ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (531)

  • 縁故資本主義者としてのドナルド・トランプ - himaginary’s diary

    というNYT論説をルイジ・ジンガレスが書いている(H/T Economist's View、原題は「Donald Trump, Crony Capitalist」)。 Four years ago, in the first draft of my book “A Capitalism for the People,” I had a section dedicated to how worrisome a Donald J. Trump presidential bid would be for America. I was not prescient. It’s just that having grown up in Italy, I knew how a real estate tycoon — in this case, Silvio Berlusconi — whose car

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  • サンダース経済分析騒動・続き - himaginary’s diary

    デビッド&クリスティーナ・ローマー夫が、ここで紹介したジェラルド・フリードマンによるサンダース政策の経済効果分析を批判する小論を上げ、各論者が一斉に取り上げている(マンキュー、クルーグマン、Mark Thoma、タイラー・コーエン、デロング、ジャスティン・ウルファーズ)。 小論は結論を除くと3つの章から構成されており、各章ではその章のテーマを節に分けて論じている。以下は各節の概要。 需要サイドの効果が大きすぎる a) 政府の新規支出が成長率に与える一過的な影響について、影響がずっと続くという計算ミスをしたっぽい。 b) 再配分の効果というのが、それに伴う財政刺激策の効果を指しているのか、それとも再配分自体の景気刺激効果を指しているのは不明だが、いずれにしても新規政府支出と同様の計算ミスをしたっぽい。 c) 医療政策の効果についてもやはり新規政府支出と同様の計算ミスをしたっぽい。 d) ま

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  • サンダース経済分析騒動 - himaginary’s diary

    ジェラルド・フリードマン(Gerald Friedman)というマサチューセッツ大学アマースト校教授が、民主党の大統領選候補であるサンダース上院議員の経済政策の効果を分析し、物議を醸している。その内容があまりにも非現実的だということで、かつて民主党政権下でCEA委員長を務めた4人(アラン・クルーガー、オースタン・グールズビー、クリスティーナ・ローマー、ローラ・タイソン)が共同で、サンダースとフリードマンに対し2/17に公開書簡を出す騒ぎに発展した。かねてからサンダースの経済政策の非現実性を指弾していた(cf. ここ)クルーグマンが繰り返しこの件を取り上げたほか(ここ、ここ、ここ、ここ、ここのブログ記事と19日付けNYT論説)、マンキューとコクランが共和党派の観点から公開書簡を批判している。 フリードマンの分析については2/8付けCNN記事で最初に報じられたようで、マンキューのリンク先も同記

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  • 「貨幣」創造者としての商業銀行 - himaginary’s diary

    Think outside the box(totb)さんが、超過準備への付利批判に反論する一連のエントリを書かれているが、その中で4年前のクルーグマン=キーン論争のまとめ(John Carney、UnlearningEconomics)にリンクしている。この論争については小生も当時触れ、Roweの見方を翁−岩田論争における「植田裁定」に準えたことがあったが、totbさんがリンクしたまとめでは、Roweとクルーグマンは論争の敗者として扱われている。そして、その敗北を決定付けた一つの要因とされているのが、表題のトービンの1963年の論文(原題は「Commercial Banks as Creators of "Money"」)である。 totbさんの別のエントリでは、このトービン論文を引用したBOEの「Money creation in the modern economy」論文(cf, こ

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  • フリーランチは無くとも安いランチは沢山ある - himaginary’s diary

    というFT論説をサマーズが書いている(原題は「No free lunches but plenty of cheap ones」;H/T Economist's View)。 Trade-offs have long been at the center of economics. The aphorism “there is no such thing as a free lunch” captures a central economic idea: You cannot get something for nothing.... Yet I am increasingly convinced that “no free lunch” oversimplifies matters and makes economics too dismal a science. It would be

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  • 我々の子供は経済成長を知らないままで終わるのか? - himaginary’s diary

    サマーズが表題のプロスペクト誌論説(原題は「Will our children really not know economic growth?」)でロバート・ゴードンの下記の書評を書いている(H/T Economist's View)。 The Rise and Fall of American Growth: The U.S. Standard of Living Since the Civil War (The Princeton Economic History of the Western World) 作者: Robert J. Gordon出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 2016/01/12メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (3件) を見る そこでサマーズは以下の図を引用し、次のように書いている。 Of Gordon’s man

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  • 貿易数字ゲーム - himaginary’s diary

    貿易ネタをもう一丁。ダニ・ロドリックが表題のProject Syndicate記事(原題は「The Trade Numbers Game」)で、TPPに関する2つの貿易モデルの結果を対比させている(H/T Economist's View)。 2つのモデルとは、Peter Petri(ブランダイス大)とMichael Plummer(ジョンズホプキンズ大)のTPP賛成派寄りのモデルと、Jeronim Capaldo(タフツ大)とAlex Izurieta(国連貿易開発会議=UNCTAD)とJomo Kwame Sundaram(前国連事務次長補)のTPP反対派寄りのモデルである。 ロドリックによる両モデルの特徴のまとめは概ね以下の通り。 所得への影響 Petri=Plummer:15年後に実質所得は0.5%(米国)ないし8%(ベトナム)増加する Capaldo et al.:2つの主要国で

