先日、こちらの本を読みました。もともと、サイモン・バロン・コーエン氏の著書は共感脳とシステム化脳や、マインド・ブラインドネスの本などが好きて翻訳されているものはすべて読んでいました。 ザ・パターン・シーカー: 自閉症がいかに人類の発明を促したか 作者:Baron-Cohen, Simon 化学同人 Amazon そして、新著が出たのでさっそく読んでみたのですが、やはりおもしろい!! 要は、人間(ホモ・サピエンス)だけが、単純な経験則に基づく反復学習だけではなく、 if A and B then のような感じで、まだ見ぬ未来についてもこれまでの経験や仮説や条件節を使って、パターンを理解し、文字や言葉の活用はもちろんのこと、さらに新しい技術や文化開発を可能にしたのではないか、という仮説です。 特に、4-10万年前前後に起こっているホモ・サピエンスの認知能力の急激な拡大について、言語の発達がきっ
なぜぼっちは恵まれているのに苦しむのか。 それは心像に負けているからである。 幸福になりたければストア哲学を実践しろ。 暗く狭い場所にて 『ぼっち・ざ・ろっく!』の人気が凄い。 1話の時点からクオリティが高いなと思っていたが、回を増すごとにどんどん人気が高まっている。最近はTwitterを開くたびにファンアートが流れている印象がある。 もちろん俺も楽しんで見ているわけだが、つい思ってしまうことがある。本作の主人公、ぼっちこと後藤ひとりに対して、「こいつ、持っているな」と。 『ぼっち・ざ・ろっく!』第1話 感受性。創造力。優れた容姿。生まれの良さ。練習を持続する意志。アリストテレスならば、彼女のことを「外的な善を持ち合わせている」と評するだろう。 だが何よりもぼっちは、卓越した演奏技術、すなわちギタリストの徳(アレテー)を持っている。これほど素晴らしいことがあるだろうか。 しかし当のぼっちは
2022-08-08 リーダーの作法 ささいなことをていねいにを読み終えた。 著者は Netscape でマネージャー、Apple でディレクター、Slack でエグゼクティブを経験した Michael Lopp さんで、過去にBeing Geek や Managing Humans を書かれている。 翻訳の質も非常に高く、楽しく読めた。1 そんなにマネジメント関係を読んでいるわけではないが、HITH OUTPUT MANAGEMENT や、エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードから CTO までマネジメントスキル向上ガイド 同じくらい良い書籍で、学びや共感を多く感じた。 自分はマネジメントのポジションについたことはないが、仕事をしていくなかでマネジメント関係のソフトスキルや複数人でどうやってうまくリーダシップを発揮して、大きい問題を解決するかに興味があるので、良い書籍
通称 #ISUCON本 を著者様からご恵贈いただきました。ありがとうございます。 gihyo.jp 所感 この書籍、言っていいのかわかりませんがまったくの初心者・初学者には難しい本かもしれません。私の感触では、Webサイトのプログラム作成、改修、構築、運用などに携わったり、Webサイトのパフォーマンスの問題に向き合ったことがある人が対象読者だと思いました。職種でいえばバックエンドエンジニア、インフラエンジニア、SREなどですね。もちろんそういった職種を目指している方や、純粋にISUCONに挑戦したい、パフォーマンスチューニングに興味がある、といった方も含まれます。 この本は特定の問題に対する直接的な答えではなく、パフォーマンスチューニングの考え方を教えてくれる内容になっています。この本を参考に実際に手を動かして実践するのが良いでしょう。現実のWebサイトをチューニングするでもいいですし、そ
「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の中の人、Dainです。 何かを「選ぶ」ということは、意外とパワーが必要だ。 メリット・デメリットを考慮して、複数の候補から一つを選ぶ。例えば、何を着ていくか、何を食べるかといったことは、小さな選択かもしれない。だが、毎日の積み重ねとなると馬鹿にできない。ただでさえ学業や仕事において、さまざまな決断に迫られているのに、それに加えて日常的な選択が求められる。一日の「選択して決断する」パワーは限られている。世の成功者たちが、トレードマークのように毎日同じ服を着ているのは、パワーセーブのためではないだろうか。 そのようにしてためた選択と決断のためのパワーは、どこに使うべきか? それは、人生の節目に迫られる、大きな決断のリソースとするのである。卒業、入学、就職、結婚、出産、退職など、望む望まないにかかわらず、節目はやってくる。 ・卒業した後、進
はじめまして、潮見惣右介(しおみ そうすけ)といいます。 普段は「無印都市の子ども」というブログで、小説や音楽、ポップカルチャーについて書いています。代表的な記事はこれといってないのですが、テレビ番組やアニメ映画に映った誰かの本棚に収められている本を勝手に特定していく「本棚解析シリーズ」がとても変態性が高いと好評です。 本業としては、つい最近まで書店員として働いていました。書店の店員はそれぞれ担当するジャンルを持つのですが、僕の場合は文庫や新書、コミックなど、いろんなジャンルをころころと代わっていました。 本屋で働いていると、気になる本や読みたくなる本がたくさん見つかります。これは”書店員あるある”なんじゃないかと思うのですが、単純な話で、普段からいろんなジャンルの本を目にするから「気になる」「読みたくなる」。だからこそ逆に「書店員をしていなければ、この本の情報や存在が自分の目に触れる機会
