仕事の方がちょっと一段落ついたので、ようやく更新できます。 光人社NF文庫の『玉砕ビアク島 “学ばざる軍隊”帝国陸軍の戦争』(田村洋三)を読んでいると、ビアク戦の理解のための手助けとして「ニューギニア戦の概略」をまず紹介する、として次のような一節が出てくる。 自国の現代史を貶め、なおざりにすることがまるで偉いことのような、自虐史観に基づく誤った歴史教育が罷り通った結果、近頃の若い人たちは八百年前の源平の戦いは知っていても、わずか半世紀前の太平洋戦争の経過に疎いが、それをおぎなう意味もある。 (80ページ、原文のルビを省略) なんというか、もうげんなり。いや、全体としては悪い本ではないのですよ。サブタイトルが示すように旧軍美化にはほど遠い内容だし。飢餓に追いつめられた日本軍将兵が互いに食料を奪い合うケースまで発生したことにもきちんと触れている。慰霊団が現地で好意的に迎えられる背景として、敗戦