東日本大震災で被災した宮城、岩手両県の看護師について、震災から半年の心理状態を調べたところ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の疑いがある人が約3割、不安や鬱の症状がある人が約7割に上ることが28日、筑波大学の松井豊教授(社会心理学)らの調査で分かった。松井教授は「自分が被災者にもかかわらず、患者に寄りそわなければならなかった。亡くなった人も多く、心理的負担も大きかったのではないか」と分析している。 調査は今年8~9月に実施。宮城・岩手両県の沿岸部の医療・福祉施設で働く看護師407人から有効回答があった。 調査では、「地震のことがいきなり頭に浮かんでくる」などPTSD症状の疑いがある高リスク者が137人で33.7%。不安や鬱の症状がみられる人は274人で67.3%だった。 その一方で、「震災を通じて自身が成長したこと」について尋ねたところ、「人のやさしさや温かさを感じるようになった」が7割