━【現代数学の視座と眺望№2(K会元数学科講師:立原礼也) 】━ ★「現代数学」、つまり大雑把には「大学の数学科レベルの数学」は、中高で習う数学と地続きに繋がっていながらも、様々な面で、全く新しい考え方に基づくものでもあります。筆者が数学を専攻することに決めたのも、この新しくも自然な考え方の数々に魅了されてのことでした。このコラムでは、現代数学におけるものの見方=「視座」、そしてそれによるものの見え方=「眺望」の解説を通じ、現代数学の魅力の一端をお伝えしていきます★ 数学的構造と同型性 読者の皆さん、こんにちは。 K会数学科元講師の立原 礼也と申します。 第3回となる今回は、現代数学の重要な考え方である「数学的構造」(以下では単に「構造」と言います)の考え方、そして「同型」という考え方について、具体例を通じてご紹介したいと思います。 これらの概念の重要性は筆舌に尽くしがたいものであって、筆