ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシアと近接し、北方領土の返還問題などでロシアとの交渉を戦後ずっと重ねてきた日本もまた揺さぶりをかけられている。 東アジア情勢に詳しい、英経済紙「フィナンシャル・タイムス」のキャスリン・ヒル記者は、日本の対ロシア政策は根底から覆され、安全保障政策自体が見直しを迫られていると指摘する。 ロシアを中国から引き離したかった日本政府 ウクライナ侵攻により、世界中で多くの外交政策目標に終止符が打たれた。なかでも根本的に覆されたのは、ロシアと組んで中国に対抗しようとしていた日本の外交的な野望だろう。 中国政府はロシアによるウクライナへの攻撃が始まっても、ロシアとの緊密な連携をやめようとしない。それゆえ、日本政府は北の隣国との関係を深めるための10年にわたる努力はまったく実を結ばなかったと認めざるを得なくなっている。 「中国が最大の問題であるという点については、皆同意します