宮崎駿、引退ということで。 「この世は生きるに値するんだ」宮崎駿監督、引退会見全文 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1309/06/news133.html 「風立ちぬ」は巷の評、特に評論家のそれを読むと「『美しいものを表現したい!』という芸術家としての宮崎駿の業」あたりの結論が多いのかなと思います。それを前提にして「こんなもの監督のオナニーじゃねえか!」って怒ってる派と「いや、自分の信じた美を描くことこそ芸術家の使命なのだ」派に分かれてる印象なんだけど、これ、どっちも浅いと思いますね。たしかに一面の真実を指摘してはいるとは思う。思うけれど、どちらも一面でしかない。「宮崎駿はロリコン」くらい、一面でしかない解釈だと思う。 「美しいものを表現する」は宮崎駿が生涯に渡ってずっと追い続けてきたテーマであって、別に本作にはじまった話ではありません。 な
「風立ちぬ」公式ガイドブック アニメ界の巨匠・宮崎駿監督(72)が1日、公開中の映画「風立ちぬ」を最後に長編映画制作からの引退すると発表した。東スポWebでは引退発表前の8月中旬に新作「Wake Up, Girls!」が控える山本寛監督(39)、「ねらわれた学園」「あいうら」の中村亮介監督(37)、「ソードアート・オンライン」「銀の匙 Silver Spoon」の伊藤智彦監督(34)による特別鼎談を行い「風立ちぬ」について語ってもらった。今後のアニメ界を背負っていく3人には宮崎の最後の作品にかける思い、技術的ないびつさとクリエイターならば否定できないその魅力。さらには宮崎の“後継者”問題までと幅広い意見が飛び出した。 「風立ちぬ」でアニメは終わる!? 山本寛(以下山本):今日見て、見立てホヤホヤなんですけど、いやあ良かった。まず「風立ちぬ」の前に流れた高畑勲監督の「かぐや姫の物語」の予告編
「(前作の)『崖の上のポニョ』をやっている時には僕の方が先に行っているつもりだったのに、時代の方が追いついてきた。(今回の映画で描いた)関東大震災のシーンの絵コンテを書き上げた翌日に震災(東日本大震災)が起き、追いつかれたと実感した」」 (日本経済新聞「宮崎駿 時代が僕に追いついた 「風立ちぬ」公開」2013/7/27 より) 宮崎駿は、幼い頃から現実と妄想の区別がつかないという特殊な才能を持つ、生粋の直感型クリエイター(オタクとも言う)である。 おそらくは毎晩のように、夢の中で「日本アニメの神様」手塚治虫と勝手に出会って、脳内手塚治虫にあれこれ励まされていたのであろう。手塚治虫の夢の世界と自分の夢の世界がリンクしている、と彼は信じていたのだと思う。 たとえ未曾有の大震災に巻き込まれても、慌てず騒がず「空に飛行機が飛んでいるゾ〜」とグリプス戦役末期のカミーユみたいなことを言いだしかねないの
『風立ちぬ』を見た僕らの感動は何かというと罪悪感。自分の中にも同じような自分勝手な二郎がいるから。だから感動するんです。自分勝手な奈緒子もいるんです。 そういう「恐ろしい映画」であるなあ、と思って2回目見に行って欲しいですね。1回目感動して、感動が何か分からなかった人はある種残酷で恐ろしくて美しい映画。美しいということは残酷なんです。 『風立ちぬ』について、「賛否というより僕自身がよく分からないので、いろんなみなさん、先生方のお話を伺いながら自分なりの映画の見方、この映画から何を受け取るかという答えを見つける」という毎日新聞記者がオタキング事務所に来訪。岡田斗司夫がこの記者のインタビューに答えながら『風立ちぬ』をふまえて、アニメの見方から創作の根源まであつく語った。
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「TV ブロス」に掲載された押井守の『風立ちぬ』評を、やっと読みました。 発売日に買ってはいたんですけども、自分が映画を受け止め切れていないのに、押井評に引っ張られると別の映画になりそうなので、読まずにいました。 ところが、いざ読んでみたら、宮崎駿監督を昔から知っている友達ならではのもので、“宮さんってこんな人”っていう紹介に近い内容なのでした。 二郎は宮崎監督であり、限りなく自分の持っているものを正直に出している、と評価していますね。 旧友への愛と尊敬を感じます。ツンデレっぷりも、押井さんらしい。 押井さんは、宮崎駿監督を羨ましく思っている人なんじゃないかな。 簡単にまとめると以下のような内容を、押井さん独自の視点で解説しています。 宮さん自身が剥き出しの、自分だけのために作ったオレ・ジブリ 『風立ちぬ』について ・原作の主人公はブタなので、映画もヒロイン以外はブタだと思っていた。 ・僕
