X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げを2023年8月27日に延期していましたが、天候の悪化が予想されることから、下記のとおり変更いたします。
X線分光撮像衛星(XRISM)および小型月着陸実証機(SLIM)を搭載したH-IIAロケット47号機の打上げを2023年8月27日に延期していましたが、天候の悪化が予想されることから、下記のとおり変更いたします。
金星探査機「あかつき」の観測データをシミュレーションに組み込むことで、金星全球にわたる気象データセットが作成された。金星特有の大気現象を解明する糸口になると期待されている。 【2022年9月9日 慶應義塾大学】 金星は地球によく似た質量と体積を持つ惑星だが、大気の性質は地球と全く異なる。大気が自転を追い越す向きに高速回転(赤道上層では自転速度の60倍)する「スーパーローテーション」のような特異な現象も見られるが、金星は空全体が硫酸の厚い雲によって覆われていて観測が難しいこともあり、大気の運動に関する理解は十分ではない。 慶應義塾大学自然科学研究教育センターの藤澤由貴子さんたちの研究チームは、金星大気のシミュレーションを行うためのモデルに探査機「あかつき」の観測データを融合させる「データ同化」に取り組んだ。地球や火星の大気モデルではデータ同化が盛んに行われ、気象予報や研究でも成果を挙げている
2019年末から2020年初めに2等級まで暗くなってしまったベテルギウスについて、その減光の謎を気象衛星「ひまわり8号」の観測画像から調べるという非常にユニークな研究成果が発表された。 【2022年5月31日 谷口大輔さん】 オリオン座の肩の位置に赤く輝く1等星のベテルギウスは、2019年末から2020年初頭にかけて突如として暗くなり、2020年2月には観測史上最も暗い2等級にまで達した(参照:「2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ」)。この現象は「ベテルギウスの大減光」と呼ばれ、原因を解明するためにハッブル宇宙望遠鏡やヨーロッパ南天天文台の8.2m VLT望遠鏡など世界中の大型望遠鏡がベテルギウスへと向けられた(参照:「ベテルギウスの減光は大量の物質放出が原因」、「ベテルギウスを暗くした塵の姿」)。 これら観測研究により、大減光の原因の約半分はベテルギウスの表面温度の低下であることがわ
欧州宇宙機関に所属する宇宙飛行士 その宇宙飛行士とは、欧州宇宙機関(ESA)に所属するThomas Pesquetさんだ。 彼はこれまでにもISSにおいて美しいオーロラや、地球の大気の様子などを撮影し、ネットに投稿してきた。 そして先日、ヨーロッパの上空で何かが爆発するような、青い光を撮影した。 flickr_Thomas Pesquet 「超高層雷放電」と呼ばれる大気現象 実はこれは爆発ではなく、「超高層雷放電(transient luminous event)」と呼ばれる大気現象とされている。 「超高層雷放電」は、高度20–100kmの成層圏、中間圏、下部熱圏にかけて起こる、放電による発光現象のこと。簡単にいうと、地上からは見えない大気の上層部に稲妻が現れるものだ。 Pesquetさんは写真の中で、次のように述べている。 「この稲妻の魅力は、ほんの数十年前まではパイロットの逸話として語
金星探査機「あかつき」がスーパーローテーションの謎を解明 北海道大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国際研究グループは、2020年4月24日、金星探査機「あかつき」の観測データから、長年謎だった金星大気の高速回転「スーパーローテーション」がどのように維持されているのかを明らかにしたと発表した。 論文は、米国の科学雑誌『Science』電子版に同日付けで掲載された。 これにより、「あかつき」計画の当初からの大きな目標が実現した。 金星を探査する「あかつき」の想像図 (C) JAXA 金星大気の「スーパーローテーション」とは? 太陽系の第2惑星である金星は、大きさや質量は地球とほぼ同じだが、公転周期が225日で自転周期が243日という、1日が1年より長い不思議な惑星である。 さらに、その大気は自転と同じ向きに、そして自転速度よりも速く回転している。この現象は「スーパーローテーション(S
長年謎とされてきた金星大気の「スーパーローテーション」を維持するメカニズムが探査機「あかつき」のデータから解明された。この結果は地球や系外惑星などの研究にも役立つと期待される。 【2020年5月1日 JAXA】 金星の自転周期は地球時間で数えて243日、公転周期は225日だが、その自転と公転の向きが逆であることから、金星の一日の長さは地球の117日に相当する。一方で、金星の分厚い大気はゆっくり自転する惑星自身を軽々と追い越してしまうほどの速度で回転している。この現象は「スーパーローテーション」と呼ばれ、一番速度が大きい雲層の上端付近(高度約50~70km)では自転速度の60倍にも達している。 スーパーローテーションは1960年代に発見されたものの、そのメカニズムは謎とされてきた。過去に長期にわたって金星を周回した探査機であるNASAの「パイオニア・ビーナス・オービター」やヨーロッパ宇宙機関
