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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/clean110 (13)

  • ありがとう - 特殊清掃「戦う男たち」

    別れの言葉、故人(遺体)に声をかける遺族は多い。 それぞれの人がそれぞれの気持ちで言葉を発する。 生前は照れ臭くて言えなかった言葉もあるだろう。 嘘に対する真実の告白もあるだろう。 それがどんな言葉でも、最期の場面においてはその真実性・純粋性が澄んでいると感じる。 経験上の独断だが、遺族が遺体に掛ける言葉で多いと思われるものを挙げてみる。 「お疲れ様」 「ごめんね」 「さようなら」 「天国に行ってね」 「ありがとう」etc 先に死んでいった人への想いは、これらの言葉に凝縮されているものと思う。 そして、これらの言葉の中でも、「ありがとう」が断トツで多いように思う。 「ありがとう」 人によって、この言葉が意味するところに若干の温度差があるかもしれないが、とりあえずは感謝の気持ちがベースのはず。 故人に対しては最終的には感謝の気持ちが残ることが多いのだろう。 では、この世に生きているうちはどう

    ありがとう - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/11/13
    「最期に言いたくなる言葉(ありがとう)が予め分かっているのなら、時間がある今のうちからどんどん使った方がいいね。これからの人生に、「ありがとう」を連発する生き方を期待したい。」
  • 感情の味 - 特殊清掃「戦う男たち」

    腐乱死体現場には色々な生き物がいる。 ウジ・ハエはもちろん、ゴキブリ・蚊・ダニ・謎の虫、そして私。 この括り方でいうと、「俺って一体・・・」と思ってしまう。 ここで取り上げるのはネズミ。 特掃に入る家には、たくさんのネズミがいることも珍しくない。 押入の衣類等を片付けていると、その中からポトポトと子ネズミが落ちてくることがある。 ネズミ達の安住地をいきなり奪うのは申し訳ないような気もするが、こっちも仕事なんで仕方がない。 行き場を失った子ネズミは、とりあえず物陰に隠れようとする。 子ネズミって、丸くて小さくて可愛いいもんだ。 そんなのが、小刻みに震えたりなんかしていると、不憫に思えて大きな同情心がでてくる。 仕事を忘れて、代わりの住家を造ってやりたくなる。 捕まえて始末することは容易なこと。 しかし、そうしようと思ったことはない。 片やウジ。 汚腐団など、ウジの安住地を奪うことには何の抵抗

    感情の味 - 特殊清掃「戦う男たち」
  • 勇気 - 特殊清掃「戦う男たち」

    ある日、女性の声で電話が入った。 タドタドしい喋り方と、的を射ない内容に、始めは間違い電話?イタズラ電話?と思ってしまった。 しかし、話を聞いているうちに、この電話が間違いでもイタズラでもないことが分かった。 話の内容はこうだった。 「自分はかなりの高齢者」 「自宅で独り暮しをしている」 「難病にかかり、歩行も困難」 「週一回、ホームヘルパーが来る」 「子供はいるが、離れて暮らしている」 「死期が近いものと覚悟している」 「愛着のある、この家で死にたい」 「孤独死したときのために備えておきたい」 私は話の内容を聞いて、この女性が独り暮しを続けていることが信じらなかった。 ただ、家と家族への愛着が並大抵ではないということが、すぐに理解できた。 私が言うまでもなく、女性は遺言を残しており、残された人が困らないような配慮をしていた。 残された問題は、身体のこと。 どんなに死の準備を整えたところで

    勇気 - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/10/05
    寂しく孤独死していく人の心中を察したことが、これまであっただろうか。
  • ダメ男 - 特殊清掃「戦う男たち」

    どんな仕事にも共通することだろうが、私は仕事を通じて色んな人と出会う。 そして、出会う人(正確に言うと死人)の一人一人にドラマがある。 言うまでもなく、腐乱した人は独居者であることがほとんど。 独り暮しをしていた理由も色々ある。 連れ合いと死別・離婚、生涯独身etc ある腐乱現場。 狭い路地を入った古いマンションの一室。 電話をしてきたのは年配の男性だった。 そして、現場に現れたのは初老の男女だった。 てっきり夫婦だと思ったが、そんなことは私には関係ないので、あえて尋ねたりもしなかった。 汚染現場はトイレから脱衣場へまたがった入り組んだスペース。 床はビニールクロス。 半分乾きかけたチョコレート色の腐敗液の回りに、透明の脂が広がっていた。 そして、腐敗液に混ざった頭髪にウジが這い回っていた。 ウジって、身体を波うたせながら前に進む生き物。 よ~く見ると不気味(よ~く見なくても不気味か)。

    ダメ男 - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/09/19
    「広い社会に、本当に自分のことを大事に思ってくれる人はどれだけいるだろうか。本当に大切にするべき人は、もっと身近にいるのではないだろうか。」
  • ビーフシチュー(後編) - 特殊清掃「戦う男たち」

