するとしている。つまり、現金保有に切り替えても、同額分だけマイナス金利割り当て残高が増えるので意味がなくなる。 そもそも、異次元緩和で発生した超過準備になぜ付利がついているのか疑問に思うかもしれない。 これは、黒田日銀が異次元緩和を行うにあたって、量的緩和の際に国債を事実上"没収"さ

    『マイナス金利導入が意味するリフレ政策の「転進」』
    gruza03
    gruza03 2016/02/01
    裏を返せば、"過度な"マイナス金利の執行は事実上不可能だ。 既に欧州各国でマイナス金利が導入されているにも関わらず、それが劇的な効果を生んでいないのもこのためだ。
  • 『日本銀行の手詰まり ――その根源は財政の機動性欠如にある――』

    年始から、株価の値崩れが話題になり、金融市場及び政治経済論壇は騒然としている。 実際に株価の推移を見ていると、実は下落トレンドそのものは2015年半ばを過ぎてから顔を覗かせているのがわかる。 この間、日銀は『補完措置』を提唱、実行などするに至ったが、米利上げや中国バブル崩壊格化、以前から続いている原油値崩れに対して資産市場を安定化することはできなかったようである。 こうした中、最近の日銀の動きは積極性を欠いており(黒田日銀総裁「現時点で追加緩和をする考えはない」 日経済新聞 )、黒田総裁は必要があれば躊躇なく追加緩和であれ調節を行うという呪文を唱えるだけの機械と化している感がある。 このような黒田総裁率いる日銀の消極さに、批判的な向きも多い。 しかし、日銀行が徐々に手詰まりに追い込まれつつあるのは、事実である。その構図を解説したい。 それを論じる前に、まず拙記事:非伝統的金融政策の要

    『日本銀行の手詰まり ――その根源は財政の機動性欠如にある――』
    gruza03
    gruza03 2016/02/01
    金融政策が有効だという(誤った)信念は、その極めて正常な論理的帰結として黒田総裁のような消費増税容認(黒田に限ってはもはや推進であったが)をもたらす
  • 『インタゲとリフレと経済評論家 / 財政赤字・政府累積債務の持続可能性のその後』

    記事紹介第七弾として、上記二つを紹介したい。 インタゲとリフレと経済評論家 上記記事では、池田信夫と高橋洋一という宿敵?同士の、リフレ政策に関する主張を双方検討しつつ、リフレ政策について議論している。 注目すべき記述を挙げていく。 フィッシャー方程式からインフレ率の上昇が国債金利の上昇をもたらすと言う考えがある。ごく常識的な考えだが否定したい。インフレ率が2%、国債金利が1%のとき、金利0%の現金と国債のどちらを保有するか選択して欲しい。不満があっても国債の方がマシなので、国債の買い手がいなくなるわけではない。金融機関から見ると国債はリスク無し資産になるため、自己資比率規制の面から見ても有利だ。 景気が良くなるまでは、緩やかなインフレは金利の上昇をもたらさない。実際にインフレ率が高い方が、長期金利と名目GDP成長率のギャップは縮まり逆転する傾向がある。 また、インフレターゲットそのものは

    『インタゲとリフレと経済評論家 / 財政赤字・政府累積債務の持続可能性のその後』
    gruza03
    gruza03 2015/12/31
    金融変数が、当時金融政策ではなく財政政策に支配されていたという点を如実に表している。
  • 『飯田泰之の供給制約仮説をいまさら検討中』

    市井リフレ派についてもうちょっと真剣に調べてみようという過程で、飯田泰之の供給制約仮説のエントリにぶつかった。(よく見ると、なんだか見覚えがあるので、過去に見たことがあるのかも) 以前、公共事業の供給制約は顕在化しているか?で供給制約説を論難したことがあったのだが、そのとき槍玉に挙げたような粗雑な議論とは違い、飯田のものは至ってシンプルである。 マンデル・フレミング効果ではないかもしれない 飯田泰之先生による、財政の効果論(2012.7.10) この二つのページを参考にした。 自分なりに飯田の主張を要約してみる。 ①現実に観測される財政乗数は90年代以降下がっている。 ②先行研究によると、近視眼的な消費者(非合理的な消費者)が有意に多いから、リカード中立命題は考えにくい。 ③財政政策による為替(増価)の影響、すなわちマンデルフレミング効果も、はっきりと読み取れるわけではない。(私が聞いたこ