大気が高速で周回する現象「スーパーローテーション」が金星で起きている原因が、太陽光による熱が生む周期的な波であることを探査機「あかつき」で解明した、と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究グループが24日、発表した。あかつきの探査計画はこの現象の解明を主目的としており、論文が同日付の米科学誌「サイエンス」に掲載された。 グループは雲の動きを高精度で追う紫外線カメラ観測の新手法を開発し、風速を細かく求めることに成功。赤外線カメラの温度計測も活用し、スーパーローテーションの原因を探った。 その結果、太陽光によって惑星の大気が昼に温まり夜に冷えることで、温度が潮の満ち干のように周期的に変化して生まれる「熱潮汐波」が原因であることが分かった。熱潮汐波が起きる時に大気に働く力が、赤道付近の上空の大気を西向きに押し、スーパーローテーションを維持する働きをしていた。 スーパーローテーションは大気が天
金星の大気では自転速度に対して最大で60倍も速く流れる「スーパーローテーション」が生じていることが知られていますが、これほど速い流れが維持される原因は発見から半世紀以上に渡り謎のままでした。今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」による観測データから、スーパーローテーションが維持される仕組みが明らかになったとする研究成果が発表されています。 ■金星は太陽による加熱を原因とする大気の「熱潮汐波」が加速していた今回の研究成果をもとにした金星の大気循環を示した模式図。熱潮汐波が低緯度の大気に角運動量を運び込む(赤色の矢印)ことで、西向きのスーパーローテーションが維持されているとみられる(Credit: Planet-C project team)金星の自転周期は地球と比べて遅く、1回自転するのに地球の約243日を要します(自転の方向が公転とは逆向きなので、金星の「1日」は地
金星の超高速風、仕組み解明 探査機「あかつき」観測で―JAXA 2020年04月24日04時24分 金星の高層大気にはスーパーローテーション(SR)と呼ばれる超高速の風が常に吹いているが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と北海道大などの研究チームは、探査機「あかつき」による観測データから、「熱潮汐波」と呼ばれる大気中の波がSRの加速を担っていることを突き止めた。論文は24日付の米科学誌サイエンスに掲載される。 SRは、金星の上空70キロ付近を秒速100メートルもの高速で吹く東風。1960年代の観測で発見されたが、自転の60倍もの速度の風がなぜ吹き続けられるかは分かっていなかった。 北大の堀之内武准教授らは、あかつきが撮影した金星全体の雲の動きや温度の分布などから、大気の循環の様子を分析。昼間に太陽熱で熱せられ、夜間に冷やされる大気が振動することで生まれる波(熱潮汐波)が、SRを加速している
金星探査機「あかつき」による金星大気の探査活動に基づく研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学雑誌Science(サイエンス)電子版に2020年4月23日(日本時間4月24日)に掲載されましたので、お知らせします。 論文の内容は次の通りです。 「あかつき」により金星大気のスーパーローテーションの維持のメカニズムを解明 原題:How waves and turbulence maintain the super-rotation of Venus' atmosphere 北海道大学・JAXA宇宙科学研究所などの研究者からなる国際研究グループは、金星探査機「あかつき」によって取得された観測データに基づき、長年謎だった金星大気の高速回転(スーパーローテーション)がどのように維持されているのかを明らかにしました。 金星の分厚い大気は、自転の60倍ほどにも達する速さで回転していることが知られています
「日本書紀」に620年の天文記録として残っている赤気の記述が「扇形オーロラ」と整合的であるとする研究成果が発表された。当時の人々が赤いオーロラの形状を雉の尾羽にたとえて記録したものだと考えられる。 【2020年3月18日 国立極地研究所】 今年令和2年で編纂から1300年になる「日本書紀」には、日本最古の天文記録として「十二月の庚寅の朔に、天に赤気有り。長さ一丈余なり。形雉尾に似れり」という620年(推古天皇二十八年)の記録が残されている。 国宝岩崎本「日本書紀」に残る赤気に関する記述(提供:リリースより/赤い傍線はアストロアーツによる) この記録について、オーロラを指しているという説と彗星を指しているという説が提唱されてきた。中国の歴史書には同年にオーロラや巨大黒点が目撃されたという記述が見つかっておらず、この点がオーロラ説とするには不利な材料である。一方、日本書紀で彗星は「箒星」として
