ニューヨークのスターシェフ、ジャン・ジョルジュのフレンチレストランで、1人の日本女性が食事をしている。「お味はいかがでしたか?」とやって来たマネジャーに、彼女は流暢な英語で食材や料理の感想を述べる。その的確さに、相手は驚くかもしれない。いったいこの女性は何者なのか? 頃合いを見て女性がおもむろに取り出すのは、「ソイソルト」というシーズニング。醤油からフリーズドライした自社製の粉末調味料だ。既にソイソースは全世界レベルの調味料として認知されているが、液体ではない醤油とはどんなものだろう。興味を覚えたシェフが、彼女をキッチンに招く…。 海外の有名レストランで、そんな飛び込み営業をやってのける女性は、香川県の醤油屋かめびしの17代目、常務取締役の岡田佳苗さんである。 「短時間でどれだけプレゼンできるかが勝負です。最初から面白いと思ってもらうために、顆粒という新しい形にこだわりました。醤油屋が液体
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