    『飯田泰之の供給制約仮説をいまさら検討中』
    gruza03
    gruza03 2015/12/31
    民間は建築に、公共は土木に偏重しており、また土木と建築のすみわけも強固であることから、かように分断された市場同士で閉じられた供給面クラウディングアウトが起こるとは考えにくい。
  • 『金融政策が有効か無効かという議論が重要である理由』

    noteにて、「経済学・経済論」執筆中! 「雇用増加の下でも賃金が停滞する理由」 「なぜ異次元緩和は失敗に終わったのか」 「「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?」 「なぜ日は財政破綻しないのか?」などなど…… ――――――――――――――――――――― これまで私は、非伝統的金融政策に関してさまざまな記事を執筆してきた。 非伝統的金融政策の要諦 ――異次元緩和はなぜ効くのか、そして効かないのか―― では、非伝統的金融政策をインフレ目標(を伴う量的緩和)と信用緩和に分別し、どちらも有効性に限界があることを指摘した。 クルーグマンのRethinking Japanと当の財政問題 においては、『均衡実質金利が長期的にマイナスであれば、金融政策の有効性は長期的にも失われるので、インフレ目標(を伴う量的緩和)政策も単体では無効になってしまうから、財政刺激を伴わなければならない』というクルー

    『金融政策が有効か無効かという議論が重要である理由』
    gruza03
    gruza03 2015/12/31
    流動性の罠、特に長期的な流動性の罠においては、非伝統的金融政策を含め金融政策は無効である。また、財政政策は財政出動についても増税についても景気に影響力を持つ。
  • 『最低賃金の引き上げ、実質賃金の上昇は雇用を悪化させるのか』

    noteにて、「経済学・経済論」執筆中! 「雇用増加の下でも賃金が停滞する理由」 「財金協調型の名目GDP水準目標政策のすすめ」 「なぜ異次元緩和は失敗に終わったのか」 「「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?」などなど…… ――――――――――――――――――― 先日、高橋洋一が民主党の経済政策を批判する記事の中で以下のようなことを主張した。 民主党は雇用政策のキホンすら知らないのか…安倍政権批判のつもりが、自らの経済オンチっぷりを露呈 11月30日付けのコラム(「民主党と安倍政権、「労働者の味方」は安倍政権のほうだった!~雇用と最低賃金を比べてみれば一目瞭然」)で書いたように、民主党政権時代は、まず最低賃金の引き上げを図った。そのコラムでも示したが、そうなるとかえって失業は増える。 正しい政策は、まず、実質賃金を下げることだ。 (引用元:上記記事) さて、これはまずもって"経済学

    『最低賃金の引き上げ、実質賃金の上昇は雇用を悪化させるのか』
    gruza03
    gruza03 2015/12/31
    雇用を増やすためには、実質賃金が低下しなければならないなどというインプリケーションは、両モデルからは得られないし、実証的にも支持されないのである。
  • 『非伝統的金融政策の要諦 ――異次元緩和はなぜ効くのか、そして効かないのか――』

    黒田日銀総裁就任と異次元緩和の導入というリフレ派の勝利ともいえるイベントにリフレ派界隈が沸く中、市井のリフレ派・リフレ派系言論は活気を見せていると言っていいだろう。 しかし、その中には、リフレ政策の議論の要諦を押さえず、ただ「貨幣を刷ればいい」というフレーズだけが一人歩きしているような言論も見られる。これはリフレ的議論の先駆者であるクルーグマンが、日がはまった罠で、「貨幣をただ刷るだけではだめだ」と主張していたことを踏まえると、非常に情けないものに映る。 今回は、そもそもリフレ政策、その中心である非伝統的金融政策はどういった枠組みのもので、どう有効あるいは無効なのかを論じていく。稿がリフレ政策議論における前提共有知識となれば幸いである。 非伝統的金融政策とは、あまり意識されていないかもしれないが、実は二種類に分けられる。 ①管理インフレ政策とそれを伴った量的緩和政策 ②長期債やリスク資

