遠くに行きたい。何処か遠くの国に行きたい。そう思う瞬間が前触れなくやってくる。それは悲しいことがあった時よりもどちらかというと楽しくてこれほどまでに人生とは楽しいものなのかというのを心底感じた宴の後だったりすることが多い。今、この瞬間がすごく楽しい、でも遠くに、誰もいないところに行きたい、そう願わずにはいられない瞬間がある。 とはいえ、国内でさえまだまだ行ってみたいところがあるので空を飛んで日本の別の国へ向かう。外への憧れは一つ歳を重ねる度に強くなる気がするが、友への憧れもまた強くなる。時間を、空間を、景色を、喜びを共有するために飛ぶ。 毎年楽しいを塗り替えられていると感じている俺は幸せに間違いない。酒を飲む友がいて、グチをこぼす友がいて、ちょっと未来を語り合ったりもする。恥ずかしい話や馬鹿げた話を肴にすれば安酒で構わないんだ。その時間こそが最高の贅沢。 年明けとともに友と笑い、雪の降る街