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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (22)

  • 千葉県の広域停電と過疎地域: 極東ブログ

    台風15号の影響による千葉県での広域停電の状況を報道社による地図で見ていくと、概ね、台風の軌跡をなぞっていることがわかるが、過疎地域を浮かび上がらせたような印象もあったので、過疎について考えるきっかけにもなった。 千葉県での停電復旧が遅れている理由は、想定外の被害であっ たということだろう。地形が複雑なことや樹木倒壊による交通の遮断なども復旧の妨げになっている。過疎そのものが影響したとは言えないだろう。だが、過疎地域の災害対策はどのようにあるべきかは今後も問われるだろう。過疎であれ、人が居住する地域であれば、水道と電気のサービスは欠かせない。が、その災害時のレジリエンスをサービスに含めたとき、公費とのバランスは問われてしまうし、なにより、地方自治体に十分な資金はないだろう。この問題に簡易な解答はないように思われる。 関連して関東地域での過疎の状態を見ておこう。平成28年の総務省『過疎関係市

    henno
    henno 2019/09/15
    もう都道府県で分けるのやめて、政令指定都市だけでなく中核都市も県なみの権限を与えて、過疎地域は直接管理したほうが効率的じゃないかな。
  • 拡大化された偶発的かもしれない悪意について: 極東ブログ

    京都アニメーション放火殺人事件について、一週間がたって、とりわけ真相あるいは真実といったものは見つからない。容疑者が火傷で重症であり、調べが進まないせいはあるのだろう。だが、それが可能になったとしても、真相なり真実なりとして人が期待している何かは見つからないかもしれない。あたかも、それは拡大化された偶発的かもしれない悪意といったものでしかないかもしれない。多数の死の意味がもしかすると見つかることはないのかもしれない。 今朝早朝付のNHKニュース、といっても昨日も同じニュースを聞いたのだが、『「京アニ」放火 容疑者はバケツ2個用意 大量殺人を計画か』では、こう伝えている。《警察は、大量のガソリンをまけるようバケツを2個、用意していたことに加え、現場で6の包丁やハンマーも見つかっていることなどから、青葉容疑者が当初から大勢の人を殺害しようと計画していた疑いがあるとみて調べています。》 なるほ

    henno
    henno 2019/07/27
    悪意のある殺人はその悪意を取り除く努力が可能だが、たいした理由もない惨劇は人を不安定な気持ちにさせる。例えるなら、地震や津波、熊に食われたとかに近い。
  • [書評] 北朝鮮 核の資金源(古川勝久): 極東ブログ

    北朝鮮の工作員が日に多数いるとか、彼らは国際的に活動しているとか、「まあ、そんなの常識として知っていますよ」と言いたくなるが、書を読んでみると、なんというのだろう、うなだれてしまう。ある種、絶望感のようなものも感じる。ここまで実態はひどいのか。あえて「私たち」と言いたいのだけど、私たちはこの問題に実際は目をつぶっていたのだなと後悔する。 書『北朝鮮 核の資金源(古川勝久)』(参照)は副題に『「国連捜査」秘録』とある。著者は国連安保理の下に置かれた北朝鮮制裁担当の専門家パネルに2011年10月から2016年4月まで4年半所属し、北朝鮮の国際的な暗躍を詳細に調べ上げてきた。日国内はもとより各国に足を延ばし、国連による北朝鮮制裁を北朝鮮がどのように違反し、またどのように、ミサイルや原爆の開発部品の調達や技術収集、さらにそのための資金調達を行ってきたか、それを丹念に調べた記録が書である。

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    henno 2017/12/26
  • それは何のニュースだったのだろう?: 極東ブログ

    昨年の大晦日にあたる12月31日の午後0時55分頃、横須賀市小川町2丁目の立体駐車場「サイカヤパーキング」で、ワゴン車が5階から下の道路に転落した。17時の神奈川県新聞の速報の時点では、50代男性と40代女性、70代女性の3人が死亡し、10代とみられる男性2人が重傷を負っていた(参照)。速報としては、安全であるはずの駐車場で3人もの死者を出したことがニュースの価値だったとは言える。しかし速報以降でこのニュースをとらえ直すと、いったいそれは何のニュースだったのだろうか気になった。例えば、この立体駐車場の欠陥だったのか、運転手のミスなのか(ミスでこれだけの事故が起こりえるのか)、あるいは、死者もあるなか10代の子供が生き延びたことに焦点を当てることもできる。どうだったか? 19時時点のNHK報道を振り返ってみたい。「立体駐車場から車転落 40~80代男女3人死亡 2人大けが」(参照)より。 3

