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2020年11月15日のブックマーク (3件)

  • 『出星前夜』(小学館) - 著者:飯嶋 和一 - 井上 ひさしによる選評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    寛永十四年、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医… 寛永十四年、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に集結した。折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを彼らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負う。松倉家入封以来二十年、無抵抗をつらぬいてきた旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった…。第35回大佛次郎賞受賞の歴史超大作。 大佛次郎賞(第35回)受賞作=飯嶋和一「出星前夜」/他の選考委員=池内了、川三郎、髙樹のぶ子

    『出星前夜』(小学館) - 著者:飯嶋 和一 - 井上 ひさしによる選評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    h0z8 2020/11/15
  • 迫害を逃れて海を渡った。長崎・五島、潜伏キリシタン移民の子孫が語り継ぐ差別、戦争、信仰の記憶|ニッポン複雑紀行

    大小140あまりの島々が連なる長崎県の五島列島。ペトロ尾上勇(おのうえいさむ)さんはその北部に位置する中通島(なかどおりじま)で生まれ育った。キリスト教徒であり、一人の漁師として生きてきた。「ペトロ」は洗礼名だ。 尾上さんは江戸時代のキリシタン禁制下でも信仰を守った「潜伏キリシタン」を先祖にもつ。江戸後期の18世紀末、多くのキリシタンたちは当時の迫害を逃れて、九州の外海(そとめ)地方(現・長崎市の北西部に位置)を離れ、たくさんの小舟で海を渡った。五島の島々に新天地を求めたのだ。 離島への大規模な移住には政治的な背景もあった。未開の土地を開拓する人手を欲しがった五島藩が、逆に人口が増えすぎて困っていた九州土の大村藩に協力を求めたと言われる。その結果、3000人もの移民が五島を目指したが、その多くが潜伏キリシタンだったのだ。 2018年に世界遺産となった潜伏キリシタン関連資産が、九州土だけ

    迫害を逃れて海を渡った。長崎・五島、潜伏キリシタン移民の子孫が語り継ぐ差別、戦争、信仰の記憶|ニッポン複雑紀行
  • ナウシカのマスク、コロナのマスク|社会|中央公論.jp

    マスクのある光景 コロナ禍のなかで、『風の谷のナウシカ』のアニメ版/マンガ版を読みなおす動きが起こっているらしい。わたし自身は、とりわけマンガ版『風の谷のナウシカ』に沈潜しながら、ようやく『ナウシカ考』(岩波書店、二〇一九年十一月)を上梓してホッとしていたこともあり、ほとんどコロナ禍と繋げてみようという気にはならなかった。あまりに細部にこだわってきたがゆえに、差異ばかりが眼につくのかもしれない。とはいえ、東日大震災のあと、フラッシュバックのように、くりかえしマンガ版『風の谷のナウシカ』のいくつかの場面を想起したのとは、対照的であったかと思う。 マスクとはなにか、という問いからはじめる。腐海のほとりに暮らす人々には、マスクが欠かせない。腐海の瘴気の毒性からすれば、なんとも粗末にすぎる簡易マスクではあるが、とにかく瘴気が近づけばだれもがあわててマスクを着ける。腐海のなかでマスクをはずすことは

    ナウシカのマスク、コロナのマスク|社会|中央公論.jp