1年前のダイヤモンド・プリンセス(DP)号の集団感染の現場を仕切った2人は、今も新型コロナ感染症対策の最前線に立っている。神奈川県の阿南英明・医療危機対策統括官(55)はその肩書きどおり、県のコロナ対策全般を統括。厚生労働省DMAT(災害派遣医療チーム)事務局の近藤久禎次長(50)は頻発するクラスター(感染者集団)の収束のため全国行脚を続けている。 『世界を敵に回しても、命のために闘う ダイヤモンド・プリンセス号の真実』を上梓した毎日新聞の瀧野隆浩氏が聞き手となって行われた対談の最終回は、彼らがDP号後の現場で何を考えたのか、そして今後何が必要なのかを語ります。 【写真】対談に応じる阿南英明医師 第1回:「横浜クルーズ船感染」現場医師が今明かす真相 第2回:感染制御しても批判「横浜クルーズ船」の理不尽 ■重症化しなかった患者を引き受ける病院がない ――昨年末、2人とも多忙だったようですね。