    それは何のニュースだったのだろう?: 極東ブログ
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    henno 2017/01/03
    finalventさんが感じているのは、これが米兵による犯罪だったら大きく騒ぎ立てるのに、米兵が人助けをしても報道に表立って登らないという違和感なのかな。
  • コンテンツとグローバリズムの関連で: 極東ブログ

    先日、米ドラマ『エンパイア 成功の代償』の話を書いた。自分には現代の黒人音楽と黒人社会のドラマティックな情景がとても面白かった。なるほど米国でこれが大ヒットしたのはよくわかる。で、日だとどうだろうか? 日でもこの作品、DVD/BDでも販売されているし、いろいろオンデマンドやペイチャネルで放映されているから、それなりに人気があるのだろう。が、ざっと自分の周りを見回した印象だと、興味を持っている人は少ない。 もともと、基的に米ドラマに関心を持つ日人は特定のセクターになっていて、そのセクター内でのローカルな話題になるのかもしれないなとも思っていた。それでも、この作品ならそれらを超える部分はありそうなものだが、と心に引っかかっていた。 『エンパイア 成功の代償』と限らず、米ドラマがどのくらい日で視聴率があるのだろうか?  かつての、と言ってももうけっこう古いが、韓流『冬のソナタ』や『アリ

    コンテンツとグローバリズムの関連で: 極東ブログ
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    henno 2016/04/20
    Game of Thronesなどはヨーロッパ向けというかイギリス向けなのではと思ったりするけど、あれはイギリス以外でどのくらい人気あるんだろう。
  • 「日本死ね」と言うべきだっただろうか?: 極東ブログ

    すでに旧聞になると思う。というか、そうなるのを待っていた面もあるし、考えていたらそうなってしまったという面もある。話題は、れいの、と言ってもいいだろう、「保育園落ちた 日死ね!」ということだが、私が気になっていたのは、「日死ね」という表現だった。そう言うべきだったのだろうか? 言葉狩りがしたいわけではないが、これが仮に「中国死ね」や「韓国死ね」という表現であったら、ヘイトスピーチになるのではないか。なのになぜ、「日死ね」ならそういう問題にならないのだろうかと疑問に思ったのである。 おそらく日人なら「日死ね」と言ってよいという暗黙の前提があるのではないだろうか。だとすればそこで疑問が続く、日人なら「日死ね」と言ってよいのだろうか? あるいは、日人なら「日死ね」と言えるという特権のような意識があるとすれば、それは何に由来するのだろう? その特権を支える正義はなんなのだろう? 

    「日本死ね」と言うべきだっただろうか?: 極東ブログ
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    henno 2016/04/02
    政権への呪詛ともとれるし、あるいは自分を含めた日本そのものへの自虐的な呪詛ともとれる。前者の場合市民としての責任感が希薄だし、後者の場合「受験に落ちた俺死ね」のような言明に近い。どちらにしろ幼い。
  • 佐世保女子高生殺害事件、雑感: 極東ブログ

    7月26日に長崎県佐世保市のマンションに一人住む15歳の女子高校生が友人で同じく15歳で高校一年生の女子高生を殺害した事件は、日全体に衝撃を与えた。大事件であったと言っていい。日のブログとして少し雑感を留めておきたい。 私は基的に、こうした非組織的な殺人事件については関心をもたないようにしている。今回も、NHK7時のニュースで初報道があったときも、概要を聞いてから、さっと飛ばした。私は基的に国内ニュースはNHK7時のニュースしか見ないし、また見るときはいったん録画して見るので、関心のないニュースは飛ばしている。 この事件に関心がないわけではない。関心をもたないようにしているというだけである。当然だが、15歳の少女が15歳の少女を殺害したというニュース自体には、ある種、衝撃を受けた。 そして場所が佐世保であることから、2004年6月に同市で発生した長崎県佐世保市女子児童殺害事件のこと

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    henno 2014/08/04
    サイコパスは市民社会の外側の存在で、その視点からの物語は紡ぎ出せないという話。古谷実の漫画を思いだした。
  • Panasonicマルチグリラーで魚や肉をこんがり焼いたらうまかった。煙もほとんど出ない: 極東ブログ

