higashimoto28のブックマーク (1,746)

  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  29 「伸介ハンを追及して、何か新事実が出ましたんか?」 「この伸介さんが、驚きの白状をしたんです」 「驚きの白状?」 龍蔵は手を握り締めた。 「武雄と空中ブランコの練習中、 武雄の乗ったブランコが反対方向から折り返して、 ブランコの踏板に足を引っ掛けて戻ってきた時です、 武雄の差し伸べた両手を捕まえる振りして無視したんです。 武雄はバランスを崩して落下しました。 地面に叩き付かれた身体は二度と息をすることが無かったんです。 そうやろ伸介さん?」 三重子の問いかけに、俯いてた伸介が嗚咽(おえつ)をもらした。 「察には届

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/29
    殺人の証拠が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  28 「まぁ上がって下さい、冷(ひや)やけどお酒を入れますわ」 部屋に入った二人に、三重子が接待した。 「あんまり気を使わんで宜しいで。 今日は、御馳走になりに来たんやないからな。 ワシの話しは、想像がついてると思うんや。 忍ちゃんに聞かれても宜しいんか?」 「心配は要りません、忍には何でも話して隠し事なしにやってきたんで、 忍ぶもわきまえてます」 「そうか、そんならワシの話しから始めさせてもらいますわ。 昨日の晩はご苦労さんでした」 龍蔵が、酒を口にした。 「見てたんですか? さっき今日の焚き出しは蕎麦やと聞いたとき

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/28
    死に疑いを……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  27 「下でリュックを受け取った二人に見覚えがありますんや」 龍蔵の言葉に、近藤が驚きの目を向けた。 「見覚えある言うて、それは一体誰や?」 「チョット探りを入れて確認しますわ。 どっちみち被害届も出んようなコソ泥や、大したもんやないと思うけど、 確証を掴まんと説教もできませんがな。 近藤ハン、この件は察が動くような事案やありませんわ。 ワシが、犯人を突き止めて、動機を解明してみせますわ。 コソちゃんがやってる事情が分かったら、相談にも乗れるかもしれませんがな。 ワシ一人じゃ証明にもならんから、お爺を連れていきますわ」

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/27
    ワシが犯人を……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  26 一人の小柄な男が、屋敷の前でウロウロして周りのようすを確かめてる。 男が立ち止まり、背中に結わえ付けた棒状のものを塀に立てかけた。 再度周りを確かめた男は、棒の先に取り付けられた輪っかの紐に足を踏み掛け、 勢いよく飛び上がった、身軽な身体が塀の上に立ち少し歩くと、 屋根に飛び移り二階の窓に近づいた。 電気の点いていない部屋は誰も居てないようや。 窓が音もなく開けられ、男の姿が部屋に消えた。 近藤が、慌てて路地から出ようとする。 その身体を龍蔵の手が押しとどめた。 「近藤ハン、慌てたらアキマヘン仲間が現れるんを待つ

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/26
    忍者伝書に……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  25 近藤が、ようすを見に来たのか飲みとうて来たんか姿をみせた。 「龍ちゃん、あのコソ泥の件やけど、最近は住吉区を中心に出没してるんや。 ワシらも、被害届も出んようなコソ泥を, 追いかけてる暇が無いもんやからほっといたんやが、 こんだけ数が多うなると無視できんようになってきたんや。 今に住民から警察は何してるんやと、苦情が出そうでな。 それで、張り込みを開始することになったんやけど、 デカ連中は気が進まんのや。 金目の物を盗まん只のコソちゃんや。 元々捜査一課の事案やないんで、ワシには関係ないんやけど、 おかげさんで殺

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/25
    コソちゃんが組みを……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  24 「ワシ、チョット思いついたんやけど、 乾麺や酒、醤油や調味料、下着や古着。 これで気付いたんやけど、 三重子と忍が恵まれん人に分け与えてる品物と違うやろか。 炊き出しの品物は、ハローワークへ寄付されたもんやと言うてたけど、 そんなに寄付が有るんやろか? ワシ、ハローワークへ行って調べてみようと思うんや」 龍蔵が疑問に思ってることを話した。 「そんでも、調べてもしそんなに寄付は無いと言われたら、 三重子と忍がコソ泥やって盗んだもんで炊き出ししてることになるがな。 もしそうやっても、そんなん暴いてエエんやろか? 確か

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/24
    やってることは盗人……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  23 ミナミに戻った龍蔵は、お爺と共に座敷に上がった。 「どうやった? 釜にいてましたか」 お銀が探索に来た。 「見つかったもなにも、釜の公園で炊き出しのうどんを皆に振る舞うてたわ」 「炊き出し?」 「そうや、銭の無い腹減らした人らにうどんを提供してるんや」 お爺が、自分のことのように話した。 「それやったら、住所調べることも無かったな」 「そうなんや、ワシら部屋まで案内されて見てきたんや」 お銀が酒を注いだ。 「部屋も見て、炊き出しの現場も確認したんやったら、 二人がコソちゃんやなんて疑いも吹っ飛んだがな」 お銀が笑