    『非伝統的金融政策の要諦 ――異次元緩和はなぜ効くのか、そして効かないのか――』
    gruza03
    gruza03 2015/04/04
    「インフレ期待を作るには」という付記において、期待を介さない直接効果を持つ財政政策を使ってインフレを起こすことで、インフレ予想の隙間を埋める方法を提唱している。なぜかあまり言及されることはない。
  • 『『資本主義の預言者たち』をどう読むか』

    随所である意味話題の中野剛志が最近著した『資主義の預言者たち ニューノーマルの時代へ』を読了した。 このは『恐慌の黙示録』の再録版で、冒頭に近年の論文に関するサーベイが付加されている。 恐慌の黙示録も一度読んだ事があるが、そのときの私の感想は、田中秀臣の書評に近いものがあった。 曰く、『「失われた10年」は、構造的な問題(日型経営システムが悪い)ではなく、循環的な問題(総需要不足)であって、その対応には特に失敗していると思われる金融政策を中心にした財政金融政策で対処すべきだ』 『問題が循環的な問題ならば、そこで日型経営システムを保守して、そこに体現されている制度を強化すべきだ、というのは単なる政策の割り当ての誤りであり、その意味では中野氏が問題にしている構造改革論者(これは循環問題を構造問題と考えている私たちのいう構造改革主義ないし誤った構造改革論)と中野氏の立論はそう違いません。

    『『資本主義の預言者たち』をどう読むか』
    gruza03
    gruza03 2015/03/30
    サマーズ、クルーグマン、スティグリッツらに言わせれば、公共投資の拡充ということになろう。彼らは公共投資の総需要的な側面と、技術革新的な側面を指摘し、その拡大が、危機の緩和に有効である
  • 『公共事業の供給制約は顕在化しているか?』

    自民党に政権交代し、補正予算が策定されるなどして、(十分な規模とはいえないが)一定規模の財政政策が施されることになった。 その中で、国土強靭化の方針に従って、社会資整備を目的とした公共事業が拡充されることになった。 その中で、『公共事業はすでに供給制約に直面しており、これ以上公共事業を追加しても効果はない』という『公共事業供給制約仮説』というものが現れるようになった。 この公共事業供給制約仮説の論拠は実に多岐に渡っており、多分私はそのすべてに目を通すことは出来ていないのだが、目に付いたものについていくつか論評してみる。 以前、 『公共事業増加により資材が高騰して古典派的クラウディング・アウトが生じている』 『公共の過大投資により、建設業者が逼迫して民間事業の実行を妨げる古典派的クラウディング・アウトが生じている』 という説があったそうだが 『為替や原油高を控除し、国内生産資材だけを考慮し

    『公共事業の供給制約は顕在化しているか?』
    gruza03
    gruza03 2015/03/08
    大いなる徒労なのである。
  • 『『日本国債のパラドックスと財政出動の経済学』(向井文雄氏著)に対する異議申し立て』

    『日国債のパラドックスと財政出動の経済学』(向井文雄氏著)を先日購入した。 向井文雄氏はtwitter、ブログなどでも情報発信している経済評論家(おおよそこう言って間違いないと思う)で、私(望月夜)と同様、財政出動が現代日に必要だと考える論者の一人だ。 ということで、先日発売された氏の新著を読ませてもらったのだが ①リカード中立命題のバロー解釈や、それに基づく非ケインズ効果は、通常経済におけるクラウディングアウトやマンデルフレミング効果を誤認したものに過ぎず、クラウディングアウトやマンデルフレミング効果が発効しない状態では、意味を持たない議論。 ②大恐慌分析におけるマネーサプライとGDP回復の連動は、政府の財政出動によって生まれた相関であり、これを金融政策の成果と評価するのは大いに誤謬がある。その証拠に、金融政策の緩和は、民間信用を増大させていない。 ③小泉-第一次安倍政権期の回復は、

    『『日本国債のパラドックスと財政出動の経済学』(向井文雄氏著)に対する異議申し立て』
    gruza03
    gruza03 2014/01/07
    財・貨幣・債券のワルラス法則、セイの法則の破れ、貨幣追加供給の無効性()は、いずれもIS-LMで記述。(そして、金利メカニズムが働かない以上、マンデル・フレミング・モデルは財政政策の無効性を示しません)
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