はじめに 2011年に書いた良いコードを書く技術を増補改訂して出版しました。 Amazon | Rakutenブックス | honto | ヨドバシ.com | Gihyo Direct 10年ぶりに書籍を技術書を改定するという貴重な体験をさせていただいたので、執筆の中で気がついたことをご紹介します。 ちなみに初版を執筆した10年前はこんな世界です😳 VS Codeは存在せず、みんな秀丸やEmacs、vim、Eclipseでコードを書いていた Java 7が出てたけど、Java 8まではあと3年待たないと行けない TypeScriptもGo言語もSwiftもリリースされていない AWSの東京リージョンができたばかりでクラウドって何?って世界 GitはまだマイナーでSubversionでバージョン管理している人が多かった Dockerはまだない、VirtualBoxやVMwareを使ってた
www.kamishima.net ペドロ・ドミンゴスの『The Master Algorithm』は、ビル・ゲイツが AI 分野の必読書に挙げていたので注目し、ワタシも何度か文章の中で引き合いに出している。 ユートピアのキモさと人工知能がもたらす不気味の谷 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 我々は信頼に足るアルゴリズムを見極められるのか? - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) そして、邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2017年版)でも取り上げているが、この原著が刊行されたのは2015年である。それから5年以上経ち、もうこれは邦訳の話は流れてしまったかと半ば諦めていたところ、『マスターアルゴリズム 世界を再構築する「究極の機械学習」』の邦題で刊行される。ワオ! マスターアルゴリズム 世界を再構築する「究
2020年ももうすぐ終わるので、読んでおもしろかったノンフィクションを振り返っていこうかと。今年はまるっと本の雑誌でノンフィクションの新刊ガイドを担当しており、例年よりもたくさん読んだような、あまり変わらないような。とはいえ、おもしろいノンフィクションには山ほど出会ったので、思い出しながら書いていく。 まずは科学系から! LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版科学系のノンフィクションの中で最もおもしろかったのはなにかといえば、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラントによる『LIFESPAN 老いなき世界』になる。シンクレアは老化の原因と若返りの方法に関する世界的な権威で、老化は克服できる病であり、克服すべきだ、とこの本の中で強烈に主張している。ほとんどすべての
NO HARD WORK! 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方 (早川書房) 作者:ジェイソン フリード,デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン発売日: 2019/01/31メディア: Kindle版 「リモートワークの達人」を書いたジェイソン・フリードと、ディヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(DHH)の「NO HARD WORK!」をようやく読んだ。 2018年に原著が出版され、去年日本でも翻訳が出た、二人の最新作だ。 ちなみに、原題は「It Doesn’t Have to Be Crazy at Work」となっていて、「リモートワークの達人」のときもそうだったけど、原題の方がいいなと思う。 なお、「リモートワークの達人」の感想エントリはこちら。 blog.magnolia.tech 今回は「仕事だけに忙しく、クレイジーに働きすぎない」というテーマだ。世の中の働き方がそうなっているこ
待ちに待った邦訳がようやく出た。 デヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ』である。 「ブルシット・ジョブ」とは、「クソどうでもいい仕事」のことだ。 もう少し丁寧に説明すると、「なんのためにあるのかわからない、なくなっても誰も困らない仕事」のことである。 近年、私たちの身の回りでブルシット・ジョブが増えている。 そして、確実にこの手の仕事は、働く人々の心身を蝕んでいる。 多くの人がこのことにうっすら気づいていたようで、2013年に著者があるウェブマガジンで「ブルシット・ジョブ現象について」という小論を発表したところ、国際的な反響を呼んだ。本書はこの小論をベースに、その後の調査や考察を加えて一冊にまとめたものだ。コロナ禍でエッセンシャル・ワーカーに注目が集まる中、時宜にかなった出版といえる。まさにいま読むべき旬の一冊だ。 著者のデヴィッド・グレーバーは、イギリスの名門大学、ロンドンスクー