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  • 世界貿易の減少という未解明の謎 - himaginary’s diary

    という論説をMark ThomaがCBS Money Watchに書いている(原題は「The unsolved mystery of falling global trade」;H/T Economist's View)。 そこで彼は、世界貿易が減少した理由の候補として、以下を挙げている。 景気後退 もしそれが原因ならば、景気回復によって貿易も回復するはず。 しかし多くの分析は、より根深い構造的な問題が原因、としている。一つの仮説として、景気後退期に実施された保護主義的な政策が原因、という説もあるが、明確な証拠は無く、多くの論者は否定的。 グローバリゼーションの減速 多くの企業が、生産活動を世界的に展開する、という方向を逆転させて国内回帰している。この「グローバルバリューチェーン」の縮小が貿易を減少させているのではないか。 組成効果 非耐久財と比べた耐久財の割合が低下している。 中国では、

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  • コチャラコタ「FRBにはコミュニケーションの専門家が必要」 - himaginary’s diary

    昨日紹介したインタビュー記事でコチャラコタは、引用部分の直前で、マイナス金利以外の実際に用いられた非伝統的金融政策について以下のように評している。 LSAPS do have limitations as a monetary policy tool. The big problem is that it always seemed that the Fed had some cap in mind. Now, that cap, and the relative comfort with large holdings of assets, evolved over time. But, I think, markets always got the message: “OK, the Fed is doing this, but at the end of the day there i

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  • コチャラコタとマイナス金利 - himaginary’s diary

    日銀のマイナス金利政策を受けてコチャラコタが自HPに簡単な論評を書いているが、同じ日(2/1)にMoneyandBankingブログに掲載されたインタビューで概ね同内容のことをより簡潔に語っているので、以下に引用してみる(いずれもEconomist's View経由。ただしインタビュー自体は日銀の政策実施前のものと思われる)。 Another important aspect of the tool kit regards negative interest rates. In the past, I have written down economic models where the interest rate is constrained to be greater than or equal to zero. However, we have certainly learned f

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  • コチャラコタ変心の理由を語る - himaginary’s diary

    自サイトへの1/25付けの投稿でコチャラコタが、ミネアポリス連銀総裁時代に金融政策についての考え方を変えた背景を説明している(H/T Economist's View)。 以下はその冒頭部。 I’m often asked about why I changed my mind about the appropriate stance of monetary policy in 2012. I think that this question is typically aimed at trying to get at something personal - and I’ll attempt such an answer at a later date. But in this post, I’ll use a more technical approach to addressing

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  • 原油価格の低下は景気後退をもたらし得るのか? - himaginary’s diary

    24日エントリで原油価格が実体経済の悪化につながるかどうかについてのクルーグマンとブランシャールの対照的な見方を紹介したが、ジェームズ・ハミルトンが表題のブログエントリで、その二分法で言えばクルーグマン側の見解を示している(原題は「Can lower oil prices cause a recession?」。H/T Economist's View、石町日記さんツイート*1)。 ハミルトンのエントリはドナルド・ラスキンのWSJ論説をとば口に原油価格低下の影響を論じているが、その概要は以下の通り。 米国の原油や石油製品の純輸入は一日およそ510万バレル。そのため、1バレル=100ドルでは、米国経済からは毎年1900億ドルが流出していた。今やその流出は半分以下になっている。 消費者というのは臨時収入をすぐに使ってしまうが、生産者が支出計画を変えるのには時間が掛かる。そのため、仮に米国が石

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  • 非線形効果か、ハーディング現象か? - himaginaryの日記 注1

    クルーグマンとブランシャールが原油価格低下の影響について対照的な見方を示している。 1/16ブログエントリでクルーグマンは、原油価格低下は経済にとって良いことだ、という一般的な見方に12/4の段階で懐疑論を示していたことに触れつつ、現状に鑑みるとそれでも十分に懐疑的ではなかったかもしれない、という、半ば自慢、半ば自省の弁を述べている(H/T Economist's View)。 当該の12/4エントリでクルーグマンは、現在の米国の原油輸入比率が歴史的に見て高い水準にあることについて注意喚起した上で、シェールが原油価格の影響の性格を変えてしまったかもしれない、という見方を示している。 Because we once again have a significant sized domestic oil industry, falling prices now create losers as

    非線形効果か、ハーディング現象か? - himaginaryの日記 注1
  • 米国では国民皆保険制度は実現不可能なのか? - himaginary’s diary