    暑くなるとの趣向を変える。それ以前になんか作るのもおっくうになる。そうなると、私なりに世界の人の調理を見てきた結論でもあるが、適当に材を切って塩をしてオリーブオイルをまぶしてオーブンで焼く。野菜でも肉でも魚でも、それなりにうまくなる。意外に野菜は焼くとうまいものだ。魚は蒸し焼きならホイルしたり、塩釜にしてもいい。それはそれで美味しいのだが、ちょっと不満もあった。 特に魚がそうだが、オーブンだと七輪で焼いたうまさに及ばない。村上春樹の紀行「遠い太鼓 (講談社文庫)」(参照)だったと思うけど、一番美味しい魚料理としてギリシア人が七輪で魚を焼く話があった。この紀行文に春樹さんが雨のカバラを訪問するという話があるが、私もカバラに行って鰺の塩焼きをべた。ああ、塩焼き。 情けないなと思うのだが、毎度おおきに堂の塩焼き秋刀魚がけっこううまい。私は秋刀魚はフライパンにオリーブをひいて蒸し焼きみたい

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    henno 2012/02/27
  • [書評]光と風と夢(中島敦): 極東ブログ

    高校の教科書には今でもおそらく収録されているだろう「山月記」の作者・中島敦の主要著作は何かと問えば複数の回答があるだろう。絶筆となった「李陵」、独自のユーモアで描かれる「南島譚」、処女作の才気溢れる「古譚」。しかし、どうしても外せないのは、長編小説といってよいと思うが、「光と風と夢」である。 当時芥川賞に落選したことからも評価の難しい作品でもあるだろう(参照)。私も十代にたしか角川文庫で読み、後、ちくま文庫の全集が出た頃にも読んだが(参照)、華麗な文体と衒学的な趣味に惑わされ、今ひとつ全貌が理解しづらい作品に思えた。が、先日から、iPhoneアプリのi文庫で嘗めるように読み返し、昨日読み終えて圧倒的な感動を覚えた。 不思議な構成の作品でもある。「宝島」で有名な英国作家スティーヴンソン(Robert Louis Balfour Stevenson)の、オセアニアのサモアで暮らす死に至るまでの

  • 最近聞いているジブリの歌のカバーとか: 極東ブログ

    久石譲のファンということもあって、ジブリ映画音楽は総じて好きだが、なんとなくカバーで聞いてみたいと思うことがある。いろんな人が歌っているからというのもある。 意外なカバーといえば、安田成美のじゃなくて、島須美の「風の谷のナウシカ」(参照)だろうか。けっこう嫌いではない。好きと言っていいかもしれない。失念していたが、島さん、私より年上なんだ。そりゃそうか。ナウシカも映画は1984年で、もうそんなになるのか。ナウシカについてはまあ嫌いではないが、どうにもちと微妙な感じがしてならない。というか、そのころのジブリ音楽やアニメの音楽を特に聞きたいというものでもない。平野文のCDを無くしてしまったのはちょっとさみしい気はしているが。 最近のお気に入りは、竹仲絵里の「もののけ姫」(参照)である。何がいいのかと言われるとよくわからない。シンプルな曲作りで声が生かされていて、その声が好きということなん

  • [書評]いまこそルソーを読み直す(仲正昌樹): 極東ブログ

    ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)については、翻訳だが私もそれなりに主要原典を読んできた。カントのように「エミール」(参照上巻・参照中巻・参照下巻)には一種の衝撃も受けた。これは難しい書物ではない。先入観なしに誰でも読むことができる。長編の割に読みやすく、おそらく読んだ人誰もが人生観に影響を受けるだろう。特に娘をもった父親には影響が大だろう。他、「告白」(参照上巻・参照中巻・参照下巻)は、ツイッターで元夫の不倫をばらすような近代人の猥雑さが堪能できる奇書でもある。 そして、と紹介していくのもなんだが、私はこうしたルソー人への関心と、政治哲学の基礎文献でもある「人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)」(参照)や「社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)」(参照)などの理解とは旨く像が結びつかない。前者の人文学者としてのルソーへの共感と、後者の

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    henno 2011/01/03
  • 柳条湖事件と盧溝橋事件の比喩性: 極東ブログ

    昨日尖閣沖衝突事件中国側の背景について触れたが、もう一点補足と関連の話をしておいたほうがよいかもしれないとも思った。なぜこの時期に中国は領海問題というタッチーな問題で騒ぎ出したのか、そして、なぜ胡錦濤政府は過剰なまでに強行的な立場を取るのか。 9日のことだが広東省広州市の日総領事館外壁に中国人男がビール瓶投げつけ公安当局に取り押さえられた(参照)。また12日には天津市の日人学校のガラス窓が撃ち込まれた金属球で割られる事件が発生した(参照)。こうした絵に描いたような反日運動誘導的な事件だが、時期的に今回の尖閣沖衝突事件の文脈で報道された。 実際には、柳条湖事件から79周年を迎える9月18日にちなんだ、予期された反日活動の一環でもあった。むしろ、尖閣沖衝突事件中国社会での受け取り方には直接的にはこちらの文脈に置かれている面もあった。19日付け時事「日の丸燃やし抗議=柳条湖事件79年「国