2020年3月16日 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館 国立大学法人 総合研究大学院大学 『日本書紀』編纂1300年にあたる本年、国立極地研究所(所長:中村なかむら卓司たくじ)の片岡かたおか 龍峰りゅうほう 准教授と、国文学研究資料館(館長:ロバート キャンベル)の山本やまもと 和明かずあき 教授を中心とする研究グループは、日本最古の天文記録として知られる『日本書紀』推古二十八年(620年)のくだりに記された「赤気」について、近年の古典籍を用いたオーロラ研究で解明されてきた「扇形オーロラ」と整合的であることを明らかにしました。着目したのは「形似雉尾」という表現です。緯度の低い地域で見られる扇形のオーロラを目撃した当時の日本人は、雉がディスプレイ行動や母衣打ちで見せる扇形の尾羽でオーロラを例えたのだろう、と
探査機「あかつき」などによる観測から、金星の高度40~85kmにおける気温分布が調べられた。金星では高緯度ほど大気が不安定な領域が広がっており、地球の大気構造とは反対の傾向にあるようだ。 【2020年3月4日 京都産業大学/JAXA宇宙科学研究所】 金星は質量や大きさが地球とよく似ていて、地球の双子星と呼ばれることもある。しかし、金星の大気の主成分は二酸化炭素で、濃硫酸の雲が全球を覆っており、地表面の気温が摂氏460度、気圧が90気圧にも達するなど、環境面では金星と地球はまったく異なる惑星だ。さらに、金星では自転速度の60倍の速度で大気が回転する「スーパーローテーション」という現象が生じている。こうした謎の解明には、金星大気を観測して知見を蓄積することが必要不可欠である。 金星探査機「あかつき」の赤外線カメラ「IR2」がとらえた金星の夜面の擬似カラー画像。IR2では夜面の雲を透過してきた赤
探査機「あかつき」の観測で、金星の南北方向に約1万kmにもわたる弓状構造がとらえられた。超高速風のスーパーローテーションに流されることなく形状が保たれており、下層大気の圧力変化が上空に伝わって作られたものと考えられている。 【2017年1月19日 JAXA/ISAS/立教大学】 2015年12月から金星の周回探査を開始した探査機「あかつき」が初期観測で、金星の南北方向に約1万kmにわたる弓状構造をとらえた。 2015年12月に「あかつき」が撮影した金星。(左)輝度温度、(右)放射輝度(提供:JAXA、以下同) 金星では「スーパーローテーション」と呼ばれる高速の東風が吹いており、その速さは金星を覆う雲層の上端(高度約65km)で秒速約100mにも達する。しかし、弓状構造は4日間の観測期間中に地理的にほぼ同じ場所に出現しており、スーパーローテーションの影響を受けていないことが確認された。こうし
雷雲から宇宙に向かって赤い光が放たれる「スプライト」と呼ばれる現象が、茨城県鉾田(ほこた)市沖で11月25日夜、確認された。「空の探検家」として知られる写真家の武田康男さん(56)が撮影=ISO感度5000、シャッター速度3秒=に成功した。 スプライトは上空約50~90キロで、雷雲の上から宇宙空間へ向かう放電で窒素分子が発光する現象。1990年代に解明され始めた。落雷と同時に起きるため、地上からは雷光のまぶしさで見るのも撮影するのも難しい。武田さんは「0・1秒足らず、目の錯覚かと思うほど一瞬だった。落雷数十回のうち1回現れるか否かで、鮮明に撮影できてうれしい」と話す。 冬は茨城県や千葉県の沖合や、日本海でスプライトが現れやすくなるという。気象予報士でもある武田さんは発生する時間や場所を予測し、チャンスを狙った。当夜は強い寒気が入り、約200キロ先の海上に発生した積乱雲を4~5時間撮影し続け
夜空を美しく彩どる「 天の川 」。天候や場所によっては見えないこともありますが、それでも都会を離れれば普通に観測できる…と思っていました。しかし、その「 天の川を世界人口の3分の1が見られなくなっている 」というショッキングな研究が報告されているのです。 「 光害 」に関する調査を行なっているLight Pollution Science and Technology Instituteの研究員のFabio Falchi氏は、「 世界人口の3分の1は天の川を見ることができません 。これは人類史上で初めてのことで、私たちは夜空を直接観察することができなくなったのです」と述べています。 上の画像は、同研究員と研究所が 「スオミNPP」衛星 のデータを元に作成した「 光害の分布マップ 」です。マップの黒い地域は光害が少なく、 明るい地域が光害が多い地域 を示してます。こうしてみると、人口密集
私たちを含む生命体が地球に誕生したのは時に「奇跡のようだ」と語られます。しかし NASA の新たな研究によると、「 巨大な太陽嵐 」が 古代地球を温め、生命体を誕生させた可能性 があるそうなんです。 太陽から巨大な炎が吹き出す現象の「太陽フレア」はよく知られていますが、その中でも特に巨大で膨大な電磁波や粒子線、粒子が吹き出した時の現象を「 太陽嵐」 と呼びます。さらに、文明誕生後のあらゆる太陽嵐のさらに 10倍近く強い現象を「スーパーフレア」 と呼ぶことがあります。 そして、天文学者はハッブルやケプラー宇宙望遠鏡にて恒星のさまざまな段階を観測。その結果、生命が誕生したとされる 40億年前 には 太陽の明るさは2/3程度で70%のエネルギーしか発していなかった ことがわかります。また必然的に、地球ももっと冷めた惑星でした。さらに地磁気も弱く、一方太陽からは スーパーフレアに匹敵する太陽嵐
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