講談社は17日、神奈川県松田町の小、中学生に配布されているタブレット端末に10代向けの電子書籍を配信する協定を同町と結んだ。配信開始は今秋から予定する。教育環境のIT化が進む中、同社は「教育現場へのビジネス展開を進めたい」と話している。 対象は、タブレット端末が各自に配布されている小学5年~中学3年。小学生向けと中学生向けに、各10冊程度を毎月配信。朝の読書の時間(朝読)などでの活用を想定している。 各校の紙の本での蔵書数は限られるが、電子書籍なら多くの児童生徒が一斉に読める。その場で感想を言い合うこともできる。読書履歴やどのくらい読み進めたかといった実態の把握も容易なため、教師の指導にもいかせるという。 町内に書店はなく、町教育委員会は、子どもたちの新たな読書体験に期待を寄せる。本山博幸町長は「新たな世界との出会いの場として、読書の機会を広げたい」と話した。(塩原賢)