今回の欧州危機から得られる教訓は、中央銀行を保持することの決定的な重要性である。加えて、マネーを外国に頼らないことであろう。日本の場合、日銀を持っているわけだし、経常収支は黒字であって、世界最大の債権国でもあるのだから、ギリシャやスペインのようなことが起こるかと言えば、それはない。 日本では、何かというと、「債務残高のGDP比が先進国で最悪」ということが念仏のように唱えられるが、それでは、ドイツより債務残高が低いスペインが、なぜ危機にあるのかの説明がつかない。やはり、リスクを計る指標の一つに過ぎないということである。むしろ、着目すべきは、中銀の役割である。ECBが大規模な資金供給を実施した際に、国債金利が大きく低下したことを見ても明らかだろう。 日本には日銀があるのだから、余程バカな運営さえしなければ、急性の危機に襲われることはない。ただし、それは、放漫財政をしても大丈夫ということではなく