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/23
    どうも解らん……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  22 「炊き出しのボランティアやってたら、みんなから感謝されて釜一番の有名人やろな」 「何も有名人になろう思うて炊き出しやってるんと違うんや。 毎朝早うから人夫出しの貨物が迎えにくるけど、 一台の車に平均五人ぐらいの募集や。 釜に住んでる労働者をまかなうなんてとても無理や。 そやからギョウサンの人がアプレるんや。 働かんと収入が無いからドヤにも泊まれんしご飯もべれん。 仕方なしにベンチで寝たり、道路の隅に新聞紙を敷いて寝るんや。 二日も仕事にありつけんかったら大変や、お腹が空いてフラフラや。 わたしとお母ちゃんは、こ

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/22
    話ができすぎ……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  21 忍ちゃんに誘われるまま、寝泊りしてるドヤについて行った。 「おっちゃんら、わたしとお母ちゃんの部屋はここや。 この二階なんや、三階は無いから頭打たんようにな」 言うが早いか、広い階段を二段跳びで上がって行く。 後に続いた三重子も、一段飛ばしに駆け上がった。 「龍ちゃん、あの親子は何もんや?」 お爺が、上を見上げる。 「二人が言うてましたがな、伊賀の出身で忍者やと」 「ナンボ忍者でも、それは昔の話や。 今どき忍者なんておるんかいな?」 お爺の息が治まらない。 「おっちゃんら何してるんや? こんな階段も、よう上らんの

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/21
    忍者や……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  20 「オオキニ」 二人は礼を言いながら丼ブリを受け取った。 「おっちゃんやんか、お爺ちゃんも釜に住んでるんか?」 忍ちゃんに見つかった、当然や。 「この煮込みうどんの評判を聞いて、ご馳走になりに来たんや」 お爺が答えた。 「そうか、一杯しかべられへんけど堪忍してや。 できるだけギョウサンな人にべて欲しいんやけど、 いつも品切れになってしまうんや」 三重子がうどんを入れた丼ブリに、忍が出し汁を注ぎ込む。 「こりゃ旨いわ、ホンマに旨い」 お爺の顔がほころぶ。 「もう後二十人ほどで今日は閉店や、公園のベンチにでも座って

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/20
    お爺が涙を……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… 龍蔵は、 この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  19 龍蔵は、お爺を誘って釜ヶ崎に出向いた。 何度か来たが久しぶりの釜や。 「ワシはこの歳になって初めて来たわ。 噂には聞いてたけど、雰囲気は予想通りや。 軒下いう軒下に、こんだけギョウサンな人が寝てるなんて、 ダンボール一枚でよう身体が痛うならんもんや。 ビールをラッパ飲みしながら歩いてるもんもいてるけど、 別に異常に見えんのが釜らしいわ。 あそこの公園に人だかりができてるけど、何やろか?」 お爺が歩き出した。 「ここは三角公園いうて、釜で催しものが有るときはこの公園を使いますんや」 龍蔵が説明したやった。

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/19
    炊き出し……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  18 三日後、出かけてたお銀が帰ってきた。 「龍蔵ハン、こないだ来た親子、新今宮にいてましたで。 動物園前に用事があって電車に乗りましたんや。 電車内では気づかんかったけど、降りたとこが一緒やったんで分かりましたんや。 親子で釜ヶ崎の方へ行きましたで、声をかけようかと思たけど、 何や急いでるみたいやったから見送りましたんや」 お銀の話に、龍蔵が反応を示した。 「こないだ会うたとき、どこに住んでるんか訊かんかったんや。 釜に住んでるんか?」 「用が有ったんかもしれんし、釜に住んでるとは言い切れませんで」 「そらそうやけど

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/18
    何や気持ちが……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  17 コソちゃんは、とうとう現れんかった。 「忍ちゃんの言う通りやったな、 そんでも、あんな四年生見たこと無いわ。 ナンボ訓練や言うても、体を鍛えて国語辞典を持ち歩く、 母親の教育の賜物かもしれんけど、素直に受け入れるあの子は凄いわ」 座敷に席を移した二人は、下りてきた近藤と共に、 酒を飲みながらの談笑になった。 「いま庁へ電話入れたら、コソ泥ちゃん今日は質屋に現れたらしいで。 それも、ほんのさっきの犯行らしいわ」 「質屋に現れた? いよいよ性を現したかな」 龍蔵がうめいた。 「性現した言うて、質屋でダイヤの指輪

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/17
    質屋に……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  16 「そうか、そんな現実があるんか。 確かに、不運で突然命を奪われた人にとっては、 未練なんてもんや無いやろな、生きてる人にすがって来るんも解かるわ」 お爺が自分でうなずいた。 「そやから、わたしとお母ちゃんは、 不幸に遭うた人や恵まれん人のために働くことにしたんや。 お母ちゃんと二人で、一人でも幸せになる人が増えるように頑張ってるんや」 龍蔵とお爺が顔を見合わせた。 「二人で世のために言うて、どんなことしてるんや?」 龍蔵が訊ねた。 「そんなん話したら、自慢話みたいになるから内緒や。 わたしもお父ちゃん亡くして寂し