    ポール・クルーグマンが、個人的には国民皆保険制度を支持するものの、バーニー・サンダースの提唱する国民皆保険制度は非現実的であり、オバマケアを続けることこそが現実的だ、という論陣を張っている(18日付けブログ記事、およびそこでリンクされたNYT論説、19日付けブログ記事)。 それに対しディーン・ベーカーが、クルーグマンの批判は概ね正しいとしつつも、2点の異議を唱えている*1(H/T Economist's View)。 一つは、保険業界や医療業界といった強力なロビー団体に対抗し圧力を掛けるためには、サンダース議員がやっているように、絶えず問題を公的な場の議論として俎上に乗せ続けることが必要であり、かつ効果がある、という異議である。そうした活動が国民皆保険制度の実現に直結することはないにしても、後退ではなく前進する政治的環境を作ることができる、とベーカーは言う。 もう一つは、国民皆保険制度にお

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  • 経済学者は如何に理論からデータにシフトしたか - himaginary’s diary

    1/11エントリでは、今年の全米経済学会に出席したジャスティン・フォックスがそこで見い出した傾向として、格差問題に関する経済学者の取り組みの変化について書いたブルームバーグ論説を紹介した。表題のブルームバーグ論説(原題は「How Economics Went From Theory to Data」)でフォックスは、彼が全米経済学会で見い出したもう一つ傾向、即ち、理論からデータへの重心の移行について書いている。それによると、昼会での講演者といった栄えある役割はエリック・マスキンやジャン・ティロールやベングト・ホルムストロムといった古参の理論家が担っていたものの、実際の研究発表では実証系が活況だったとの由。 フォックスが引用したテキサス大学のダニエル・ハマーメッシュ*1の2013年のJournal of Economic Literature論文によると、主要誌に掲載された理論系論文の割合

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  • 3種類の経済学的無知 - himaginary’s diary

    リバタリアン経済学者のSteven Horwitzセント・ローレンス大学教授が、表題のFEE記事を書いている(原題は「3 Kinds of Economic Ignorance」;H/T Mostly Economics)。 When it comes to economic ignorance, libertarians are quick to repeat Murray Rothbard’s famous observation on the subject: It is no crime to be ignorant of economics, which is, after all, a specialized discipline and one that most people consider to be a “dismal science.” But it is tota

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  • なぜ経済学者が格差問題に注目するようになるのにこれほど長くかかったのか - himaginary’s diary

    ジャスティン・フォックスが表題のブルームバーグ論説を書いている(原題は「Why Economists Took So Long to Focus on Inequality」;H/T クルーグマン)。 以下はその一節。 The answer may lie in agnotology, the study of the cultural suppression of knowledge. That’s what Dan Hirschman, a lecturer in economic sociology at the University of Michigan who will start work later this year as an assistant professor of sociology at Brown, proposes in a chapter, titled

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  • クルーグマン「政策はモデルによって律せられるべし」 - himaginary’s diary

    一昨日および昨日のエントリで紹介したクルーグマンとデロングのやり取りでは、FRBが既存のモデルに囚われていたがために利上げに踏み切った、というサマーズの見解が一つのテーマになっていた。これについてデロングは、いや、FRBがクルーグマン(1999)のような既存のモデルを踏襲していたら利上げを急がなかったはずだ、と述べ、クルーグマンもそれに賛意を示した。ただしクルーグマンは、デロング=サマーズ論文で提示された履歴効果は既存のモデルからは外れているだろう、とも指摘し、デロングもそれを認めた(ちなみにクルーグマンはデロングがリンクした1999年の小論の枠組みを、ゼロ金利下限付きのIS-LM[IS-LM with a zero lower bound]と表現している)。 この2人のやり取りに当のサマーズが参戦し、両人は需要サイドのモデルを考えているようだが、自分の念頭にあったのは供給サイドのモデルだ

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  • なぜクルーグマンは考えを変えたのか? - himaginary’s diary

    昨日エントリで12/22サマーズ論説を巡るクルーグマンとデロングのやり取りに触れたが、その中でデロングが以下のようなことを書いている。 Since 1999, Paul has changed his mind. He has become an aggressive advocate of expansionary fiscal policy as the preferred solution. Why? And is he right to have done so? Or should he have stuck to his 1999 position, and should he still be lining up with Ken today? (拙訳) 1999年*1以降、ポールは考えを変えた。彼は拡張的財政政策こそ好ましい政策だと積極的に唱えるようになった。何故か? そし

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  • 長期主義の弊害 - himaginary’s diary

    5年半前に、小生はブログで以下のようなことを書いた。 …おそらく当初は皆バブル崩壊に伴って生じた需要不足という見方で概ね一致していたのだろうが、不況が長引くにつれ「いや待てよ、これだけ長引くならば単なる一時的な需要不足の問題ではないだろう、もっと根的な構造問題なのではないか」という見方が広まっていったのではないか。そして遂には、従来の経済学における需要喚起策をむしろ有害無益であるとして捨て去り、日独自の経済構造の指弾にのみ焦点を合わせる、という見解が力を得ていったのであろう。 そう考えると、米国の経済学界でも、現在の景気低迷が長引けば、ひょっとすると日と似たような構図が現われるかもしれない。既にアーノルド・クリングの再計算理論などにその萌芽は見られる。願わくば、そうした状況が生じる前に米国の景気が回復してほしいものだが…。 レーガノミックスは経済成長をもたらしたか? - himag

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