    「ウジってあんなに大きくなるものか?」「その前にハエになるはずじゃないのか?」「仮にウジじゃないとしたら何?」

    ビーフシチュー(後編) - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/07/28
    「ウ○コを漏らすのが先か、トイレをきれいにするのが先か、背に腹は代えられない時間との戦いであった。」
  • ビーフシチュー(前編) - 特殊清掃「戦う男たち」

    その光景は、「なんでここまでになるまで発見されなかったんだ?」と場慣れしている私でも驚嘆するくらいに衝撃を受けるものだった。

    ビーフシチュー(前編) - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/07/28
    「困難を極めたのは腐敗粘土(元人間)を除去する作業。小さなスコップ状の道具で腐敗粘土をすくい取る。」
  • 愕然! - 特殊清掃「戦う男たち」

    管理会社の担当者に聞くまでもなく、部屋に散乱していたクレジット会社や消費者金融からの請求書で、それは容易に察することができた。 マンションの築年数はそれなりに経過しているものの、その立地もよく高級感のあるたたずまいで、いかにも「買うと高そうだな」と思われるような建物だった。

    愕然! - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/07/17
    「「根性なし」「弱虫」「負け犬」などと罵られても、逃げればいい。格好悪くてもいいから、逃げればいい。無理に気張ってビショ濡れになっても、結局、風邪をひくのは他人ではなく自分。」
  • 臨時休刊 - 特殊清掃「戦う男たち」

    時には、笑い、泣き、叫び、喜び、嘆き、悲しみ、ふざけ、楽しみ、怒り、憤り、恨み、妬み、羨み、蔑み、悩み、考え、苦しむ。

    臨時休刊 - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/07/03
    注目度と妬み・そねみは比例する。パブリックな言論空間の持つ宿命。
  • 特殊清掃「戦う男たち」:世間の風(首吊死体について)

    今回は、首吊死体について書く。少々グロテスクな内容であるし(今更何を言ってんだ?)、読者の家族や友人・知人にも首を吊って自殺した人がいる可能性が高いので、少々気が引ける。何しろ、日人は自殺手段としては首吊を最も好む人種らしいので。

    特殊清掃「戦う男たち」:世間の風(首吊死体について)
  • 明日があるさ - 特殊清掃「戦う男たち」

    私達のほとんどは当たり前のように今日を迎え、明日が来るのも当たり前だと思って生きているのではないだろうか。死体業を長くやっていると、その辺の感覚は一般の人の比べると鋭くならざるを得ない。

    明日があるさ - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/06/28
    「「死」というものは、老若男女・年齢・社会的地位・経済力を問わず、誰にも必ず訪れる。」
  • おしどり夫婦 - 特殊清掃「戦う男たち」

    現場(自宅)に行くと、なんと遺体が二体ある。二人ともかなりの高齢で、入院先の病院でほとんど同時に亡くなったとのこと。 かなり珍しいケースで、遺族も悲しんでいるというより、微笑ましく思っているような感じだった。そういう私自身も、何とも言えない温かい気持ちを覚えた。 生前の二人がどんな夫婦だったか知る由もないが、喜怒哀楽・羽陽曲折・七転八起、楽しかったことも嬉しかったことも、苦しかったことも辛かったことも、みんな二人で受け止めて二人で歩いてきた人生だったに違いない。そして、最期も二人仲良く一緒に。

    おしどり夫婦 - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/06/21
    「配偶者をお持ちの方、お互いに思いやりを持ってお互いを大切に。一緒に居られる時間は限られているから(思っているほど長くはないかもしれないよ)。」
  • 臭いなぁ - 特殊清掃「戦う男たち」

    と尋ねられることがある。返事に困る。何故なら、何にも例えられない臭いだからである。そもそも、臭いだけじゃなく、音・味・色など、五感で受けるものを代替的に表現し伝えるのは難しい。特に腐乱死体の臭いなんて、世間一般に似たような匂いがないからなお更である。とにかく、腐乱死体は臭い!としか言えない。 腐乱死体の臭いに興味のある人は割と多く居そうだが、どんな臭いなのか具体的に伝えられなくて残念だ(申し訳ない)。ちなみに、ウ○コや腐敗ゴミどころのレベルじゃないんで。

    臭いなぁ - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/06/16
    「昔の友人に、「トイレでウ○コをする時は口で息をすればいい」という奴がいた。鼻に臭いを感じさせない工夫なのだろうが、どうも納得できない。特に特殊清掃の現場では、とても口で息をする気にはなれない。」
  • 自死の選択 - 特殊清掃「戦う男たち」

    ここ数年、日人の自殺者数は高いままである。私のような職業ではない人でも知っている、目新しくもないニュースである。インターネットの自殺サイトも活発に動いているようである。

    自死の選択 - 特殊清掃「戦う男たち」
    hatayasan
    hatayasan 2006/06/14
    「私が知る限りでは、自殺はどんなかたちであれ、他人に多大な迷惑をかけ他人を不幸にしている。私だって、自然死と自殺の現場では気持悪さが違う。」
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