筆者は「95円程度までのドル高円安は過去に歪められた価格水準の是正であり、むしろファンダメンタルズへの回帰である」と主張してきた。日米金利差の絶対水準などから見て、違和感のない水準であるからだ。実際、3月前半、ドル円は1ドル=96円台へ上昇したが、その分、価格正常化の動きはそろそろ収束するころだと思われる。ドル円は100円を達成する前に、いったんは調整反落局面入りするのではないかと筆者は考えている。 ただし、長期的な観点からより重要なのは、今回、日米政策金利差が0%という金利環境下で、ドル安円高が止まったことである。それどころか、2011年10月の75円台のドル円最安値から、足元は実に20円を超えるドル高円安が進行してきた。1971年の金ドル交換停止(ニクソンショック)以降、一度も経験したことがない現象である。正に歴史的な円安が進行してきたといえる。 円安を促す3つの構造要因 筆者が見ると
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