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/16
    困ってる人を……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  15 「そうや、大きな災害が有るとギョウサン人が死ぬやろ。 その犠牲になった中には、子供や老人がいてるんや。 親が子を思う気持ちは、想像を絶するもんや。 何日目かに見つかっても、息絶えた後や。 親は毎晩寝る度にうなされる、毎晩抱き締めたいよと叫び続けるんや。 そんなとき奇跡が起こるんや、「元気でいてるか? お母ちゃんは会いたいよ、 こっちに来て抱かせてくれるか」 その時やった、仏壇の前に置いてあった押すとカタコト音のするオモチャが、 音を弾かせながら動き出したんや。 死んだ子供が会いに来てくれたんや。 周りにいた家族は

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/15
    幽霊現象……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  14 龍蔵が、腕組みしてつぶやいた。 「忍ちゃんの言う通りかもしれんな。 目先の事に捉われて大局を忘れてるんかもしれん」 「大局て何や?」 お爺が訊ねる。 「普通コソ泥は、貴金属や金を盗むんが多い。 今回のコソちゃんは、金目のものを盗んだことがない。 タンスの下着や仏壇の酒が盗まれても、財布や宝石は盗まれて無いんや。 こんなん何で気づかんかったんやろ」 「ホンマやな、警察に駆け込まなアカンような物は盗まれてないな」 お爺も首をかしげた。 「おっちゃんら何を真剣に考えてるんや。 盗まれて困るような物が被害に遭うてないんや

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/14
    大げさ過ぎるんや……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  13 「醤油を買うのに一升瓶もって行くんか?」 龍蔵が訊ねた。 「まさか、醤油差しに入れてくれ言うては買に行けませんがな。 一升瓶で買うたほうが安いし、醤油や油を買うときは一升瓶ですんや。 これは貧乏人の知恵ですわ」 なるほどと、龍蔵とお爺がうなずいた。 「おっちゃんら、口ほどでもないな。 結局わたしには勝たれへんがな、修業して出直した方がエエわ」 二人は形無しや。 「そう言うたら龍ちゃん、いっこうに現れんな。 今日はコソちゃんの定休日やろか?」 「おっちゃん、コソちゃんて誰や?」 「最近な、この近所でコソ泥が出没して

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/13
    捕まらん……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  12 「忍ちゃんは、学校で優等生やろ」 「そんなことないわ、学校が終わったら、 いつもお母ちゃんと買い物行ったりするやろ。 毎日の訓練も欠かせんし、そやから勉強してる暇ないんや。 友達と遊んでる暇もないから優等生かどうかも分からんのや」 「そんでも、親が苦しいときに笑顔を返すなんてできることや無い。 苦しいくの字を逆さまに書いて楽しいと読むやなんて、 大人でも思いつかんことや」 「そんなん普通や思うわ。 こないだ先生が、好きな字を書きなさい言うから、淋しいと書いたんや。 そしたら先生が、もっと楽しい字を書いたらエエのに

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/12
    飛礫……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  11 「忍ちゃんは、ニコニコして笑顔が絶えんけど、何か秘訣でもあるんかいな?」 龍蔵の問いかけに、満面の笑みでこたえる。 「お婆ちゃんが生きてた頃、よう言われたわ」 「そうやろ、その笑顔見てたら周りがみんな幸せになるわ」 「おっちゃん、それは違うんや、まるっきり逆さまや」 「逆さま?」 「そうなんや、お婆ちゃんは、わたしがニコニコしてると嫌な顔して怖い怖い言うたんや」 龍蔵は意外な答えに聞き直した。 「怖いて、どう言う意味や。笑顔が何で怖いんや?」 「お婆ちゃんが教えてくれたんや、お婆ちゃんが小さいころ、 家が貧乏で白

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/11
    笑顔が……
  • 『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』

    京史 「トラちゃん文庫」 「難波侠客伝」日最後の侠客、大越龍蔵が悪に立ち向かう! 背中の昇り龍、二の腕のクレマチスを咲かせ男伊達をみせる。 クレマチスは策略の花、さて今日のクレマチスは…… この小説はフィクションです、実在とは関係ありません。 「飛  礫(つぶて)」  10 「忍(しのぶ)ハンやったかな、背中の大きいリュックはどないしたんや?」 リュックサックを目ざとく見つけた。 「これは、爺ちゃんが軍隊で使うてたもんや。 古いけど大きいからギョウサン入るんや。 買い物に行くときは、いつも背中に背負うてるんや」 なるほど古ぼけたリュックや。 「今日は何の買い物や?」 「まだ決めてないんや、買い物は行き当たりばったりや。 リュックが一杯になったら帰るんや」 「そんな大きなリュックに一杯詰め込んだら、重うて歩けんやろ?」 「そんなこと無いで、もう慣れっこになってしもうたわ」 可愛い笑顔を

    『東本京史「トラちゃん文庫」難波侠客伝:飛礫』
    higashimoto28
    higashimoto28 2016/04/10
    そのリュックは……