タイトルが駄目すぎて、ほとんどの人は手にも取らないんじゃないかなー、本屋からひっそりと消えていくんじゃないかなー、というコレ。 風に吹かれて 作者: 鈴木敏夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/08/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る めちゃくちゃ面白かった。ロッキング・オンの渋谷陽一がジブリ鈴木敏夫にインタビューして、ジブリ作品の秘密を暴くという本。 聞き手である渋谷陽一の興味感心は、「宮崎駿と高畑勲という二人のめんどくさい天才を手なづけて作品を生み出す剛腕鈴木Pは、いかにして生まれたのか」ということに集中するわけなんだけど、鈴木敏夫を掘っていくことで、むしろ高畑勲の凄さが浮き彫りになっている。往年の『アニメージュ』や高畑勲研究をしている同人誌を思い返しても、他者の視点から、これほど高畑勲の才能にフィーチャーした書籍は今までないんじゃないか。『風
映画『風立ちぬ』より少年時代の二郎 - (C) 2013 二馬力・GNDHDDTK 宮崎駿監督は5年ぶりの新作『風立ちぬ』で、スタジオジブリ長編映画としては初めて、SE(サウンドエフェクト)と呼ばれる効果音を人の声で表現することに挑戦しているが、その発想はどこから生まれたのだろうか。本作では、飛行機のプロペラ音、蒸気機関車の蒸気、車のエンジン音、関東大震災の地響きなど、劇中のさまざまな音が人の声で再現されている。 宮崎駿、『風立ちぬ』に涙…フォトギャラリー このような効果音を採用するのは、スタジオジブリ長編映画としてはこれが初となるが、実は宮崎監督が最初に試みたのは、2006年から三鷹の森ジブリ美術館で上映開始された短編アニメーション『やどさがし』でのこと。当時、宮崎監督はさまざまな音が組み合わさって成る複雑な効果音を人に伝えることの難しさを同作のパンフレットの中で語っている。例えば、『風
宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム
宮崎 駿「風立ちぬ」を見て 湯本雅典 (C)2013 二馬力・GNDHDDTK 宮崎駿の「風立ちぬ」を見に行った。封切から1週間、日曜日ということもあって大型館有楽町スカラ座は、満席の大盛況であった。私は、「ゼロ戦設計者の半生を描く」話と聞いて、初めは見る気がなかった。しかし、ジブリが冊子「熱風」で「憲法改正」を特集を組み、宮崎駿が「憲法を変えるなどもってのほか」という長文のエッセイを自らの戦争体験と重ね合わせ書いているのを見て、少し映画も観たくなった。彼は、「改憲」反対の立場を明確にしたのだ。しかし結果は、完全に私の期待を裏切るものであった。 映画の主人公の堀越二郎は、確かに夢を追い続けた。そして、戦争によりその技術が完全に利用されたことも「本意でなかった」ように描かれている。宮崎駿はその製作主旨を「自分の夢に忠実にまっすぐに進んだ人物を描きたいのである」(映画プログラム「企画書」より)
『風立ちぬ』 2013年 (日) 原作・脚本・監督 宮崎駿 プロデューサー 鈴木敏夫 制作 星野康二(スタジオジブリ) 音楽 久石譲 主題歌 荒井由実 『ひこうき雲』 上映時間 126分 ヒロインとの最初の邂逅の直後、汽車のデッキに腰かけた主人公がヴァレリーの詩句をつぶやくと、ショットは切り替わって彼の後ろ姿を画面の後景におさめる。そしてその前景には、煙管をくわえて渋い顔をした初老の男が腰をおろしている。公式資料によれば、彼はどこぞの魚屋のおやじらしい。ともあれ、いかにも宮崎駿の描く世界になじんだその男の、人生の年輪を重ねた見事な面構えをお見逃しなきよう、未見の方にまずは強く勧めておく。 恥ずかしげもなく告白すれば、この何気ないショットを目にして以降、思いがけず胸を衝かれた私は、「おわり」のクレジットが表示されるまでずっと目頭を熱くさせ