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    henno 2010/09/26
  • 尖閣沖衝突事件の中国人船長を釈放: 極東ブログ

    領海内である尖閣諸島周辺で7日海上保安庁・巡視船に中国漁船が衝突し、公務執行妨害の疑いで逮捕・送検・拘留されていた詹其雄(41)船長について、那覇地検は今日、処分保留の釈放を決定した。理由は、「船長がとった行動に計画性は認められず、我が国の国民への影響や今後の日中関係を考慮した」(参照)とのことで地検が外交関係に配慮したことを明確に示した。釈放時期は未定だが早急に実施されることだろう。 司法が外交に言及するなど、通常なら余計なことを口にして愚かなことだと見られがちだが、今回の地検対応はそれなりの意味がある。 日人の大方の印象は理不尽な中国の圧力に屈した菅政権の弱腰外交の影響を見ることだろう。この数日、中国側は詹船長釈放に向けてかなりの圧力をかけていたことがどうしても背景に見られてしまう。 国連総会出席で訪米した温首相はニューヨークの在米華人会合で「必要な対抗措置をとらざるをえない」(

  • 若いときにやってみるとその後の人生観が変わるかもしれない、多少些細な3つのこと: 極東ブログ

    若いときといっても、18歳くらいから28歳くらいまでかな。それより前やそれより後だと、ちょっと意味が違ってきそうなので。 他の人もこの手の話を言っているかもしれないけど、あまり聞いたことがない。些細なことではあるし、人によっては人生になんの影響も与えないかもしれない。それと、簡単にできるとまでは言い難い。まあ、能書きはいいや。 1 車いすに乗って半日町を巡ってみる 車いすを借りて、しかもサポートしてもらう人がもう一人か二人必要になる。私のお勧めとしては、二人で車いすを一台一日借りてきて午前午後と一日かけてみるといいと思う。交通機関を使うのも目的の一つみたいなものだから、半日で無理なく行ける行き先を決めるといいだろう。 やってみると、驚きの連続だと思う。世界がまるで違って見える。そして、路上の小さな段差がどれだけ車いすを困らしているかもわかる。 こういう体験学習、誰かすでに組織的にやっている

  • 四月馬鹿が二日前倒しだったらよかったのに: 極東ブログ

    今年は四月馬鹿が二日前倒しに来たのだったらよかったのにと思った。亀井静香金融・郵政担当相(国民新党代表)の改革案が3月30日に民主党閣僚懇談会で決まったからだ。 ネットでよく言う、「日終了」というギャグが浮かんだ。ツイッターを覗いてみると多少憤慨している人もいるが、東京都の有害図書規制ほどの話題にもなっていないようで、それほどの危機感をもって受け取られてもいない。ああ、終わりの風景の始まりってこんな静かなものかなと落胆したが、憤慨してもどうとなるものでもないだろう。 私がひどい話だなと思ったのは、菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略担当相が鳩山首相一任したことのほうだ。鳩山首相についてはもう是非も問うまい。お母様に略奪婚の尻ぬぐいをしてしまう人を国の長につけてしまうのはまずかったなというくらいだろうか。しかし、菅氏や仙石氏はもう少し大人だろうと思っていた。あるいは大人過ぎて記憶力もなく

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    henno 2010/03/31
  • [書評]ツイッターノミクス TwitterNomics(タラ・ハント著、村井章子訳、津田大介解説): 極東ブログ

    「ツイッターノミクス(タラ・ハント著、村井章子訳、津田大介解説)」(参照)は、日の各種の分野でツイッター(Twitter)が話題になる現在、適時な刊行であったと思う。特に、企業が広告戦略においてどのようにツイッターをクチコミとして活用したらよいのかという点で、書は著者の経験やこの分野の各種の世論を整理して提供していることから、実践的かつ具体的な指針になるだろう。 マーケティング部門はもとより、ツイッターが開きつつある新しいマーケットを理解するために、年配の経営者にも一読を勧めたい。書を一読しておけば、ツイッターによるマーケティングのごく基的な失敗事例など(参照)は防げる。 とはいえ、書はやさしい口調で理路整然と説かれ、日米間の商慣例の差はあるとしても、概ね正しい内容でありながら、実際にこのツイッターの世界に入って、ツイッターとはなにか実感するという体験の側から見ると、また異質なも

