疎遠な家族が亡くなった時、残された遺族は自分1人だけ。財産の処分を依頼されたら1人でできますか?誰かに手伝ってほしい。そうした相談がいま、葬儀会社に相次いで寄せられています。福岡市のある葬儀会社が、遺族に代わって財産の処分などあらゆる手続きをまとめて請け負う事業を始めました。社会の変容にあわせて、変わりつつある葬儀会社の仕事。その実態を取材しました。(福岡放送局記者 大西 咲) 去年12月、福岡県太宰府市で64歳の男性が亡くなりました。10匹を超える猫と暮らしていた男性。NHKの取材クルーが部屋を訪れると、無数の餌の空箱や、タバコの吸い殻、散乱したゴミがそのままになっていました。 男性の住宅は持ち家で、一連の葬儀のほか、土地と建物の相続、解体や売却などの手続きと処分が必要となりました。 亡くなった男性は未婚で、残された家族は長崎県に住む高齢の兄、ただひとりでした。男性は、その兄と10年以上