東本京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日本最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛 礫(つぶて)」 29 「伸介ハンを追及して、何か新事実が出ましたんか?」 「この伸介さんが、驚きの白状をしたんです」 「驚きの白状?」 龍蔵は手を握り締めた。 「武雄と空中ブランコの練習中、 武雄の乗ったブランコが反対方向から折り返して、 ブランコの踏板に足を引っ掛けて戻ってきた時です、 武雄の差し伸べた両手を捕まえる振りして無視したんです。 武雄はバランスを崩して落下しました。 地面に叩き付かれた身体は二度と息をすることが無かったんです。 そうやろ伸介さん?」 三重子の問いかけに、俯いてた伸介が嗚咽(おえつ)をもらした。 「察には届