「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ 作者: 赤坂憲雄,山内明美,小熊英二出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/07/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 60回この商品を含むブログ (14件) を見る 今年5月に行われた鼎談がベースになっている。タイトルの、カギカッコにくくられた「東北」が、読み終えてみるとイミシンに思える。 「東北学」を提唱する赤坂氏は、震災後まず「なんだ、東北って植民地だったのか、まだ植民地だったんだ」と思ったそうだ。「かつて東北は、東京にコメと兵隊と女郎をさしだしてきました。そしていまは、東京に食料と部品と電力を貢物としてさしだし、迷惑施設を補助金とひきかえに引き受けている。そういう土地だったのかと」(p.15) この指摘は痛烈だった。東北という地域固有の歴史、常に「中央」によって収奪され、飢饉におびえてきた負の歴史は