これまで、組織にマイナスの影響を残すことが多い管理職「スネオ」型、「マスオ」型、「ダメおやじ」型を紹介してきた。すると読者から「そろそろプラスの話も聞きたい」という声も聞かれるようになった。そこで、今回ご紹介するのは、「星一徹」タイプだ。部下に厳しいこのタイプはどんな行動が特徴なのか。深夜、丸定商事のオフィスで物語が始まった。 2010年7月1日23時30分。 丸定商事・営業1課――。 23時30分――。石田美子は時計を見てげんなりした。まもなく、終電の時間だ。とてもじゃないが、間に合いそうにない。この1週間ずっとこの調子だ。自分でもそろそろ限界だと思う。どうしたらいいのだろう? 昼間の「一徹」の声がよみがえってくる。 「もう1回、やり直し――。俺が客ならこの企画書じゃ買わん」 美子はもともと事務職だった。今年度になってから、初めて営業の仕事に取り組んでいる。6月に入って、初めての営業提案