はじめに 衛星通信や5G NRのような無線通信においては,16QAMやQPSKのようなディジタル変調方式が利用されています.信号を伝送する際,伝送速度と帯域幅(信号が使用する周波数幅のこと)は非常に重要です.筆者が調べた限り,ディジタル変調方式と帯域幅/伝送速度(ビットレート)の具体的な関係を述べた記事はほとんど見つけられなかったので,まとめてみたいと思います. ディジタル無線通信の構造 まずはディジタル無線通信の概要を示します. 構造 下図は最も基本的なディジタル無線通信の構成を示しています. ベースバンド信号:ベースバンド信号ではビット値に応じて電圧を設定します.通常は図のようなパルス波となります.この例では,ビットが1の時に電圧A[V]を,0の時には電圧0[V]を設定していますね. RF信号:ビット列(ベースバンド)はキャリア(搬送波)と呼ばれる信号$s(t)$に乗せて運びます. $