・何度かtwitterでは見る前からつぶやいた話だけど、話題やこの作品への(政治的)批判、それへの弁護論を聞いて自分は「ああ、”月ロケットの父”フォン・ブラウン博士のテーマとつながるな」と感じた。そして見たあとも、やはりそうだな…とその見方はかわらなかった。 ある意味、住所は同じで、同じアパートの3号室と5号室ぐらいの距離しかない(笑)。 そういう点で、もし映画の中で…あそこで描かれた「自分の夢を最優先し、政治の善悪の判断もその夢の前には優先順位が下になる」者たちの悲喜劇に興味がある方には、一昔前の漫画だが是非この作品を手にとってほしい。 栄光なき天才たち 宇宙を夢みた人々 (講談社漫画文庫) 作者: 森田信吾,伊藤智義出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/05/12メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (12件) を見る地球の引力を超え、宇宙へと目
科学史鑑賞会『風立ちぬ』を見た。 id:nikubetaさん、id:kosuke64さん、 id:emeroseさんも参加。 一言で言うと『イングロリアス・バスターズ』の後にこのような第二次世界大戦ものの歴史映画を作っていいとでも思ってるんだろうかと思った。これはもちろん褒めてない。私には日本のアニメーション周りのサブカルチャーとか全然わかんないし宮崎駿の作家性にもはっきり言って興味がないので、とにかくこの映画が歴史ものとしてひどいなと思ったのである。 実は私は堀越二郎のことも堀辰雄のことも全く知らなくて、科学史関係者と見に行ってちょっとレクチャーしてもらって歴史的背景を知った感じなのだが、なんかまあ航空史とか全然知らなくてもこの完全に失敗したパラレル歴史叙述は何なんっていう感じだった。 まず、ドリームヴィジョンの使い方があまりにも安易というか…一応、主人公の堀越が三菱に入って軍事用の飛行
宮崎駿の新作『風立ちぬ』を観てきた。 宮崎駿は「どういう映画」を作ろうとしたのだろう。 もちろん、フィルムメーカーに向かって、「どういう映画を作りたいのですか?」とか「この映画を通じて何を伝えたいのですか?」というような質問をするのは意味のないことである(「言葉ですらすら言えるくらいなら映画なんか手間暇かけて作りませんよ」という答えが返ってくるに決まっている)。 でも、映画の感想を述べる立場からすると、このような問いを自問自答してみるというのは、決して無意味なことではない。 映画というのは、それについて語られた無数の言葉を「込み」で成り立っているものだからだ。 お門違いなものであれ、正鵠を射たものであれ、「それについて語る言葉」が多ければ多いほど、多様であればあるほど、賛否いずれにせよ解釈や評価が一つにまとまらないものであるほど、作品としては出来がよい。 私はそう判断することにしている。
宮崎駿の「風立ちぬ」は、その明らかに説明不足の模写や、時代背景に対して基本的な知識が要求されることなどから、世のオジさんにとっては、まさに語りがいがある作品だと思うんだが、それゆえ偉い人でも、結構おかしな事を言っていて、そこがまた面白い。 以下は自分のツイートをあえて再構成せず、時系列に。ネットで語られていることと、それに対する自分の反応がキモなので。 7月24日:新宿のバルト9で鑑賞。その直後にツイート。 「風立ちぬ」。ファンタジーじゃねえか(笑)。あんな菩薩様みたいなお姉ちゃんに愛された記憶があれば、兵器製造への良心の呵責も、夢の挫折も何やかやあっても、おれなら笑って生きていけるもの。(続く #eiga posted at 14:17:23 続き)セルフオマージュ多過ぎの序盤、尺を考えての事だとは思うが、切り過ぎて唐突になってる気がする。しかも人がゴミのようだった。避暑地の風景と合わせ
7月20日に公開され、大ヒットしている宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』。その主題歌に起用されているのが松任谷由実の『ひこうき雲』だ。彼女自身も「ジブリっぽい」と語るこの曲は、同映画をさらに魅力的なものにしている。ユーミンとジブリいえば、1989年公開の『魔女の宅急便』での『ルージュの伝言』、『やさしさに包まれたなら』がある。このときも、映画の世界観と曲が見事にマッチした。どうして、ジブリ作品にユーミンの曲はこれほどまでに合うのだろうか? 音楽評論家の富澤一誠さんに聞いた。 * * * ひとつは映画の内容と曲のストーリー性がシンクロしているところにあると思います。『風立ちぬ』はゼロ戦の設計者である堀越二郎さんの半生がテーマとなっていますが、当時、国産の飛行機を作るのは途方もない夢だったと思うんですね。その内容がちょうど、空への憧れを歌った『ひこうき雲』のサビの部分と重なって聞こえます。 『
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