かなり個人的な事情ながら、 悪態が苦手だ。 特に、女性に対しては難しい。 例えば、母や祖母から始まるあらゆる女性。 それらに、 このババア! と言いたい場面は山ほどあったが、 僕は一度も口には出せない。 ぐっと堪えて、 他の表現を探しオブラートに包んできた。 ドラマとか、本とか、映画とか、 思春期の若者や、中高年まで。 ババア! そうキレる描写は、多々有る。 しかしながら、 僕にはそう口にすることは不可能。 何故か? 難しい問題だが、 何となく、その一線を超えてしまうと、 相手の心が粉々になるのではないか。 そう思ってしまうのだ。 愛ある使い方のババア。 これも有るだろう。 でも、僕は使えない。 今、振り返るに、 ジジイ! これも言った事が無い。 多分、ナイフを手にした幼児の如く、 自分の持つ凶器。 その恐ろしさにビビっているのだと思う。 このカードをきったら、 もうダメだ。 ダムが決壊す