テロ組織IS(ISIL)による日本人人質事件を受け、対外情報機関(日本版CIA)の設置に注目が集まっている。米中央情報局(CIA)や英国秘密情報部(SIS、通称MI6)など海外の諜報機関は日本でもよく知られているが、日本にはそうした海外で諜報活動を行う単独の機関がない。今回の事件でも、人質の情報とISILとの交渉はヨルダン、トルコ政府に任せ切りだった。 その反省から、自民党のインテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム(岩屋毅座長)が日本版CIAの設置に向けた調査を開始することを表明。安倍晋三首相も2月5日の国会で「(日本版CIA設置については)政府でも議論しており、国会の理解をいただけるよう期待したい」と述べるなど、設置に意欲的だ。 戦後の日本は“平和国家”を看板に掲げ、海外での諜報活動は内外からも求められてこなかった。2001年の9.11同時多発テロ事件を契機に、日本でも諜報機関