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    henno 2010/03/12
    なるほどと思った>アップルのような市場囲い込みか、あるいはグーグルのような擬似国家税的なモデルによって、本来脱イデオロギー的と設定されるはずの自由市場の自由性に対する異質性が現在世界に台頭しつつある。
  • 「愛は花、君はその種子」と「The Rose」: 極東ブログ

    映画「おもひでぽろぽろ」(参照)は気になっていたが、DVDで見たのは最近のことだった。最近? いつだろうかと振り返ってみると2005年だったので、もう何年か経つ。 映画「おもひでぽろぽろ」は、主人公岡島タエ子が私に近い年でもあり、個人的にいろいろと思い出すことがある。ただ、彼女は1982年に27歳というから私より2つ年上なのか、この2年の差は大きくて、私自身の世代感覚と違うところもある。 1955年から1959年くらいの、ここの年代生まれが、世代的に団塊世代から新人類世代への移行の空白の世代になるが、タエ子はどちらかというと団塊世代近くの側にいて、その分、映像的にも高畑勲の感性がそちらに寄り添っているようには思った。私は新人類側に近い。まあ、その話は別のエントリで書くかもしれない。 映画「おもひでぽろぽろ」のエンディング映像は、衝撃的というのでもないが、淡々と見てきた最後になって、号泣した

  • [書評]脳の中にいる天才(茂木健一郎編・竹内薫訳): 極東ブログ

    「脳の中にいる天才」(参照)は、脳科学、心理学、人類学などの第一人者らによって学際的な視点から人間の創造性ついて語った講演録を翻訳・編集した書籍である。 元になる講演会は、2004年4月イタリア、ボローニャ近くのベルチノロ村の古城でソニーコンピュータサイエンス研究所主催で開催され、後、2007年3月、同研究所の所眞理雄氏と脳学者茂木健一郎氏の編集によって英書「Creativity and the Brain」(参照)として出版された。書はこれを科学ライターの竹内薫氏が翻訳した形になっているが、竹内氏自身も2004年の講演会に参加しており、訳者あとがきを読むと氏も実質編集に参加したように受け取れる。 講演では「創造性と脳」というテーマの下、7つの講演があり、書に収録されている。以下専門分野については同書には言及がない場合は私の判断で補った。 アラン・スナイダー(Allan Snyder:

  • [書評]僕は人生を巻き戻す(テリー・マーフィー): 極東ブログ

    なんど手を洗ってもまた手を洗わずにはいられない。ベッドのシーツにシワやヨレがあるとそれだけで眠ることができない。家を出て五分後に鍵を当にかけたのかどうしても確認に戻る。普通の人でもそういう理不尽な行動をとることがある。それが過度になり、人も非常な苦痛に感じ、日常生活に支障を来すようになると、精神疾患として強迫性障害が疑われる。 診断については「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引」に基準があるが、強迫性障害は、人の意志と無関係に不快感や不安感を伴って脳裏に浮かぶ強迫観念と、強迫観念を打ち消すために行われる強迫行為から構成される。強迫行為は、家に戻って毎回する鍵の確認のように、それなりに誰でも了解できるものから、他人にはまったく理解できない行為もある。指と指が触れてはならないといった強迫行為の理由は、他人には理解できないが、強迫性障害者人は了解している。理不尽ということを理

    henno
    henno 2009/09/11
  • [書評]1Q84 book1, book2 (村上春樹): 極東ブログ

    文学は社会が隠蔽すべき猥雑で危険な思想をあたかもそうではないかのように見せかけつつ、公然に晒す営みである。日の、物語の出で来初めの祖なる「竹取物語」は天皇とその体制を愚弄する笑話であった。日歴史を俯瞰して最高の文学であるとされる「源氏物語」は天皇の愛人を近親相姦で孕ませ、それで足りず少女を和姦に見立てて姦通する物語である。 同様に村上春樹の「1Q84」(book1参照・book2参照)の2巻までは、17歳の少女を29歳の男が和姦に見立たて姦通する、「犯罪」の物語である。また国家に収納されない暴力によって人々が強い絆で結ばれていく、極めて反社会的な物語でもある。それが、そう読めないなら、文学は成功している。あたかも、カルトの信者がその教義のなかに居て世界の真実と善に疑念を持たないように。いや、私は間違っている。「1Q84」は、私たちの社会がその真実と善に疑念を持ち得ないような閉塞なカル