プログラミング上達したいんだったら、四の五の言わずに、 ・クリーンアーキテクチャ ・レガシーコード改善ガイド ・アジャイル・サムライ ・リファクタリング 系のどれか を、全部最低5回読み返して欲しい。それでプログラマとしては圧倒的に成長できるんだから、マジで読んで — Next.js + Hasura 最速プロトタイピング本 @技術書典9 出す予定 (@erukiti) July 27, 2020 先日、こういうツイートをしたらバズってしまいまして。これらの本を理解できるまで読みこめばプログラマとして成長できますよーというもので、 ・ クリーンアーキテクチャ ・ レガシーコード改善ガイド ・ アジャイルサムライ ・ リファクタリング 系のどれか(例えばリファクタリング第二版) の4冊を挙げました。いろいろな人の感想を読んで、補足が必要そうだなと思ったので記事として書きなおしています。 追記
プログラミング上達したいんだったら、四の五の言わずに、 ・クリーンアーキテクチャ ・レガシーコード改善ガイド ・アジャイル・サムライ ・リファクタリング 系のどれか を、全部最低5回読み返して欲しい。それでプログラマとしては圧倒的に成長できるんだから、マジで読んで — Next.js + Hasura 最速プロトタイピング本 @技術書典9 出す予定 (@erukiti) July 27, 2020 先日、こういうツイートをしたらバズってしまいまして。これらの本を理解できるまで読みこめばプログラマとして成長できますよーというもので、 ・ クリーンアーキテクチャ ・ レガシーコード改善ガイド ・ アジャイルサムライ ・ リファクタリング 系のどれか(例えばリファクタリング第二版) の4冊を挙げました。いろいろな人の感想を読んで、補足が必要そうだなと思ったので記事として書きなおしています。 この
声優の悠木碧さんが4月8日、新型コロナウイルスの影響で自宅待機する親子に向けた絵本の読み聞かせ音源を、音楽共有サービス「SoundCloud」で公開した。第1弾は故・新美南吉さんの児童文学「手袋を買いに」。 悠木さんは7日、自身のTwitterアカウントで「ニュースで、自宅待機をがんばる親子の為に、絵本の読み聞かせを配信している大統領さんがいらっしゃる事をしり、すごく素敵だと思ったので私もチャレンジしてみようと思います」と投稿。3万リツイートを超えるなど大きな反響があった。 「手袋を買いに」の音源は、著作フリーの作品や著者が許諾した作品を公開するサイト「青空文庫」のテキストを基に作成。編集とBGM作成は、声優の小岩井ことりさんが担当した。 悠木さんはハッシュタグ「#せいゆうろうどくかい」を活用して朗読の音源を公開していくという。Twitterでは悠木さんの企画に賛同する声優も多く、今後は他
『論証のルールブック』は、簡潔で説得力のある文章を書くためのルールが、50にまとめられている。1つのルールに1つの例文、1つの解説という構成で、この本そのものが簡潔さを目指している。 ごく基本的な常識レベルのものから、見落としがちな盲点まで、まんべんなく網羅されているのがいい。いくつか紹介する。 主張には根拠が必要だ 数字は他のエビデンスと同じような検証が必要だ 長文の論証や、口頭で伝える際、サインポストを活用する 論点先取の見抜き方 「主張には根拠が必要だ」なんて、当たり前すぎて、なにを今さらと感じるかもしれない。確かにその通りだろう。だが、実際に、事実のフリをした意見や、根拠レスの主張に出会ったとき、即座に見抜けるだろうか。 たとえば、この主張なんてどうだろう。 聖書に神は存在すると書かれているから、神は存在する 聖書は神が書かれたのだから、正しい これは、結論が前提に含まれた有名な例
サティア・ナデラは2014年にマイクロソフトのCEOに就任した時、経営幹部全員にある本を購入して渡した。『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 (原題:Nonviolent Communication)』だ。 当時、マイクロソフトは敵対心や内輪もめ、裏切りのカルチャーで有名だった。 『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』は、コミュニケーションにおける思いやりと共感を説いている。誰にでも役に立つ教訓が含まれている。 サティア・ナデラが2014年にCEOに就任した時、マイクロソフトは幹部の間に敵対心や内輪もめ、裏切りのカルチャーがあることで知られていた。 この状況を変えようと、ナデラは経営幹部たちに心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグの書籍『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 (原題:Nonviolent Communication)』を読ませた。最初の幹部会議で全員に
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